人狼戦術論について
人狼の戦術論を公開する方が居る。
僕もそうなのだが。
ここで言う戦術とは、推理やその説得方法、投票なども含む。
いわば、人狼における主体行動すべてである。
戦術には、各人のアイデンティティが色濃く反映されている。
すなわち、独創性があるのだ。
一方で、ゲームに参加している人に
その戦術の意図が伝わらなければ戦術の意味をなさない。
すなわち、一般性が必要なのだ。
独創的であればある程、その意図は伝わりにくい(傾向がある)。
また、一般的であればある程独創性が乏しくなる。
優れた戦術はこのバランスが非常に良いと思う。
ただ、この「独創性」と「一般性」が何を指しているかということだ。
概要は上に示したようなことである。
独創性はまあいいだろう。
- 他の人が思いつかない
- 今までにない
と言ったようなものだ。
殆ど「自分の尺度」で決定できる。
また、独創性が高くなればなるほど、使用できる場面は限られてくると言える。
場面が限られない場合、他の人が思いつきやすいからである。
さらに、使用できる場面が限られるというのは、
使用するゲーム内要素が多いという事でもある。
ここで言うゲーム内要素とは、
- 夜の一部屋だけでなく、複数の部屋の状況について言及する
- 投票と部屋割りなども絡める
などである。
一般性はどうか。
- 他の人に伝わりやすい
- 既に一般化した戦術の拡張で簡単に説明できる
と言ったようなものだ。
この「他の人」というのが難しい。
また、一般性が高い戦術は、使用できる場面が多い。
さらに、必要な要素が少ない。つまり、「夜の一部屋だけ」で行う作戦などである。
例えば「偽ブロック」と言うものを考えてみる。
独創性はほとんど0に近い。
一方で、一般性は非常に高い。
「既に一般化した戦術」というよりは「ルール」である「ブロック」によって説明できるからである*1。
逆に、独創的な作戦は複雑怪奇になってしまう。
1ゲーム限りというのも珍しくない。
そのため、文章化する事が困難である。
従って、独創性と一般性は、普通は両立しない。
いかに独創的であっても、説明が容易である場合がある(と思う)。
それが、最も優れた戦術なのではないだろうか。
そう言う戦術を立てられるプレイヤーが多くなることを望む。
*1:ルールだけで説明: 全ての戦術はルールだけで説明できなければならない。しかし、ルールに帰着するまでに多くの前提(例えば、確率的に導出される行動指針など)が含まれると、ルールまでの帰着は非常に困難となる。