2012-05-22
嵐山の小水力発電
班長の飯島です。操作ミスから予告編的に写真だけ投稿してしまいました。そこであらためて記事を書くことにします。(しかも、20日の記事が編集も削除できないのです。トホホ。)
なお、意見はすべて私個人のものです。
1年越しの調査
さまざまなことがあって、念願の京都嵐山の小水力発電施設をみてきました。写真で見ると、遠くに渡月橋がみえるので、結構大きい感じがしますが、現物は本当に「小水力」という感じの小じんまりしたものでした。
これなら、設置は、別の要素(水利権やコスト、付帯設備の問題など)を除けば、案外さまざまなところに設置が可能だと思えました。特に水利権の問題は、民間で小水力発電を検討するときに重要なファクターになります。「地産地消」の電力という発想のときは良いのでしょうが、配電会社への売電や、発電事業への参入ということで、多少とも発電規模の大きな施設をと考えだすと、いろいろと面倒なことが起きてくるのではないでしょうか。
これからの日本に限らず経済の行き方は、規模の経済とは違う尺度で考えることが必要になってきているのではないかというのが、最近の私の考えです。この考えを生かした取り組みをこの分析班の活動でも行っていく予定です。
観光客の人々はあまり関心を示していなかったのは、当然といえば当然かもしれません。
この掲示板も、ああそうかという感じでしょうね。夜になって、現実にライトアップをみると、思い出すのかも知れませんが。
翌日の新聞各紙の一面は「電力小売り自由化」に関する記事を一斉に取り上げていましたが、これとは別に、7月からは自然エネルギーによる発電の買い取り制度の実施や、今夏の電力需給に関する見通しと節電、電力料金の値上げ問題、そして、東電に関して言えば、そもそもの福島第1原発事故終息への取り組みや6月の株主総会と、問題、課題が山積です。
そんな思いで、現地の京都新聞を見ていたら、京都府が南丹市美山町芦生にマイクロ水力発電設備を整備したという記事を発見しました。
美山町では関西電力が戦後に電気の供給を始めるまで〈現在の10電力会社の地域独占体制の発足ですね)は、水力発電施設が多数あったと記事は伝えています。
電力独占への抵抗としての公営電気事業
そもそも、京都市は、市営路面電車への電源供給のため琵琶湖からの疏水を利用して蹴上に発電所を建設し、なんと1891年から送電を開始していた歴史があります。(そういえばかつて蹴上の発電所の施設http://www.gijyutu.com/ooki/isan/isan-bunya/biwakososui/keage/keage.htmも見たことがありました)。翌年には正式に京都市営の電気事業として経営されています。もちろん、全国で初めてです。京都に続いて全国で公営電気事業が開始され、1927年には公営電気事業者の数は100に達していたと東電解体―巨大株式会社の終焉にあります。ところが、戦時体制の電力統合、戦後の電気事業の再編の中、1946年、東京都議会が[配電事業移管に関する意見書」を満場一致で可決、政府に提出、「関東配電」を買収、今日の東電筆頭株主への道筋が付けられました。東京都議会に続いて、京都市議会も「電気事業復元に関する意見書」を採択しています。
1948年には、福島県の呼びかけで(歴史の予期せざるめぐりあわせを感じますが)1都11県の代表が集まって配電事業の都道府県営という要望を決議、さらに1都1道25県によって配電事業全国都道府県営期成同盟会が結成されたという。(詳しくは前掲書東電解体―巨大株式会社の終焉をお読みいただくとして)今の制度、体制も短い時間しかたっていない、動かし変えることも可能なものなのだとそんな思いをしながら、記事を読んでいました。美山町のマイクロ水力発電はモデル事業とのことで、当然、環境省の助成がついています。
東電本編への思わぬ序章になった今回の旅でした。
今回と東電本編の資料
中大の現役時代に奥村先生の授業があったとしても受講していなかったかも知れません。あまり勉強しなかったですから。今はもったいないと思います。
飯島謹一U・R・Iレポートhttp://d.hatena.ne.jp/kin-ichi/でも仕事術を取り上げたところワンピースとの意外な共通点を発見しました。ときどき変化球を投げないと。
赤い彗星の復活に少し泣きます。
安田雪さんの本は別の本も取り上げていますが、それも興味深いです。
2012-04-15
アナログとデジタル
班長の飯島です。
私もご多分に洩れず、整理術、仕事術、手帳術、発想術、時間管理術などの本が好きです。しかも、この手の本は、次々と出版されています。そして、トライ・アンド・エラーで試してみて、いまひとつ長続きしないということで、次の方法に向かうということですね。
まあ、最近の傾向はアナログとデジタルをうまく使い分けて、アナログからデジタルへの橋渡しをしていくということだと思うのですが、手ごろな本であることが重要だと思います。「何とかは何とかにまとめなさい」みたいなことではなく、具体的でハードルが低いものですね。
そこで、こんな本を見つけました。箱とファイルと紙だけ アナログ整理・改善術というサブタイトルの「箱」が気になったのです。実は、手書きメモの仮置き方法と内容の進化とデジタル記録の方法でちょっと考えていたことがあったものですから。
