2008年の正月を韓国で迎えたのだが、この旅行の目的は観光で、登山ではなかった。
しかし沢山ある慶州の史跡は、自分にとっては残念ながら退屈であった。
特に世界遺産でもある仏国寺は、無住の寺であり観光施設と変わりなく、がっかりしたものだ。
そこで、慶州での2日目は、石仏群で有名な南山に、ハイキングに行くことにした。
ここでも、磨崖仏や石造遺跡に期待したのだが、無知な私には印象に残るものはなかった。
南山自体は、丸く凡庸な山容であるが、韓国らしい岩の露出した部分も多く、展望には事欠かない。
石仏群よりも、南山から眺める農村風景の方が、私には好ましかった。
この山では、とてもうれしいことがあった。
元々、登山の予定ではなかったので、昼食や間食の用意はしていなかった。
宿泊先の朝食の残りのトーストを、一枚づつ持っていただけだ。
そんな私達を見かねたわけではないだろうが、昼食をとっていたグループから、
「一緒に食べないか」と声がかかった。(たぶん、韓国語なので推測です。)
かろうじて「日本人で韓国語はわからない。」と答えたけど、「かまわない一緒に食べよう」と。
お言葉に甘えてご馳走になった。これが素晴らしい料理だった。
韓国は旧正月を祝うので、おせち料理ではないだろうけど、肉料理からデザートの甘味まで、
保存がききそうな料理が、沢山用意されていた。しかも、辛くない料理。
現在に至るまで、この時ほどほど上品な韓国料理を食べたことはない。
すこし焼酎もいただいて、とても幸せな気分で下山しました。