退院後22日目〜生理が来る〜

■【治療・症状】
・生理がくる
・身体のだるさ、腹痛(生理によるもの)

■【詳細】
今日で退院後22日目、前回の生理からちょうど約1ヶ月。
急に身体がだるくなって、腹痛がひどいなあと思っていたら、生理だった。
手術後しばらく出血が続いており、医師から「生理の続きかも?」と言われていたので、もう少し遅れるのかと思っていたら、今までと同じように周期が変わらず来たのでやや驚く。
ただ、生理が来たということは、しっかりと身体が元のサイクルに戻っているということだと思うので安心した。
生理痛に関しては、今までと比べてだるさや腹痛がひどくなったような印象が強いが、今は休職中であるし手術後ということで、自分の身体に対して敏感になっていることもあるので、普通に仕事をしていればそんなに気になるほどでもないような気がする。
本当にひどくなったのかどうかは、半年ぐらい経過してみないとわからないのではないだろうか。

退院後20日目〜発熱〜

■【治療・症状】
・発熱

■【詳細】
昨日、買い物で電車に乗って大きい街に出て歩き回ったり、重い荷物を持つなどして動き回っていたら、夜になって37.8分の発熱。
傷口の奥のほうが痛くて、うずく感じである。
本日は大事を取って1日休養とする。
今までも動いた日や、部屋の整理で重いものを持った日などは発熱していたが、今回は1日中動き回っていたせいか、ドカンと来たような印象。
ただ、発熱するからといって何もしないというのもどうかと思うので、あまり無理をしすぎない程度に少しずつ動いていこうと思う。

退院後8日目〜診断確定〜

■【治療・症状】
[病理検査結果]
・「良性」の卵巣腫瘍
・「粘液性腺腫」
・(手術前に「充実性」という可能性を話していたが)充実性ではなかった。
・充実性と見分けがつきにくい、非常に珍しい「非定型的」な腫瘍であった。

[症状]
・傷口のかゆみ
・車に乗った時の痛み

■【詳細】
本日、病理検査の結果が出るため、主人が有給を取ってくれて車で病院へ。
車に乗ることは全く問題ないと思っていたのだが、車に揺られているうちに腹痛が発生。
傷口ではなく、中のほうが痛んだ。
高速道路ではあまり揺れないので気づかなかったが、一般道に入るとどうしても揺れてしまうため、傷口に鈍い痛みというか、なんとも言えない響きかたをしてくる。
すっかり治ったと思っていたのだが、実際はまだまだなのだなぁということを痛感した。
(実際に夜、傷口の中のほうが痛んで、すぐに眠れなかった)
病院に到着し、前回、請求書が間に合わずできなかった退院手続きと精算を済ませる。
手術・入院費合わせての請求額は、自分の感覚としてはとても安い金額だと思った。
これは、人によって受け取り方は違うと思うが、自分は(中間管理職の)給与の1ヶ月分ぐらいはかかるだろうと覚悟していたのだが、実際はその1/3ぐらいだったので、こんなに安くていいのかな?と思った。
痛い思いや大変な思いをしたことがプラスされて、手術に対して拡大解釈していたかもしれないが、冷静に考えてみたら「お腹を切って腫瘍を取り出す」という手術内容だったので、そんなに大手術・難手術というものではなかったのだった。
金額については、おそらく病院によって違いが大きく、私営の病院であればもっと高かったのかもしれない。

支払いを済ませ、診察を待つ。
そしていよいよ自分の番となった。
診察室に入り、先生に御挨拶したときの感じで「これは、もしかすると良性だったのかもしれない」と思った。
簡単に問診があり、そのすぐあとに先生が「結論から言うと良性でした」と言ってくださった。
伺ったときは喜ぶというよりも、力が抜けたという感じだった。
「あぁ、よ、良かったです…」と言うのがやっとだった。
すぐに家族に連絡したかったが、取りあえずは説明を聴かねば…と思い先生の話に耳を傾ける。
主人も診察室に入ってきてくれた。

