2011/08/01

想田和弘「なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか」読了。自らの創作の動機や方法論をこれだけ筋道だって分析できる映画作家は少ないし、それを再び創造に向けての足がかりにできる人はより少ないと思う。「やわらかい部分」とか「セレンディピティ」とか、概念作りも鮮やか。フレデリック・ワイズマンの影響は強いけれども、彼の思想を根底まで信じているわけではないと分かってくる点も読みどころ。

東京人間喜劇』(深田晃司)@渋谷オーディトリウム。構成はよく考え抜かれている。大いなる習作と呼ぶべきだろうが、さすがに長かった。何げない会話劇が意図的にはさまれているが、なかなかエリック・ロメールのようにはゆかないものだ。演劇から映画へ脱皮しようとして、まだできていない部分も目についてしまう。今日の上映には脚本のプレゼントがあって、一冊いただいたので明日図書室に入れよう。

カール・マルクス「ルイ・ボナパルトブリュメール一八日」再読。