ジャズを読む

ペンギン堂の飯島です。意見は私個人のものです。

寒い日、温かい日と、目まぐるしく、アップダウンの激しい気候です。でも、ここは元気にいきましょう。

高野で紅茶を購入しました。ダージリンのゴールドラベルです。まあ、いきなりファースト・フラッシュというのもいかがかと思った次第です。
珈琲の難しさとは別の難しさが紅茶にはあるようです。むせるような感じが忘れられないのが、わたしにとってのダージリンの味わいです。きれいな水色の一杯が入れられたらいいなと思います。
さて、沸騰したお湯で、3グラムの茶葉、200CCの湯量、2分でやってみました。3分で250CCという選択もあるのでしょうが、今回は、むせる感じもあり、マスカットの香りといわれるものは強くありませんでしたが、まずまずだったと思います。当面はトライアル・アンド・エラーでやってみようと思います。
欲張りに、珈琲の方もなかなかなのに、この先、玉露にも挑戦しようかと思っています。

ジャズを聴くと脳はどんな反応をしているのだろうか?

ジャズを聴くとリラックスして、物事に意欲がわく、と言ったのは、植草甚一さんだったと思いますが、それは何故なのか、脳はどんな反応をしているのか。まあ、そんな疑問を感じさせる、独特なものがあるジャズを結構本気で聞くようになったのは、ドイツのミステリー作家、フェルディナント・フォン・シーラッハの『禁忌』を読んだのがきっかけでした。登場する老弁護士が、仕事中毒のような彼が、休暇を切り上げて仕事に戻って行くアルプス越えの道々の車中でジャズを聴くシーンがあって、私もここでリストされているジャズナンバーをきいてみようと思ったからです。

そこから、よくあるパターンだと思うのですが、ジャズの名盤紹介の本など読んで、あれこれ聴くようになり、今は、エリック・ドルフィーの『アウト・トゥ・ランチ』をよく聴いています。

ドラムのトニー・ウィリアムスを知るという、モダンジャズの世界でも、本の世界のような、果てしない連鎖の始まりも感じたりしました。エリック・ドルフィーという人は、きちんとした筋目を感じるジャズだと思ったのですが、果たして、どうなんでしょうか?
さて、ジャズについて私なりのアプローチを考え、ジャズ小説を探して読んでみようと思いました。
かつて、五木寛之の『新装版 青年は荒野をめざす (文春文庫)』を読みましたが、もっとジャズに近いところで書かれた小説を探して、出会ったのが、本書です。

ジャズ・カントリー (文学のおくりもの ベスト版)ナット・ヘントフ 著)

ジャズは黒人の音楽なのかそれとも人種の壁を超えてあるものなのか。確かにジャズピープルには白人もいるし日本人だっています。しかし、その本質には、人種が深く関わっているのではないか、という問いかけには成立の余地があるように思えます。
著者のナット・ヘントフは、反骨のジャズ評論家として知られる。2017年1月7日に亡くなりました。
登場人物の一人黒人のジャズミュージシャンのビッグ・チャーリー(主人公にとってはメンターの役割を果たしています)は語ります。
「おまえさんはミュージシャンだ。そしてミュージシャンというものは、自分の音楽で言うべきことを、つぎつぎにたくさん学べるように耳を傾けなきゃいかんのだ。
活気をいっぱいもっている連中を信じるんだな。言っていることのその下に耳を傾けりゃわかるものだ。
いちばん大事なのは、いつも耳を傾けるってことだ」。

私は今、彼は何を語っているのか、そこに耳を傾けること、そんなことを意識して、それでも楽しくジャズを聴いています。


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