                                                      • -

・手術前、「充実性」といって中に実が詰まっているように見えていたが、病理検査の結果では、中にどろっとした粘液性の液体が詰まっていた「粘液性腺腫」だった。
・通常、水ふうせんのように一つの房のなかに液体が入っているのに比べて、今回のものは、水ふうせんのなかにたくさんの房があり、それぞれに粘液性の液体が詰まっていた。その液体がとてもどろっとしていて、密度が高く、充実性と区別するのが非常に難しく、たいへん稀なケースであった。
・病理検査で詳しく見たが、悪性の所見は見当たらなかった。
・充実性と区別するのが難しく「非定型的」な腫瘍であったと言える。ただ、非定型的だからといって、変だとかおかしいということではなく、良性の腫瘍であることに間違いはない。
・良性ということが分かったので、治療はこれで終了となる。3カ月後に診察し、その後は何もなければ6カ月後…というように伸ばしていってよい。

                                                      • -

ということであった。
その後、1週間後検診で傷跡の確認とエコー検査があり「経過は順調です」とのことだった。

■【気持ち】
良性ということが分かり、やはりとてつもない安堵感、そして良い意味での脱力感。
つまりは「卵巣のう腫」だったのだ。
ということは、もしかしたら腹控鏡手術ができたのではないか?卵巣を残すこともできたのではないか?という疑問が当然持ち上がる。
実際、同日に手術した女性は同じ大きさの8センチの卵巣のう腫で、腹控鏡手術であった。
ただ、主人の話では「MRIで(のう腫か充実性か)解らないのであれば、手術して腫瘍を取りだしてから検査するしかなかったのではないか」とのこと。
実際に、先生も何度も繰り返しそのように説明をしてくれていた。
手術直後の説明で主人が取り出した卵巣を見たときも「素人の目にも中身がギッシリ詰まっているように見えたし、先生も上から触って“中身が詰まっていますね”と言っていた」とのこと。
となると、MRIで造影剤が使えれば、もしかしたら解ったったのだろうか。ただ、今となっては、およそ素人には解りかねるところである。
たった1回でも喘息を発症してしまったため、造影剤を使うことができなかった自分の運命として受け入れるしかない。
ただ、健康診断で腫瘍を発見してくださった病院と、今回手術してくださった病院の、一連の先生方の説明を聞いている限りでは、不信感を持つとか疑うということは決してなく、現在の医療の出来る限りをしてくださったと感じているし、医療に対しては大変に感謝している。
もちろん、もっと早く、良性の可能性が高い「卵巣のう腫」と分かっていれば、ここまで不安になることもなかったのかもしれない。
一般に悪性の可能性が高いと言われている「充実性」疑いということが分かってから、愕然とした気持ちでここまできたので、背負っていた荷物が急になくなったという感覚であった。
ただ、他のかたの「卵巣のう腫」の体験記やブログを見せていただいていると、どなたも良性ということが分かるまで不安な日々を送ってこられていた様子がひしひしと伝わってきていたので、こういうことは全体の確率に関わらず、思い悩む深さや辛さは同じなのだと考え直した。
自分にとっては「悪性か良性か」はの確率は誰もが5分5分なのだから。
今回のことを通して、生きていることへの感謝の気持ちや、命の大切さ、そして何より家族や友人や仕事で知り合った方々のありがたみを、本当に改めて強く感じた。
特に家族については、自分の家族だけではなく、主人と主人の御家族の皆様には、本当に筆舌し難いほど助けていただき、結婚して本当に良かったと思った。
ただ、結婚したことは同時に、互いの家族に対して心配の種を増やしていることにもなる。結婚するということは、仲良く暮らすことはもちろん、相手も自分も両方が健康でいる責任が生じるのだと感じた。
また、自身が社員の健康を守る使命を持った職種であるにも関わらず、本当の意味で「病人」の気持ちが分かっていなかったところがあったかもしれないと反省した。
病気になるということ、診断がつくということ、入院や手術への不安、そして少しずつ治ってゆくまでの過程…。それは身体の病気でも心の病気でも同じで、体験してみて初めて分かることがたくさんあった。全体を通して、やはり誰かのサポートやしっかりした人事制度が必要不可欠であるものだと感じた。
このように体験として得たことについては、プライベートでも仕事でも、今後の人生に活かしてゆこうと思った。
そして、明日は奇しくも主人の誕生日なので、プレゼントは何かいいか聴いたところ「早く健康になることがプレゼントなのではないか」というような意味のことをゴニョゴニョ言ってくれたので、治療の終結と、主人の愛情との二重の幸せを感じられた日となった。

