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空気吸うだけ

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2016-09-10

[]『シン・ゴジラ『シン・ゴジラ』を含むブックマーク

シン・ゴジラ音楽集

★★★★☆

わたくし、庵野先生がゴジラ映画を手掛けると聞き、これは事故物件確定ですぜフヒヒとほくそ笑んでおりました。きっとあれでっせ、構図とエフェクト描写だけキメキメでお話はおざなり。まーそれならそれで一向にかまわんウヒヒなどと思っておりました。

何故なら庵野先生って爆発描けば世界一の天才アニメーターだけれど、物語作家としては全く信頼が置けないと思っていたからです。それは予告編が公開され、どうやら今回のゴジラは震災をモチーフに、リアル志向のドラマをやろうとしていると推測される段階になっても変わらず。むしろ庵野先生、荷が重いんちゃいますの、そんなんこなせる能力ありますのと完全にナーメーテーター、侮っておりました。

以下、ネタバレ。

ところが蓋を開けてみると『シン・ゴジラ』はきちんとリアル志向のドラマになっていて、それも会議と現場で構成される(伊藤計劃さん言うところの)指令室映画として滅法面白いのだから驚きました。

押井監督がまだブイブイ言わせていた遠い昔、監督がもしゴジラを撮ったならば、情緒を廃した硬質な怪獣映画になるのではないか……言わば場外カウントや反則オーライの既存プロレスとは一線を画し、あくまでキックと関節技で勝負を決するUWFのように……などと妄想逞しくしていたものですが(今思えばウブですねー)その夢想をまさか庵野先生が叶えてしまうとは思いもよらなんだです。

また更に驚いたのは、長谷川博巳さん演じるシキシマ先輩の描かれ方です。序盤、彼の提言が無視される辺りはキタコレ、俺だけが危機を予測していた、それなのに硬直化した組織は俺の才能を生かせない、ベンチがアホやから野球ができへんねん、だから遅過ぎた言ってるンだ案件ですね分かります、わたくしも大好きですこのパターンなどと思ったのですが。

『シン・ゴジラ』はそういう話になっていません。庵野先生は今回、単騎天空を駆けるヒロイズムではなく、みんなでやろうと、みんなで諦めず、最後まで地道に仕事をやろうと主張しています。シキシマ先輩が事態の矢面に立つことになった時、問題を解決するのは彼独りの能力ではなく、集団の協力と地道な手続きの積み重ねによってこそと描かれています。ごちそうさまと言う普段の所作も疎かにするもんじゃないよと。時に頭を下げる上司の根回しだって必要だよ、それは格好悪いものじゃーないンだよと。

あと最後の述懐には『L.A.コンフィデンシャル』を想起したりも。汚濁を知りながらも敢えて権力ある立場に留まり、仕事を成し遂げるのだと。感情任せに「そんなの関係ないよ!」とシャウトしていたシンジ君、あるいは「大人になれ」と説教しながら空虚でなんも背負っていなかったゲンドウパパとはえらい違いです。

庵野先生、大人ですやん……立派な経営者みたいな台詞書きますやん……。そうだよな、株式会社カラーの代表取締役社長だもんな……。忘れてましたよ……。

これ見る前のわたくしの読みなんぞより遥かに高い目線から創られていると思いました。ウヒヒ予想していたのがたいへん恥ずかしい。侮り過ぎでしたゴメンなさいと謝罪したい気持ちです。

あーでもでも、だからと言って、夏エヴァの恨みは忘れないからな。別カウントだからな。これはこれ、それはそれだからな!(まだ言う)