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だから問題はコミュニケーションにあるんだよ by com-lab このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2008-08-02 ファミレス

[]ファミレスの終焉


07年の市場規模:6820億円


5年前に比べれば9%の落ち込みだという。ファミレスの市場規模である(日経MJ新聞2008年8月1日付15面)。つい最近、最大手のすかいらーくお家騒動が起こった。横川社長に対して筆頭株主野村グループなど投資会社2社が退陣を求めたのだ。


すかいらーくは06年にMBOを行ない、経営を立て直した上で再上場を目指していたのだが、一向に業績が反転しない。反転するどころか落ち込む傾向さえある。よって株主としては経営者失格の烙印を押したというところなのだろう。


しかし、もう少し引いた視点で見るとどうなのだろうか。マクロ視点である。あるいは魚の目視点である。もちろん優秀な社員が集まっている投資会社に逆らうつもりなど毛頭ないけれど、すかいらーく経営者をすげ替えれば、それで業績は回復するのだろうか。それは難しいと思う。


なぜなら、まず何よりも表面的な現象としてファミレス業界全体が落ち込んでいるからだ。

苦戦が続くのはすかいらーくにとどまらない。「ロイヤルホスト」を運営するロイヤルホールディングスは1ー3月期に4億7千万円の最終赤字に陥った。「デニーズ」のセブン&アイ・フードシステムズも08年2月期の業績が42億円の営業赤字となった。

<中略>

根底には消費者の深刻なファミレス離れがある。日本経済新聞社が4月にまとめた調査では、ファミレスの利用回数が減った人は回答者の39%で、増えた人のほぼ2倍に達した。理由の上位は「メニューが代わりばえしない」「飽きた」「値段が高い」など。消費者にとって魅力が薄れているのは明白だ(前掲紙)


この調査の時点ではまだ、ガソリン高騰の影響はなかったはずだ。これに今では調査当時から比べれば1リットルあたり50円ぐらい高くなったガソリン代が影響を与えているはずだ。


昨日、経営をお手伝いしている四国の外食企業の社長さんと話していたら「地方の方が不景気の影響がもろに出ている」とおっしゃっていた。この5月以降、たとえば月末近くには必ず売上が2割ぐらい落ちるそうだ。その理由はといえば月初めにガソリンが上がるからだ。これに備えて月末には必ずガソリンを入れる。すると、どうしても外食を控えるようになるのだという。


確かにこのところ、毎月月初めにガソリン代は着実に上がっている。平均して毎月確実に10円近く上がっているのではないだろうか。すでにハイオクガソリンは200円台に突入していて、一体どこまで上がれば止まるのかまったくわからないのが、このガソリン高騰だ。当然、クルマに乗ってわざわざファミレスに出かけようと考える人は減るだろう。


しかし、ガソリン高騰も大きな要因だが、もう少し引いたところから見れば、ファミレスというパッケージそのものが役目を終えたという見方はないだろうか。


そもそもファミレスとは一体何の略だったのか。ファミリーレストランである。では、今のファミレスにどれほどファミリー客がいるだろう。あるいは、質問自体を次のように変えてみてもよい。少し前までのファミレスのメインユーザーは誰だったのか。


エリアにより若干の違いはあると思うけれど、圧倒的に若い人たちだったのではないか。彼らが食事をし、あるいはだべって時間を潰す場、時には一夜を明かす場がファミレスだったのではないか。今のファミレス不況は、そうした若者たちがファミレスから離れていったことが原因だろう。


若い人たちがファミレスから離れた理由は、可処分所得/時間をケータイに奪われたからだと、個人的には推測する。時間つぶしならケータイさえあればできる。そしてケータイを使って時間つぶしするなら、マクドの100円コーヒーで十分だ。しかもケータイでの時間つぶしなら、以前ファミレスでツレとだべっていたのと結果的に同じである。


つまりケータイでやっていることといえば、たいていがメールである。これはリアルに対面でこそないものの、コミュニケーションによって時を過ごしている意味では、ファミレスでだべっているのと変わらない。


では今後のファミレスである。ファミリー客がこの先、ファミレスに戻ることなどあるのだろうか。


おいしさ、雰囲気、健康、栄養などファミレスが提供してくれる価値と、ファミレスを利用するために必要なコスト(ガソリン代、出かけて行くための時間、そして食事代)のバランスを考えれば、ファミリーがファミレスに戻ってくる可能性は極めて低いと思う。


若い人たちはどうか。まずガソリン代高騰の影響がもろにダメージとなるし、ファミレスが果たしていた機能を代替するスペースやツールもある。となるとファミレスに彼らが戻ってくる可能性も低いのではないか。


すなわち、ファミレスというパッケージそのものが終焉に向いつつあると思うのだけれど、どうだろうか。





昨日のI/O

In:

Out:

メルマガ

デジタルハーツ社さまインタビューメモ



メルマガ最新号よりのマーケティングヒント

「セーフティ・ファースト」

http://blog.mag2.com/m/log/0000190025/

よろしければ、こちらも。

□InsightNow最新エントリー

「魚の目で見るガソリン高」

http://www.insightnow.jp/article/1786


昨日の稽古:

・レッシュ式腹筋、腕立て伏せ

金森金森 2008/08/04 10:27 非常に興味深く拝読いたしました。
勝手ながら、引用させていただき、自説を書いてみましたので、トラックバックをさせていただきました。
ご了承ください。

とおりすがりとおりすがり 2008/08/04 10:55 若者に依存していたせいで、若年人口の減少の影響を受けたという可能性はありませんか。

yukichi99yukichi99 2008/08/04 15:56 ファミレスの落ち込みにライフスタイルの変化がある、というのは頷ける所ですが、例えば、サイゼリヤのような、極端な安値攻勢を取っている所などは、どうなんでしょうね。

