2009-06-15
恋愛に向いてない人などいない
今回「その夜、彼女は静かに幕を下ろした - Attribute=51」というエントリーを読んだことではっきりと思った。
「『恋愛に向いてない』人などいない」と。
そして、今回うまくいかなかったことではっきりと思ったという。
「私は恋愛に向いていない」と。
恋愛に向いてない人などいない。
それは、「私は人間に向いてない」と言うのと同じくらい理解不明なことだ。
「私は人間に向いてないんだと思う」
「へぇ、そうなんだ。じゃあ、何に向いてるの?」
「カ……」
「え?」
「……カピパラ?」
「なん……だと……?」
http://www.youtube.com/watch?v=GRtBrYGYYq8
同時に、
「もう、こういうことはしない」と決心したと。
「こういうこと」とは恋愛のことで、
30歳間近の彼女にすれば、結婚をしないということにもなる。
もう「恋愛」をしないことが、「30歳間近の彼女にすれば、結婚をしない」ということにはならない。
もう「勉強」をしない「20歳間近の彼」だって、「大学に入学」したりする。
「あなたがこの学校を志望された動機を教えて下さい」
「はい。あの……ぶっちゃけ2浪するのがいやだったのと、あともう勉強したくないんで」
「……え? 勉強した……くない?」
「はい。この大学は、お金さえ払えば入学できるって聞きました」
「くっ……ご、合格っ!」
彼女はこの数年間、自分の性格を直そうとしていた。
性格というよりは価値観や考え方を変えようとしていた。
以前よりも、「奥底の私」はより、奥底に行っていたし、
以前よりも、他人とうまくかかわれたり、相手のことを考えられるようになっていた。
それは、これまで見ていた自分も驚かされたことで、人は変われるのだと、よく思っていた。
それでもなお、彼女はうまく恋愛することができなかった。
うまくいかなかったという結果には、いろんな要素があったと思う。
相変わらず性格が悪かったかもしれない。
以前よりも、「他人とうまくかかわれたり、相手のことを考えられるようになっていた」人が、「相変わらず性格が悪」いというのはどういうことなのだろう?
「私、前よりずっと成長したんだぁ」
「へぇ、そうなんだ。どんなふうに成長したの?」
「うん、前より他人とうまくかかわれたり、相手のことを考えられるようになったのぉ」
「そうなんだ。えらいね」
「でもね、相変わらず性格が悪くて」
「え?」
「だから、恋愛がうまくいかないんだぁ」
「……あの、前はどんなにひどかったの?」
今の彼女に合う男なら、きっと日本中にたくさんいると思う。
でも、彼女は「会えなくて」、「巡り会えなかった」。
「今の彼女に合う男なら、きっと日本中にたくさんいると思う」なら……ウメダさんに相談だ!
「ウメダさん、日本のネットで今の彼女に合う男を探す方法はないですかね?」
「(日本と英語圏とは)ネットの使われ方も全然違うし。(英語圏のネットは)もっと彼女に合う男と巡り会うインフラみたいなものになってるわけ」
「日本のネットは、彼女に合う男と巡り会うインフラになっていない、という意味でしょうか」
「なってないんじゃないんですか?」
彼女には夢があり、海外で働くという夢があり、
そこに踏み出すなら、もう時間が残り少ないのだという。
「海外で働くという夢」に、「残り時間」の多いも「少ない」もない。
それは日本中の30歳以上を心からバカにしている。
「おばさん、いくつ?」
「え? あ、うん……もうすぐ30歳よ」
「じゃあもう残り時間少ないじゃん!」
「え?」
「だって、30歳過ぎると仕事選べないらしいよ!」
「え? ど、どうして?」
「どこかのブログに書いてあった!」
「そ、そうなんだ……」
「ところでおばさん、彼氏はいるの?」
「え? い、いや……私はもう、恋愛しないと決めたから」
「じゃあもう一生結婚できないじゃん!」
「え?」
「どこかのブログに……」
「それ、どこかのブログかな?」
彼女には夢があり、海外で働くという夢があり、
そこに踏み出すなら、もう時間が残り少ないのだという。
そして働くなら、一生懸命仕事に打ち込みたいと言っていた。
だから、この恋は最後のチャンスだったのだ。
本当は恋愛に生きたくて、そして私には恋愛と仕事を両立する器用さはないのよと苦笑いする、彼女の賭けだった。
「夢」というのは「本当」に「生き」たい生き方のことを言う。本当はそういうふうに「生き」たくないのなら、それを「夢」とは言わない。
「♪おれには夢があるううう、両手じゃ抱えきれないいいい」
「へえ。あなたの夢ってなんですか?」
「♪海外で働くことおおお一生懸命打ち込みたいいいい」
「へえ。素敵ですね」
「♪でも本当は恋愛に生きたくてえええ仕事とは両立できないいいい」
「えっ?」
「♪たてまえでも本音でも本気でもうそっぱちでも」
「あの……あなたの場合『たてまえ』と『うそっぱち』だけなんですけど?」
「♪本物の夢を見るんだあああ」
「思いっきり偽物ですけど?」
「♪夢がかなうその日までえええ夢見心地でいるよおおお」
「……好きにして下さい」
自分は結婚をしていないから、家族がいる楽しさや大変さは知らない。
逆に家庭を持つ彼らは、目の前の彼女が泣いた悲しみを、心底わかってあげることはできないだろう。
わからないでいてほしい、と思う。
人生は常に分かれ道で、自分が進まなかった道の話は、わかるはずがないのだから。
「家庭を持つ」人の気持ちが「わからない」のに、家庭を持つ人は「結婚をしていない」人の気持ちが「わからない」とどうして「わか」るのか?
それは、「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」というジャイアニズムに他ならない。
「よう、のび太」
「あ、ジャイアン」
「おまえ、静香ちゃんと結婚したんだってな?」
「あ……う、うん、そうだけど?」
「なんで結婚式に呼んでくれないんだよ」
「え? あ、いや、それは……」
「……まあいいよ。ところで聞くけど、おまえはもう結婚してるんだから、おれみたいな独身の男の気持ちはわからないよな?」
「え? あ、いや、でも、ほら、ぼくも独身がずっと長くて、それで紆余曲折があって、ようやく静香ちゃんと結婚できたから、今のジャイアンの気持ちも……」
「わからないよな?」
「あ…………う、うん、そうだね。わからないね」
「わからないでいてほしい、と思う」
「え?」
「人生は常に分かれ道で、自分が進まなかった道の話は、わかるはずがないのだから」
http://www.youtube.com/watch?v=Kwg3ReN6i2k&NR=1

