CM配信メディアとしてのYouTube
一日あたり1億本
世界中の利用者がYouTubeを通じてみる動画の数は、ここまで来ているらしい。1分で7万本ですよ、すごいと思いません？
→ http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20060829/246727/?ST=web20&P=1
つい最近のニュースではWarner Musicとの共同事業をスタートさせ、Warner音楽ビデオをユーザービデオに開放したり、あるいはUniversal Musicから、著作権侵害で厳しく糾弾され、訴訟を示唆されたり。国内ではmixi上場がニュースになっているが、世界的にネットビジネスをみたときには、やはり注目はYouTubeである。
→ http://zen.seesaa.net/article/23967444.html
そしてYouTube関連のエントリーでは、次の二つが見過ごせない。
1．住宅産業でもこれからは動画？
→ http://blog1.s-housing.jp/article/23893601.html
2．テレビCMはいらない？YouTubeマーケティングの時代が始まった
→ http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20060908/247607/
何がいいたいのかというと、YouTubeは動画投稿サイトでも、動画共有サイトでもなく、動画検索サイトであり、それはさらには恐るべき力を持つCM配信メディアとなるってことだ。もちろん現時点では画面サイズの大きさ、画質、接続状況などいろんな面でテレビCMにくらべて、YouTubeCMは劣っている。しかし、そうした技術的、通信的に解消されうる問題点は今後、必ず解消される。
そうなったときに何が起こるのか。
仮にCMを配信するメディアとしてテレビとYouTubeがあるとき、スポンサーはテレビCMとYouTubeCMのどちらを選ぶだろうか。テレビCMのメディアコストとYouTubeCMのメディアコストは、どうなるか。今のところわからないけれど、YouTubeが戦略的なプライス戦略を取ることは可能だろう。つまり圧倒的なコスト優位ポジションにYouTubeCMは立てる可能性がある。
しかもYouTubeはマックス10分である。15秒とか30秒といった従来のテレビCM枠では到底表現しきれなかった世界を、YouTubeCMなら展開することができる。ということは、視聴者にとっても見る価値の高い、見て面白い、すなわち最後まで見てもらえるCMができる可能性があるということだ。
さらにスポンサーサイドからすれば、それがYouTubeに投稿されている動画である限り、わざわざCMであることを最初から断る必要もない。必要なのはタグである。広告したい商品に関連づけられるタグを付けてYouTubeに置いておけば、そのタグに関心を持つ視聴者の方から見に来てくれるわけだ。自分から見に行っているわけだから、必ず最後まで見るとはいえないまでも、少なくともテレビCMのようにスキップされることはないだろう。
テレビCMよりはるかにじっくりと自社商品を語ることができて、しかもスキップされないのがYouTubeCMである。
ということにスポンサーがいつ気がつくか。
とりあえず住宅産業が自社商品（つまり家ですね）を紹介するメディアとしては、テレビCMよりYouTubeCMの方が圧倒的にメリットがあると書いているのが、先にあげた1．住宅産業でもこれからは動画？である。
→ http://blog1.s-housing.jp/article/23893601.html
このエントリーに書かれている内容の恐ろしさを、テレビ局や広告代理店の人間は気付いているだろうか。逆に、ここに秘められた可能性を、これまでテレビCMを打ちたくてもかなわなかった企業は気付いているだろうか。
印刷物などの静止画より動画の方がずっとわかりやすく説明できる。そうした商品、製品、サービスを持つ企業は、ついに放映料無料で全世界に（までは本当は必要ないんだけれど）自社を動画でアピールするメディアを手に入れたのだ。
これはGoogleがロングテール革命で世界に及ぼした影響をはるかに凌駕する大革命ではないのか。自社の商品、サービスをビデオで撮って、YouTubeにアップロードして、アドレスはここですからって告知する。これだけで自社の動画CMを見てもらうことができるのだ。とんでもない時代である。
しつこいけれどもYouTubeは決して動画投稿サイトでも、動画共有サイトでもなく、動画検索サイトであり、さらにはCM配信サイトなのである。そしてようやくはっきりと見えてきたYouTubeのビジネスモデルは、このCM配信機能が根底となっているはずだ。恐るべしYouTubeである。
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GTDレビュー（じっくり3時間かけてやりました）