でも、やっぱり、おっしゃる通り、コミュニケーションする場所が変わったというのはありますね。ファミレスいると、ネットが出来ないし。ネット人間にとっては、ファミレスは遠い場所になってしまったと思います。

なるほどなるほど 2008/08/05 06:26 仰る事は一部頷けます。
でも人間食事はしないといけない訳で。

だとしたらファミレスを離れたファミリーはどこで食事をするのでしょうか?月末だからといって我慢をする訳ではないですよね?家庭内で食事をしてる、と分析されてるのでしょうか?何となく気になり投稿してみました。

金森金森 2008/08/05 07:39 マクドナルドなんかに行っているのではないでしょうか?安売り路線から転換し、メニューのバラエティーさもあって、一時期はサラリーマンしかいなかったのが、若者からファミリーまで多様な客層を吸引しています。最近、都市部で特に充実している「お一人様席」ではネットをしている人も多くいます。100円プレミアムコーヒーを飲みながら。
業績も20年12月期・前期比47.1%増の(連結)当期純利益と好調です。
ファミリーの食事で増加しているのは、あとは「中食」でしょうか?
07年の中食市場規模は6兆4987億円。金額ベースで577億円の増加。中食市場は7年連続して6兆円台で推移・・・だそうです。

rayray 2008/08/05 13:43 面白い分析かと思います。
海外に目を向けてみると、いわゆる日本的なファミレスというのは存在しません。

ファミレスとはなんだったのか?創成期には、外食慣れをしていない日本人が安心して少々高級感のある料理を食べに行く場所だったように思います。
しかしながら現在ではファミレスというパッケージがもう古い。まず若い人(収入のある人)はファミレスなど行かず、xx料理という専門のレストランに赴きます。また、昔と違い専門店も高級店からお手ごろなものまで色々選択肢がでてきました。そういう所で外食慣れをしている人たちが、結婚し家族を持ってもファミレスなど行かないでしょう。

最初の文書に戻りますが、申し上げたとおり外国ではファミレスというジャンルは存在しません。つまりは、外食文化が成熟してる社会においては、ファミレスというパッケージ商品は不要なのでしょう。

すなわち、ある程度日本における外食文化が定着し、ファミレスも一定の役目を終えたのでは、と思わざるを得ません。

atutakeatutake 2008/08/05 15:45 >金森さん
コメントありがとうございます。記事拝読。深い分析に、気づきがありました。ありがとうございます。

>とおりすがりさん
コメントありがとうございます。確かに若者人口の減少が影響している可能性はありますね。視点を教えていただき、ありがとうございます。

>yukichi99さん
コメント、ありがとうございます。サイゼリヤは、ファミレスとは違うパッケージだと思います。一般的なファミレスよりも、もっと商品に対する考え方が深く、プライシングも戦略的にファミレスとは異なるラインを狙っている。そんなふうに思っているのだけれど、どうでしょうね。とりあえず、つい最近ギャル曽根がサイゼリヤの全メニューを食い尽くすという番組をテレビで見て、サイゼリヤすごし、と少し思いました。

>なるほどさん
コメント、ありがとうございます。私の問題意識も、なるほどさんと同じで、現代のファミリーはいつ、どこで、どんなふうに食事(特に夕食ですね)を取っているのだろうというところにあります。
一説には「勝手食」などという言葉もあるようで、もしかしたら子どもも含めてファミリーがバラバラに食事をするようになっているのではないか、とも考えています。

>rayさん
コメントありがとうございます。
海外の事情も気になっていたところでした。ちょうど今朝配信された日経のメルマガには次のような記事がありました。
→ http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080725/166303/
だから、ファミレスは社会が成長(というとちょっと表現したいニュアンスとは違うのですが)していくある段階では有効なパッケージなのではないか、とも思ったりします。だから余計に、日本ではその役目を終えたのかもしれませんね。
ただ一つ気になるのは、じゃあアメリカはどうなってるんだろうっていうことです。アメリカは、欧米とはまた違った外食文化があるようにも思いました。

太郎太郎 2008/08/06 14:13 私は23歳の学生です。
私が思うファミレスは食事の量が少ない。
例えば、私がマクドナルドで満腹感を感じるのに約1000円、ドリンクもついている(足りなければ100円のハンバーガー類を追加すればいい)、しかしファミレスは食べたいメニューによって値段がけっこう違ううえに追加で頼むと1、5倍から2倍のお金を使うことになるので、約1400円から1600円です。もちろんドリンクはついてこない 
そうなるとちゃんとした店で食べたほうがよくなってくる。 よってあんまり行かない。
 
次に、若者のたまり場としてはドリンクバーさえあれば問題無いのだが、小腹がすいた時にファミレスのメニューを頼まないといけないのがネックだと思う。上に書いたとおり量が少ない。 そのうえやはり割高である。

私は食事を終えてファミレスから出る時、いつも上記のような不満を感じる。 
このような不満を感じる学生も多いのではないでは無いかと思う 
 
だから私はパッケージだとか、ケータイ代とか暇つぶしとかは関係無いと思う。他に比べて量が少ないし、値段が高い、それに尽きる。

atutakeatutake 2008/08/09 08:56 >太郎さん
コメントありがとうございます。
食事の量、というのも気づかなかった視点です。でも、価値/価格のバランスを考えるとき、価値を測る基準の中には当然、量という指標も必要ですね。
気づき、ありがとうございました。

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