アイスクリームを食べるな
電車に乗っていて中吊り広告を見たら、ハーゲンダッツが、新作のアイスクリーム、モンブランを新発売したらしい。
興味がある。
でも、ハーゲンダッツは甘すぎるんだよな。
犯罪発生率も上昇するし。
何より、太る。
ちょっと待て、何でアイスクリームで犯罪発生率が上がるんだよ。忘年会帰りだからって、おかしなこと言ってるんじゃないのか。
ところが、犯罪心理学のある学説では、「アイスクリームが売れると、犯罪発生率(人口に対する犯罪件数の割合)が高くなる」ということがまともに論じられているのである。(http://www.msu.edu/~oshimash/Michigan-life-column-CJ.html)
(と、先日読んだ本の中に書いてあったので、ちょっと思い出した)
そこには、気温の上昇という共通の要因がある、 と考えることができる。 (正しいかどうかではなく、可能性の問題である。) たとえば、気温が上昇すると、アイスクリームの売り上げが上がる。 また、気温が上昇したせいで、不快指数が上昇したり、 夜の街に人が繰り出しやすくなったり、と、犯罪が起きやすい状況になる。
それにより、正の相関関係が生まれる。 しかし、因果関係がないのは明らかである。 (アイスクリームをわざと服につけて、拭いてあげるフリをしてスリを働くから、というのは考えすぎである。)
以前、猪口邦子・少子化男女共同参画担当大臣 (長いな) が、「『女性が外で働くから子供を生まなくなる』という人がいるが、この(グラフに見る)ように、労働力率が上がれば、合計特殊出生率も上がっている。日本の場合は、労働力率も出生率も低い」とテレビで発言した。(http://www.worldtimes.co.jp/special2/inoguti/051112.html)
もちろん労働力率が上がることと、出生率が上がることは、ここでは語られていない何かを要因とすることによって、相関関係はあるかもしれない。しかし、猪口大臣は因果関係があるかのように断言してしまった。少なくとも、それを正しいと思うなら、なぜなのか説明すべきだった。相関関係と因果関係を取り違えると、あいまいな言説でも簡単に信じてしまう危険性がある。
相関関係と因果関係、というと、私はこの話を思い出す。ただの猪口氏の悪口になってしまった。
アイスクリームの話だった。
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