苦しみを味わいつくすとタフになる。

先週金曜日、会社でとても辛いことがありました。
単純な失敗とか、叱責とか、売上とか数字とかそういうものではなく、心にずっしりと来る、失望感です。

ここ半年、これまでいろいろなやりきれないこと、疑問と思いつつも仕事と割り切って黙々と進めてきたこと、ねじれ、組織的問題等などに非常に苦しんでいましたが、今回は他人の責任をいつのまにか取らされる羽目になったとでもいうか、まぁそれに近い状況に直面しました。
。しかも相当シリアスに。
正直ココ数年で最高レベルに落ち込みました(今もですが)。
顔から笑顔が消えているという事が明確にわかるのです。
どんなことにも笑えなくなる。人の会話とか、おこっている周りの出来事が全て遠くで聞こえるか、遠くで起こっているかのような気がする。

こういうときは、流石のマブダチ・サーフィンもまったくお役に立ちません。波が良いというのに、朝起きる気力すらがないのです。
サーフィンは私にとって、心身の健康のバロメーターですから、こういう状況は本当に病気一歩手前ですね。

よって土曜は本当に一日宙を見て過ごしました。

日曜日、なんとか気合いを入れて起きてサーフィンに行ってきました。
行けたのは、土曜の夜に偶然手にした本に痛く感銘を受けたからです。偶然にフラッと手に取った本の一節なのに、あまりに今の私への神様からの手紙のような気がしてびっくりしました。

この本は現在日本マクドナルドの社長である原田氏の著書です。
原田氏は、マクドナルドの前は今や飛ぶ鳥を落とす勢いのIphoneIpodやItouch等世紀の大ヒットを連発しているアップル社の日本法人社長でした。
彼の書いたこの本「とことんやれば必ずできる」に以下の一節が書かれています。
今後の振り返りの為に、書きうつしました。
以下引用です。

苦しみにどう対処していくかを知っておくことは大切です。
私にも、口に出す事もはばかるくらいのつらい思いをしたことがあります。
仕事がうまくいかず、家に帰ってきても電気を自分でつける気力もないくらいに疲れ果てて、つらくて、苦しくて・・・。
こういうとき、あなたはどうしますか?
ある人は苦しみを忘れようとするでしょう。しかし、忘れようと思えば思うほど、思いだすのが苦しみです。底なし沼に足を突っ込んだように、なかなか脱出できないのが世の常。
また、苦しみから逃げようと、お酒を飲んだり、スポーツに打ち込んだりする人もいるかもしれません。
でも、逃げても、逃げても、苦しみは追いかけてくるものです。
一時的な気晴らしにはなっても、苦しみから完全に開放されることはありません。
心に重くのしかかるつらい出来事というのは、忘れようとすれば思い出し、逃げようとすれば追いかけられる。そういうものなのです。
こんなとき、まず考え方を根本から変えてしまう必要があります。
「よし、この苦しみにどっぷりつかって、味わい尽くそう」
と苦しみに向かっていく。苦しみをとことん味わい、そこから立ち上がってやろうと覚悟を決めるのです。そして、
「この苦しみを乗り越えることができれば、自分はいままでよりずっとタフな人間に成長している」
と自分自身に言い聞かせることも大切です。実際、私にも、
「この苦しみを乗り越えるまでは、絶対に飲みに行かない。会社が終わったらまっすぐ家に帰り、あえてこの苦しさに思いきり浸るんだ」
と決めて実行したことがあります。部屋でうずくまっていると、自然といろんな事を考えます。
「なぜ、こんなに苦しい思いをするのだろう」
「自分のどこに落ち度があったのだろう」
最初のうちは自分への問いかけばかりが続きます。もう頭の中はどうすればいいかわからないことだらけで、ぐちゃぐちゃになります。大声で叫びたくなるほどです。
しかし、二日、三日と日が経ち、だんだんと考えが整理されてきます。
問いかけに対する答えが出てくるようになります。ついには苦しみはすっかり消化し、
「この苦しみを無駄にしない。今後の肥やしにしなければ、いったい何のためにこんなに苦しんだのかわからなくなってしまう」
と立ち上がる気力がわいてきます。
苦しみを追体験するのは非常に苦しいことですが、まずはその環境にどっぷりとつかり、とことんもがいてみることです。
悩みぬけば、必ずや活路が見出せます。精神力もいっそうタフになります。
少々自虐的な感じがすると思われるかもしれませんが、スポーツ選手が体をいじめていじめて体力をつけていくのと同じ。
心の苦しみこそが、逞しい精神力を育てていくのです。

ここで行っている原田氏の対処法は、まさしく禅の修行の境地ですね。
自己問答をとことん繰り返す、逃げない。浸りきる。そして悟り、実行に移る。

原田氏はさらに、こういう苦しみの極みを体験するのは、それは仕事を真剣にやっている証拠でもあると同時に、会社としての重く責任ある立場にいる証拠と言っています。
てきとーに、可もなく不可もなく、チャレンジもせず、日々の決まり切った仕事を普通にやっていたら、、そもそもこれほどの苦しみには直面しないと。

この一節にかなり救われました。

本はやっぱり心の栄養です。
そして、導かれるようになぜか1年以上ぶりにこの本を手に取らせた何かの力にも大いなるものを感じざるを得ません。
何かに動かされ、今何かを学べと教えてくれているんだなと。

これで、単なる悩み、苦しみから、初めて、前向きに立ち向かう為のリセットが一応できた気がします。

後は、どう立ち向かうか、そしてそれをやりぬくか。これが一番大切。そしてこれができれば一歩また精神的にタフになるでしょう。