止めて捨てて始める増やす


一日は24時間。一週間は168時間。一年は8760時間


賢い人も、お金持ちも、下流の人も、貧乏な方もみんな同じ。時間だけは、すべての人に平等に与えられたリソースである。ところが使い方によっては得られる成果には大きな差がつくのが時間だ。もちろんその使い方には、ほかの条件次第によっていろんな制約がつく。


とりあえず年末である。来年は、どんなふうに時間を使おうかと考えてみる。去年の大晦日にも同じような内容のエントリーを書いた。梅田望夫さんのブログ(→ http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20051228/p4)に刺激されて『何をやめるか』をテーマとしたエントリーである。


梅田さんのブログには、毎年何か新しいことをやろうと意気込みながら、結果的には何も達成できない理由が極めてクリアに指摘されていた。そう、何かを新しく始めたいなら、そのための時間を作らなければムリなのだ。一日中ぶらぶらしていて時間なんてあまりまくってるといった人でもない限り、普通はみんなそれなりに忙しいはずだ。


ということは一日24時間をどう過ごしているかといえば、きちんと時間配分が決まっているのである。そのタイムスケジュールの中に新しいことを突っ込もうとしても、なかなか簡単にはいかない。だから、何かを新しく始めたいなら、いま習慣的にやっている何かを一つ、止めるか削るかしないと時間に空きを作ることはできない。


「よっしゃあ、それやったら睡眠時間削ったる」は、あまりよい解決策とはいえない(特に50前のオッサンにとっては)。若くて一日8時間たっぷり寝てますからなんて人なら、そりゃもう少し睡眠時間減らしてもいいんじゃない、って答もあり得るけれど。平均睡眠時間が6時間未満の場合は、それも歳食ってるとなると眠りを減らすと健康に、すなわち残り人生時間に影響すると思う。ここで睡眠時間を削って、寿命を縮めちゃ本末転倒でしょう。


だから、どうしても何かを止めなければならない。


そこでどう考えるか。ここで陥りがちな罠が一日単位にこだわってしまって、24時間の中で何とかやり繰りしようとムリをしてしまうことだ。そうではなく一週間単位で考えればどうなるか。つまり24時間単位ではなく168時間を一つのブロックとして時間の割りふり方を考えてみるわけだ。


もとより一日の時間そのものが増えたり減ったりするわけじゃないけれども、時間に対する見方は間違いなく変わる。睡眠時間は平均6時間として、一週間なら42時間。ということは168ー42で、起きている時間は126時間ということだ。会社勤めをしている方なら、ここから通勤時間と勤務時間を引けば自分の持ち時間が見えてくるだろう。


私の場合は自由業だけれど顧問契約をしてくださっている企業があるので、そこにかかる時間を引けば、自分の持ち時間が見えてくる。この持ち時間をいま何に使っているのか所要時間もあわせて書き出し、優先順位をつけてみる。これが『いま、やっていることリスト』である。


その横に『新しく始めてみたいリスト』を並べてみる。ここでトレードオフをするわけだ。選択基準は、やりたいこと、やらなきゃならないこと。これで分けていくときに忘れてはならない大切な視点が「将来からみた現在価値(いわゆるディスカウントキャッシュフロー的視点ですね)」。


これは人により、年齢により変わってくる。とりあえず人生の折り返し点を過ぎ、子どもの将来と自分たちの老後も真剣に考えなければならない年齢に差しかかっている身としては、かなりシビアな選択を迫られていることがわかる。


などということを今日明日でやってしまい、何を止めるのかを早く決めてしまいたい。で、来年こそは、あれとそれとこれをやり遂げたいのだけれど(って、去年の暮れも同じことをいってたな・・・)。


昨日のI/O

In:
『私家版・ユダヤ文化論/内田樹
Out:


昨日の稽古: