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ひとりごと

2008-11-14

抽象から具象へのマッピングをもたらす自己関与

どこかの広い公園にギターをもった女性がいた。

彼女の歌を聴くために集まった人々は数十人いる。十重二十重。

カメラが周囲の人の表情を映す。

年配の人が多い。彼女とは世代が明らかに違う。

聴き入っている様子が表情から判る。男性も女性も。

記憶の向こうにある風景、そのときの気持ちもよみがえり反芻している。

そんな表情。

その歌手のために歌詞をつくったのは晩年の阿久悠さん。

感情を唄う歌は多いが聴く人に場面を想い浮かばせる詞が昨今少ない、

といった内容を含む彼からの手紙が紹介されていた。

聴いた人がそれぞれに固有のかけがえのない風景と感情を呼び起こされる詞。

そういうものを目指す作詞家の心意気があるとは知らなかった。

なにか崇高さを感じた。

クローズアップ現代

阿久悠

ある青年

小学校6年生のとき父親と虫取りに出掛け、交通事故にあい

1年4ヶ月意識不明となりその後、幸いにして回復。

現在自宅で家族と暮らしリハビリを続ける車椅子の青年。

病床でお父さんが眠り続ける息子の耳元で来る日も来る日も

ずっと赤いりんごの唄をくちずさんでいたという。

父親の、りんごは何も言わないけれど、という唄につづき、

青年が上手に歌っていた。お父さんは笑っていた。

この唄のおかげで俺は目覚めたのかもしれない、感謝していると青年は言った。

書道をするとき、その書く字にまつわることを想いながら書いているという。

「夏」を書いたときは、セミ。

「生」を書いたときは、精一杯生きようと。


以前、スガシカオがある番組で言っていた。

かつて見た景色が浮かぶ詞と想像だけで書かれた詞では歌ったとき人に言葉が届くかどうか全然違う、といった趣旨のことを話していた気がする。そんなことを思い出した。


きらっといきる「ほんとに生きててよかったなあ〜びまん性軸索損傷」

SONGS 第62回 スガシカオ

「日本語が亡びるとき」を読んで

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

枝葉末節を抜きにして言えば著者の危機感とその論拠は納得感を与えるものでした。私にとっては。

確認したところ梅田氏の紹介エントリーの日付は先週金曜日。

しばらくRSSリーダーを使わない生活をしていること、家族の誕生祝、風邪気味だったことなどから、はてなブックマーク経由で気づいたときには紹介エントリーのアップから数日経っていた。今、レシートを見ると購入日は11月11日(火)。梅田氏のエントリーだけでなく、その後の反響と、書店での立ち読みも購入決断を促しました。

敗戦による植民地化、聖書インターネット、自動翻訳といった幾つかのキーワードを念頭に読み始めたのですがそれらの話題もさらいつつ広く様々な視点から、また歴史を振り返りつつ問題の提示と著者からの提言とがされており、随分、線を引いたりメモを書き込んだりしながら読むことを楽しみました。楽しいだけでなく傍観者にとどまらせずに読み手に当事者意識を喚起させる力の強いメッセージが随所にあります。

昨日読了しましたが感想を簡潔にまとめ書ける自信がないので、そのうち気楽に短いエントリーに分けつつメモしたい。

復刊されないかな

はてなブックマーク経由で梅田氏のエントリーから「日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で」を知り水村美苗さんの他の本も読みたくなった。

数冊、文庫で出てるうち、「私小説 from left to right (新潮文庫)」という作品が気になった。

私小説 from left to right (新潮文庫)

私小説 from left to right (新潮文庫)

今日何軒か本屋を廻り絶版と知った。ある大手書店でも流通在庫なし。図書館に寄る機会に探してみたい。

本格小説〈上〉 (新潮文庫)」と「続 明暗 (新潮文庫)」は見かけた。

ウェブを通じたNHKの資産活用

NHKオンデマンドの利用料金が決まりました


来月1日からNHKの番組がウェブで有料配信スタート。1番組105円〜315円。見放題は1月あたり1、470円とのこと。

素晴らしい。

NHKに眠る資産が社会に還元されNHKにも視聴料以外の新しい収入源が誕生する。

ただ、将来的に全配信を無料化あるいは一部無料配信を検討されるのはどうでしょう。

仮に完全無料配信が実現すれば、目的を持ちつつ情報を探す企業人のボリュームを越えて時間と好奇心のある若者や老人、離職者、経済的困窮にある人たちにも、質の高いコンテンツを得られる機会が開かれます。

一つの収入源を手放すことになりますが日本にとっては長期的にたいへんな益をもたらしそうに思えます。また、日本に強い関心を持つ外国語話者に日本語による日本についての高品質の情報を提供することにもなり、ソフト・パワーとか魅力戦略といった観点からも賢明な選択肢になりえそうにも見えます。

この戦略は梅田望夫氏によって紹介され話題となっている水村美苗氏の新刊「日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で」で提示されている危機意識とも呼応しうると感じます。

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

「情報」と国家戦略

「情報」と国家戦略