朝日岳&金峰山。

金曜日、奥秩父金峰山に登ってきた。

木曜日から日付が変わって2時間後、あまり眠れないままに川崎を出発。山を抜けて甲府盆地に入ったところで北に進路を取り、ぐんぐん登っていく。ぎりぎり車がすれ違うことのできる林道を我慢強く登ること1時間半。外気がかなり涼しくなり、標高2365メートルの大弛峠には5時ジャストにつく。朝の気温は約10度。半袖では厳しい。山は朝靄に囲まれている。

峠には既に前夜遅くに到着したであろう車が何台か停まっていて、車のなかで仮眠を取っていたり、起きだして朝食の準備をしている人たちがいる。登山の格好に着替えて5時半にコースに出る。歩き出してしばらくは林に囲まれて視界がきかないのだが、左手から黄色がかった強い光が差し込んでくる。どうやら山を覆っていた靄が消えてきたようだ。やがて尾根に出ると、空は青く、遠く富士山が雲海に浮かび上がる。飛行機にでも乗らなければこれだけくっきりした姿は望めない。富士山の向こうには太平洋が見える。

峠から金峰山頂までは約2時間。途中で2581メートルの朝日岳を踏んで、いったんぐっと下ってからもう一度ピークに挑む。所々は険しい道もあるのだが、いかんせん道程は短いのでそれほど骨が折れるわけでもない。金峰山の頂に近づくにつれて木々が少なくなり、岩場を超えるとそこにピークがある。高度2500メートルを超えているのだが、この日は風もほとんど吹かなかった。相変わらず南側には富士山がすっくとそびえ立ち、西側には八ヶ岳の連山がひとつひとつはっきりと見える。その間には南アルプスが見える。少し下った五丈岩という大岩のもとで作ってきたお弁当を広げて朝食にする。誰もいない山頂での景色を堪能して帰路につく。人と会わなかった往路と一転して、後から登ってきた人たちと頻繁にすれ違う。

帰路のほうが下りになるので早いはずが、ちょっと疲れが出て休み休み進んだせいか往路より時間がかかる。毎日五反田と麻布十番の坂を自転車で登る生活を5月でやめたので、脚の筋肉がちょっと落ちている。

峠に戻ると気温は20度を超えている。下界は暑そうだ。1時間以上かけて下り、温泉に入り、ほうとうを食べて、桃と野菜を買い込んで川崎に戻った。つかの間、涼しい空気に包まれて身も心もしゃきっとした。