蚊の鳴く音なんて聞こえない

ペンギン堂の飯島です。意見は私個人のものです。

白露 第四十三候『草の露 白し』

 今日は晴れ、明日からは曇りから雨を予感させるような西の空です。
 白露というのは、草木に降りた露が、秋口になると白濁したように見えることを言ったのだそうですが、さて。
 今日の珈琲は「パナマ」、やっぱり美味しいですね。
 旬のやさいは南瓜、さかなは秋刀魚ですが、南瓜は結構この年になって食べるようになりました。一方の秋刀魚は、煙とにおいの関係で、家では久しく食べていません。


今日は、この一冊を取り上げました。

老人の壁養老孟司 南伸坊


 最近、老人ということや、隠居などということについて、ポジティブに考えることが多くなりました。母親が老健施設に入所したことで、老人観察の機会が増えたこともあると思います。
 15歳も年下のかつて同僚で、いまは先輩後輩で同じような分野で、私は軽い仕事をしているひとから、「最近蚊の羽音が聞こえなくなりました」という報告を聞く機会がありましたが、言われてみるまで、そのことに気が付きませんでした。人は見ているようで観ていない、聞いているようで聞いていない、ということではありますが、老人になると聞こえなくなるモスキート音も、そうなったことに気が付かなかたのですが、言われた後では、確かに聞こえなくなったな、と、老境に差し掛かったのかと納得しました。ところが、最近うたたねをしていたら、懐かしい?モスキート音がしたので、聴覚の状態に変化が起きたのかなど、ちょっとうれしかったですね。
 まあ、話し合っているお二人の顔触れを見れば、どこかで、すでにこの本を読んだのではという錯覚もしますが、たぶんそんな注釈はどこにもないので、語りおろしではないかと思われます。
 読者層は、60歳以上でしょうが、50歳台の人も読んでおくことで、いろいろ世界が変わるかも。それにしても、本書を読んで、改めて、隠居小説というジャンルのものを読みたくなりました。余談です。




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