マクド値上げの成否は


最高640円


マクドナルドが32品目、既存商品の6割で値上げに踏み切る(4月24日&5月1日・日経MJ)。狙いは、いうまでもなく客単価の引き上げだが、はたしてそううまくいくだろうか。


マクドナルドの価格戦略に関しては1年ぐらい前に、100円マックをとりあげて戦略に読み違いがあったのではないか、というエントリーを書いた。
http://d.hatena.ne.jp/atutake/20050618


今回も、なにか勘違いをしているように思えて仕方がない。引っ掛かったのは原田CEOの次のひと言である。

失望を売らない基礎作りに一年、百円でこんなにいい商品が食べられるのかという感激作りに一年かけた。先行投資をしたのだから、対価は頂きたい(原田泳幸・CEO)


マックで感激した経験は、少なくとも個人的にはないな(正確にいうとエビちゃんのCMは、かなり来たけれども)。また「全店を改装していないが、店はきれいになり、サービスも良くなったとよくいわれる」そうだが、ホントだろうか。これまた自分の知る限り(奈良学園前近辺、新大阪、東京・青山、京都駅八条口、滋賀・堅田など)では、とてもそうは思えない。


商品そのものはどうか。作り置きをやめて作った出来立てを出してくれているようだが、それで味が劇的に変わったとは思えない。たぶん少しはおいしくなっているのだろうが、だからといって以前と比べて画期的に、とはいえないだろう。


むしろ、注文を受けてから作るために、少し時間がかかるようになったんじゃないだろうか。その結果、待ち時間が増えているような気もする。もちろん注文を受けてから作るにしても、超スピードで作っているはずだから、実際のところはそれほど待ち時間も増えてはいないのだろう。ただたとえば、ベーコンレタスバーガーなどではレタスの挟み方がずいぶんと乱暴だな、と感じることがままある。


だから原田さんは「対価を頂きたい」とおっしゃっているのだが、客としては、その対価の対象となる価値がよくわからないのだ。


マクドナルドといえば『安い・早い・そこそこ(味についての評価は「まあうまい」〜「食える」まで個人差があると思う)』だったはずだ。これがマクドで得られる価値である。その対価が、ミニマムレベルでいえば百円だった。


それを今回の値上げで
『安い〜普通・早い(?がつくけれど)・そこそこ(以前よりやや+)』に変えようとしている。


また戦略商品(たとえば100円マックやハッピーセット朝マックなど)については、価格を据え置くようだ。となってくると、どうもわからないのが、値上げ商品に関して「誰を」ターゲットにしているのかということ。


値上げ幅が大きいのはガーデンサラダで、従来の200円が250円になるのだから25%の値上げとなる。また新商品のサラダマック系は、セット価格が640円〜560円となるようだ。これは「ちょっと高いんでないかい」と感じる。女性客を狙っているのだろうけれど、彼女たちは価格に対してものすごくセンシティブである。


プライシングは、マーケティングの4Pの中でももっともデリケートなテーマだ。理屈では原価が変わらないのなら売価を2%上げれば、当然利益率は2%アップする。ただし、だからといって利益額も2%増えるかというと、そうは問屋がおろさない。値上げをすることで、売上総額が大幅ダウンなんてこともあるのだ。だから中途半端に2%とか3%ぐらいの値上げをするよりも、一気に10%ぐらい上げる選択肢もあり得る。


マクドナルドがおかしくなりだしたのは、価格戦略でのつまづきがキッカケだと思う。いったんガバッと値下げして大幅に売上を伸ばしたのは良いのだけれど、それ以降が値上げをしたかと思えば、また値下げに走り、そしてまた値上げと迷走気味だ。この一連のプロセスで、どうも見えてこないのがターゲット像というわけだ。


今回の値上げ、どんな結果と出るか。はっきりするのは最短で3ヶ月後、遅くとも半年後には数字で傾向が読めると思う。個人的な予想は「×」だけれど、さて、どうなるだろうか。



昨日のI/O

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昨日の稽古:西部生涯スポーツセンター・ダンススタジオ

・基本稽古
 →三戦立ち・騎馬立ち・組み手立ちでの突き
  前屈立ち・平行立ちでの蹴り
・移動稽古
・型稽古
 →太極1・足技太極1
・受け返し稽古
 →前蹴り・回し蹴り(上段・下段)・突き
・組手稽古
 →顔面あり・顔面なし