もっとも、「箱」の部分は物足りないので、たまたま、メモ用紙より少しだけ幅が狭い菓子の箱があったのでそれを使って、思いつきを書きとめてはそこに入れ、一日のまとめに、iPhoneのアプリ「Plain Text」に書き込むことにしました。メモ用紙も、「MDペーパーパッドA6スリム」http://www.midori-japan.co.jp/md/products/pad.htmlという横長のもの見つけていたので活用できることになりました。
これにより、自動的に「Dropbox」に保存されて、クラウドの活用になりました。この本でも言っている通り、アナログ情報を生かすポイントは「取り出しやすさ」で、そのためにメモ用紙より狭い箱を使って斜めの状態で置くようにしたんです。平らになったのでは出しにくいし、はみ出していることで気になって、手にとって読むし、スマホに入力するときにさらにアイデアを膨らませるというわけです。
ノート使いのコツも、書き込みのための余白づくりは、ヒントですね。見開きの左ページには左端に、右ページは右端に縦に線を引いて余白をつくり、疑問や気づきをノート本文とのつながりが分かりやすい位置で書きとめる方法や、ノートした記録や情報を改めて精査するときに、思考の発展をあるていどまとまったものとして書き込むためのノートの下部に横線を引く方法などは、すぐに使えますね。この二つを合わせたのが、コーネル大学式ノートのレイアウトだということですが、私なりのポイントは、この余白は使わなくてもいいものだという軽いノリでいることです。無理して余白に何か書こうなんて思うとおっくうになってしまいます。
それと、明るいブルーのインクの細字の万年筆を用意しておくと書き込みにメリハリが効きます。私には赤インクは少し強すぎるように思えるので。
次回は、この箱メモ方式を活用して、東京電力の問題について考えてみます。
2012-03-25
想像力、不正経理、船中八策
以下、意見については個人のものです。
数字はリアル
不正経理を行うときも、ひとは何らかの根拠のある数字を使うものらしく思いました。ばれたときに錯誤の言い訳をしやすいためにある種の合理性を持った数字を使うということなのでしょうか。あるいは、ここにも、思いつくという、想像力の問題があるのかもしれないということを「私の見た不正経理―社会保障の検査を中心として」から感じました。
先日、3月21日、愛知県豊橋市に本部を置く医療法人「豊岡会」が、昨年までの5年間に約50億円の診療報酬を不正に受給していたとの報道がありました。
記事を要約すると、同会は昨年10月には介護保険報酬25億円の不正受給が発覚し、愛知県と浜松市から入院患者の受け入れ停止などの行政処分を受けていたました。今回、療養型病院4施設で、看護師の数を水増しして、実際よりも高い入院基本料で診療報酬を請求していたということで、それには、3ランクある入院基本料の最低ランクを2番目のランクで請求していたというものです。最高ランクで請求していないところに、やはりというものを感じます。
実は、都道府県には医師等の配置に関する資料が保有されていますから、保険医療機関からの不適正な医療費の請求があっても適切に対処するよう、会計検査院から是正改善処置の要求がかつても出されていたことが、先の「私の見た不正経理―社会保障の検査を中心として」に平成元年度の検査報告「医師看護婦不足で過大請求12億2805万円」として事例が出ていました。
当時と比べると、不正請求の額が飛躍的に増えていることに驚きますが、09年度には36兆円を超えた医療費にあって、無用の医療費の支払いは厳に避けなければならないことです。
これ以外の事例が数多く紹介されていますが、すでに死亡していた受給権者に年金を支払い続けていた「死者に年金28億500万円」という平成5年度の事例は、保険医療機関の診療報酬の不正請求と共通の課題が見えるものです。
データの活用が出来ないことに問題が
この「死者に年金」の事例は最近の報道でも知られていますので、ことの詳細は省きますが、いったん生じた過誤払いによる返納金債権の回収率が低く、収納未済額、不能欠損額の増加につながることから、まずは、過誤払いの発生を避ける努力が求められるところです。
年金の受給権者の死亡についていえば、戸籍法に基づく死亡届の提出がされますが、これは墓地、埋葬に関する法律により市町村長の許可を得なければ埋葬等が出来ないことによっているのですが、市町村長に提出された死亡者情報は都道府県を経由して厚生大臣官房に調査資料として所定の期日までに提出されています。このデータを活用できる事務処理体制の整備を図ることで年金の過誤払いの発生を防止して、年金支給の適正化を図る必要があることが、会計検査院の是正改善の処置として要求されています。
つまり、医療機関の場合も年金支給の場合も、行政組織の保有する情報を適切に活用することというあまりにも当たり前の基本に課題があるということです。
そしてもうひとつ、是正改善の処置要求はどう処理されたのでしょうか、という疑問が残るのです。
根拠ある数字による不正経理
