2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

デュラララ!!:成田良悟

ミステリではなく、ライトノベルの長編。 群集劇とかパルプフィクションの類で、交差する物語が最終的に一点に収まるストーリーが見所。 良い意味でライトノベルらしくない、小説っぽい作品で、落ち着いた雰囲気で楽しめた。 ただ、だからといって満足できた…

卒業:東野圭吾 ネタバレあり

かの加賀恭一郎シリーズの第一長編に当たる、青春ミステリ。 小説としてはベタな青春物ながら、手堅く丁寧にまとめている。青春小説らしいできばえ。 第一の事件は知識トリックこみの物理トリックで、今読むと古臭い。しかし、第二の事件は、雪月花という聞…

四畳半神話大系:森見登美彦(ネタバレあり)

少し変わった構成の短編連作青春小説。 この連作の構成は青春小説ではお馴染みの、自分の大きさを悟るシーンと絶妙にマッチしている。 また、この構成が真面目なストーリーのためだけではなく、繰り返しのギャグとしても機能している辺り、完成度が非常に高…

温かな手:石持浅海

奇妙な正物が探偵役を勤める短編連作集。 この奇妙な生物の設定はミステリよりも小説としていかされている。 SFパズラーなノリは一切無いため拍子抜け。セリヌンティウスやBGあるいは、みたいな前提条件を利用したミステリだと思っていたから。 ベストは子豚…

完全犯罪研究部:汀こるもの

ミステリよりも青春小説の方に寄った青春ミステリ短編連作。 軽い文体に加え、パロディのギャグも大目、キャラクタもわかりやすい個性付けがされていて読みやすかった。 ミステリとしては弱すぎるが、青春小説としては面白かった。特に青春小説だからと、安…

しらみつぶしの時計:法月綸太郎

シリーズ探偵の登場しない、純粋な短編ばかりが収録されたミステリ短編集。 ベストはロジックが冴え渡る盗まれた手紙。小説であることよりも、パズルやミステリに寄った作品が多くて大満足。 法月綸太郎というと、どうしてもふたたび赤い悪夢や誰彼のような…

さよならの次にくる 新学期編: 似鳥鶏 (ネタバレあり)

青春ミステリ短編連作集の下巻。 ミステリとしては、日常の謎物ながら中々本格な謎もあり楽しめた。ベストは、春の日の不審な彼女。ハウダニットと見せかけての意外な犯人物。しかも連作であることを生かしたそれで驚いた。 小説としても、青春小説らしい晴…

万能鑑定士Qの事件簿 Ⅱ*1:松岡圭祐

エンタメ長編小説の下巻。ミステリよりはサスペンスやキャラクタに寄っている。 小説としては深いテーマもあり、社会派の様相も見せるのだが、いかんせん解釈を読者に放り投げてる感がある。 そこらへんのテーマなり物語なりに文量をかけてくれれば、軽い文…

てるてるあした:加納朋子

日常の謎物ミステリでもあって前作とは打って変わって、直球ど真ん中の短編連作小説。 幾度と無く書いてきているが、ボクは本当に家族物に弱い。その中でも今作は、限りなく満点に近いぐらいの大満足だった。 父息子物の最高峰が貫井徳郎の追憶のかけらなら…

探偵小説のためのゴシック「火剋金」:古野まほろ

ロジックが冴え渡る本格ミステリのシリーズ第五長編にして完結編。 ミステリ部分を褒め称えたいのは、当然として小説パートがさすが完結編だけあって、面白かった。 別シリーズとのリンクなのか、次回作への伏線なのかがわからなかったせいで、ラストはおい…

よくわかる現代魔法 5 TMTOWTDI たったひとつじゃない冴えたやりかた:桜坂洋

アニメ化もされたりで大人気なライトノベル長編。 今作は第一部の完結ということで、話の筋も盛り上がり、キャラクタたちのストーリーも一応の結末を迎えている。 物語として楽しめたかどうかはおいといて、キャラ立ちを狙うためわかりやすい属性をつけよう…

万能鑑定士Qの事件簿 I*2:松岡圭祐

長編ミステリ、というよりはエンタメの上巻。 力士シールをめぐるメインストーリーに、過去や未来のシーンがカットバックしてくる構成はキャラクタの魅力とあいまって効果的に作用している。 ただ、あまりにもエンタメしすぎていて小説としては今一つ厚みに…

さよならの次にくる〈卒業式編〉:似鳥鶏

青春ミステリのシリーズ第二作目にあたる、短編連作の上巻。 日常の謎の学園物で、富士見ミステリ文庫で出ていたら歴史が変わっていたかもしれないぐらい、キャラクタは魅力的だった。 物理トリックをしっかり組んでいる所や、安楽椅子探偵ではなくて調査の…

密室殺人ゲーム2.0:歌野晶午

本格ミステリ最大の魅力「議論」を徹底的に追求したシリーズの、第二短編集。 ちょっと今回は拍子抜け。本格度も確かに高いのだけれど、サプライズに力を入れすぎじゃないかな。 歌野作品でいうと「有罪としての不在」のような、ロジックとサプライズの織り…

密室殺人ゲーム王手飛車取り:歌野晶午

殺人ゲーム、と銘打たれた殺人事件を推理しあう短編連作本格ミステリ。 自分にとって”本格”ミステリとしてもっとも重要だと思っているのが、議論である。 たとえトリック自体がバカミス的であったり、小説性が薄くパズル本のようになっていても、そこに至る…

アクアリウムwithクロック 攻略?日記

はじめに 四月から社会人をやっているので、先日初任給が出ました。 母親や祖父祖母をはじめお世話になっている人にお礼をし、家賃と食費を母親に渡し、 その上で何に使おうかなあ、と悩み前から気になっていたDSiLLを買うことに。 つまり、コロぱたプレイ日…