12, 01. 2011 光と影と


前夜吹き荒れた雪が、10cm程は積ったろうか。昨日も午前中は小雪が散らついた。寒さは身体が慣れたのか、余り酷くは感じられない。午前中は削りが不十分だった器の糸底の内部の粘土を削り取った。前日成形した陶筥を、金属線で身と蓋に切り分けた。

正午を過ぎて、少し空が明るくなり始めた。庭には食料になるものがないのに、ヒヨドリが群で度々飛来した。1時半過ぎに散歩に出かけた。大雪で暫く行っていない中央の沢と北の沢を廻って来ることにした。南へ向い、東町公園の北側の道を西へ進む。公園の周囲はブルトーザーが押し上げた雪で高い壁が出来、中へは入れそうになかった。空は晴れているのに、小雪が散らつく。雪を冠ったイチイの枝先から、小さな氷柱が下がり、陽光を受けて輝いていた。




中央の沢の東の遊歩道は、除雪した跡があった。その後降った雪も、この道を通る人々の足跡で踏み固められていた。遊歩道に隣接するお宅の塀から、雪が舌の様に垂れ下がっていた。沢の中央の階段に着いた頃には、雪が止んで、陽光が強くなっていた。





階段も綺麗に除雪されていて、難なく沢の底に降りることが出来た。西からの強い陽光で、雪面に樹々の青い影が落ちていた。




引き返して、東の遊歩道を北へ向った。カラマツに積った雪が、時折どさっと落ちて、雪煙を上げていた。二番通りを渡り、北の沢の東の遊歩道に入る。此処にもヒヨドリの姿が見受けられた。ブルトーザーが沢に押し出した雪でクマザサが倒され、夏には近寄れぬ大木に絡んだツルアジサイを、間近に見ることが出来た。小さな冬芽が出ていた。





遊歩道を中程まで進んだ折、雪がパステル カラーに染まっているのが見えた。何かが反射しているのかと思ったが、付近は雪と裸木のみ。遊歩道脇の灌木にも同じ現象を見付け、事情が判った。積った雪の薄い壁を通して、西からの強い陽光が透けて見えているものだった。雪の中での暮しは長いが、この様な現象を目にするのは初めてだった。雪面に伸びる青い影と雪の膜を通した淡い色の光。気分の良くなる散歩だった。三番通りに近い位置から、青い影を落とした池に、雪を冠って埋りそうな自転車の姿が見えた。雪解けと共に、沈んでしまうのだろうか。






今朝はまた気温が下がり、ガラス窓が氷結している。今年の冬は厳しい。