国民健康保険に係る財政調整交付金は、調整対象収入額と調整対象需要額の差額に別に定める率を乗じて調整額を計算されます。ただし、その計算の際に、健康保険料収納率による5%から20%の減額に対して、数字を操作して不当な交付金を得ようとする不正が行われることがあるのです。保険料収納割合算定の基礎となる前年度保険料の調定額を過小にしたり、収納額を過大にすることで収納率を高くするものですが、その際使われる数字は、滞納保険料や保険料課題納付に係る還付未済額など根拠のある数字です。
収入額、需要額という言葉からは、一般財源での財政調整にも連想は及びますが、一定の基準で計算された金額を、ある指標により減額するという構造は、医療費の場合と同じです。
果してそれをどのように使って不正経理をしたのかについてはこの本を読んでいただくとして、一度数字を操作すると、さらに捜査を続けなければならなくという悪循環に陥るのもリアルな数字を使うからでしょう。その後の悲しい出来事など詳しくは著作に譲ります。本書にはその他にも興味深い事例が紹介されています。
「帳簿の裏」を読むのではなく見ることの重要性
また、事例ではありませんがなかなかに面白いエピソードも紹介されています。たとえば、超過勤務手当についての検査では、どうも変だという感じを持った著者が都庁、退庁の時間を示した施錠簿をためすすがめつ見ていくうちに、「帳簿の裏を読む」ではなく見ているとあることに気づくのです。それはプリントアウトの裏紙を利用した帳簿でしたが、打ち出しの日付がある紙で、日付は当該月よりも後であり、後から改ざんして作成したことを発見するくだりなど、小説のようです。
小説といえば、会計検査院の職員が都道府県に検査に赴くときの表敬訪問の様子や検査終了の際の講評についても記述されていますが、それを読んでいて、プリンセス・トヨトミ (文春文庫)を思い出しました。
そして、プリンセス・トヨトミ (文春文庫)の舞台が大阪府であること、さらに大阪といえば、大阪都構想につながるものがあることにも思いは及んでいきました。
大阪維新の会の「塾」について、その盛況ぶりについてメディアの報道も過熱して、再び橋下市長の動向に関心が集まっています。
現在の国政の状況をみれば注目されるのも無理からぬことと思いますが、維新塾については5回程度の講義が予定され、最終的には、たたきだいで示された「船中八策」を最終的な形に取りまとめるということが伝えられています。
その「維新版・船中八策」ですが、単に八項目が示されたものではないことはあまり知られていないようです。マスコミなどがセンセーションに伝えた一部だけではないということです。
産経新聞による骨子前文によれば、「維新八策」の目的として9項目、統治機構のつくり直しとして17項目、財政・行政改革として7項目、公務員制度改革として6項目、教育改革として8項目、社会保障制度として12項目、経済政策・雇用政策・税制として30項目、外交・防衛として8項目、憲法改正として4項目があげられています。この中には重複する項目もあります。また、次元についても「大学も含めたバウチャー制度の導入」という具体的なものから「岩盤のように固まった既得権を崩す」という抽象的なものまで、様々なレベルのものが混在しています。
今後どこまでまとめ切れるのか、「維新の会」の将来動向を占ううえでも関心を持って見守る必要があると思います。
その項目の一つ、「ベーシックインカム」については、機会を改めて取り上げてみたいと思います。
今回の資料
これまでの会計検査院の検査と指摘事項は、けっして過去のものではないことを是正改善要求とその後の処理を考えると痛感します。地方公共団体や省庁の不正経理について、その構造をあらためて考えてみる必要があります。
大阪都構想にダブルところが面白いです。
関係はないのですが
まったく別のことではあるのですが、日本酒にも「船中八策」という銘柄があります。司牡丹酒造のお酒です。同社のサイトhttp://www.tsukasabotan.co.jp/でみる限りでは、最近の社会情勢とは関係なく、このお酒が一押しになっていないところなど、淡々と土佐の酒造らしくて、好感が持てるのでした。
とりあえず紹介しておきます。
ー数字について一部書き直しましたー
2012-03-19
気を取り直して
射程範囲をもう少し広げて、気になっていることをどんどん取り上げようと思い、見た目もちょっと変えてみました。
「飯島謹一U.R.Iレポート」http://d.hatena.ne.jp/kin-ichi/も同じく、変化をつけてみました。取り上げていることを含めて、お互いに紹介をしていこうと思います。
相互にキャッチボールをすることも含めて、相乗効果みたいに、新しい視点や気づきを書くことができたらいいなと思っています。
「飯島謹一U.R.Iレポート」の紹介
記事の更新としては、今後に続く「震災と政策」というテーマの第1回として、いまや災害時の物資と情報と安心の拠点となりつつあるコンビニについて取り上げました。
実践的防災・危機管理対策の第1人者山村武彦氏の唱える「近助の精神」を「防災・危機管理の再点検―進化するBCP(事業継続計画)」で確認した後で、社会インフラとしてのコンビニでは、「コンビニだけが、なぜ強い? (朝日新書)
」と、「公共空間としてのコンビニ 進化するシステム24時間365日 (朝日選書)
」を取り上げ、また、関連の著作もそれぞれ2冊ピックアップしています。