退院後7日目

■治療・症状
[症状]
・傷口のかゆみ
[治療]
マグラックス(1回)
・料理、掃除など
・歩行練習(買い物)
■【詳細】
今日で退院7日目となる。傷口は、痛みよりもかゆみが強くなってきている状態。
個人差はあると思うが、無理をすれば来週あたりから、デスクワークに限定すれば仕事に復帰できそうな感じもする。(私はしませんが・・・。)
明日はいよいよ病理検査の結果が出るので、さすがにだんだん不安になってくる。
境界性・・・良性・・・悪性・・・という単語が頭の中をめぐり、各結果に対して考えていた対応策が脳内でより具体化されていく。
ただ、そうした思考とは逆に、腫瘍が発見された8月25日からの疑問が解決するのだと思うと、少しほっとした気持ちになる。やっと解放されるという安堵感に浸りながら眠る。

退院後6日目

■治療・症状
[症状]
・傷口の痛みとかゆみ
[治療]
マグラックス(1回)
・料理、掃除など
・歩行練習(買い物)
■【詳細】
退院6日目にして、既に傷口はかさぶたが取れ始めてきていた。
抜鉱のあとのポツポツとした傷口はかゆみが増してきており、ちょっと掻くとポロポロとかさぶたが取れていく状態で、こんなに早く治るものなんだなあと驚く。
ほとんど通常の土日と変わりないように生活できており、手術後だということを忘れるほどである。
ただ、リビングのテーブルを拭くときなどにお腹を押し付けるとまだ痛みがあるので、そういったときには「はっ」と思い出す感じ。
仕事のメールも少しずつ処理できるようになってきたが、本格的な復帰はまだという前提で動く。

退院後5日目

■治療・症状
[症状]
・傷口の痛みとかゆみ
[治療]
マグラックス(1回)
・料理、掃除など
・歩行練習(買い物)

■【詳細】
本日も規則正しい生活を継続。
食事のあとのお腹の痛みが激しくなってきたので、やはりマグラックスを再開することにした。
その他は、特に変わらず過ごす。
食事は、葉物野菜、根菜など中心に、大豆や魚など、ヘルシーなメニューを継続。やはり仕事をしていないと、時間をかけて料理できるし規則正しい時間に食事できるので、とても健康的だと思う。
身体が回復するにつれて、だんだんと検査結果が気になってくる。良性か、境界性か、悪性か…。良性だった場合に、仕事は退職するべきか、継続するべきか…。
まあ、あまり考えていてもしかたないので、10/1を待つことにしよう。

退院後4日目

■治療・症状
[症状]
・傷口の痛みとかゆみ

[治療]
・料理、掃除など
・歩行練習(買い物)

■【詳細】
症状は傷口の痛みを残すだけになり、他はほとんど気にならなくなった。今日から投薬もしないことにする。
ただ、やはり食事をしてお腹がふくれると、傷口が痛くなる。
また、かゆみも増してきているが特に気になるほどではない。寝ている間に、無意識で掻いてしまわないように気を付けることにする。