前夜は、釜山の西面(ソミョン)に泊まり、地下鉄で沙上(ササン)へ
西部バスターミナルから、密陽(ミリャン)行きの朝7時のバスに乗り、
さらに密陽から、8時の石南寺(ソクナンサ)行きのバスに乗った。
彦陽(オニャン)経由で行けば、もっと近いのに、どうして遠回りしたのか。
それは、ロンリープラネット(韓国)の記事に、魅かれたからだった。
「最高の景色が楽しめる」「最高の眺めが見たいなら、右側の座席に座ろう」
うーん。バスの窓が汚くて外が良く見えない。それに、普通の田舎の風景。
バスは、峠のトンネルを抜けて、蔚山(ウルサン)市側へ下り石南寺へ到着。
晴天の空に、加智山(カジサン)は鶴翼のごとく稜線を伸ばしている。
さて、登山者の多くは、石南寺には入らずに南側の駐車場から登るようだが、
所期の予定通り、入場料を払って石南寺を抜けて、北側から登りはじめる。
地形図を見て決めたことだが、これが最初の失敗であった。
登山道は幅2米程の林道状で、九十九に登るものの緩やか過ぎる。
業を煮やして、直上する踏蹟をたどったところ、稜線には出たものの、
かなりの遠回りになったようだ。これも又、失敗。
稜線に出てると、なんと韓国の山では珍しく幅員5米程の林道がついている。
しばらく我慢して歩いていたのだが、コンクリート舗装になるに至っては、
嫌気が差し、尾根上の旧道を歩くことにした。(上の写真、左奥が加智山の山頂)
稜線上は、冬枯れした細尾根で、適所に展望の良い岩場もあり良い道だ。
だが、車こそ走ってないが、六甲山で車道に並行する山道を歩くようなもので、
間抜けで味気ない行程だ。林道ありと知っていたら、こちらからは登らなかった。
結局、このサルバゥイまで、林道は続いていた。頂上まで1.3kmの地点。
この岩の小さな写真をみて、てっきり山頂だと思っていたのも、まあ失敗かな。
加智山の名所ではあるようで、展望台やオデンや飲み物を売る小屋もある。
登山道は、この岩場の裏側を巻いて行くだけで、割とあっけなく通り過ぎる。
支尾根の岩峰がきれいに見えるところで、昼食休憩する。もう1時半。
この山の、岩はテーブル上のものが多く、諸所でよい休憩場所が得られる。
今日は、土曜日で山頂は、大賑わい。山名碑の前では写真の順番待ち。
それに背を向けて、西側の雲門山(1195m)方向の写真を残しておく。
山頂にもコンテナを改造した小屋があり、オデンやマッコルリを売っている。
写真、右下隅にテーブルが写っていて、看板代わりに飲み物が並べてある。
林道のことで、ガッカリはしたが、加智山自体は、なかなか魅力的な山だ。
山頂は360度の展望があるし、なによりそのゆったりとした山容がよい。
伸びやかな稜線は、鈍重ではなく両側は急峻であり、展望の良い岩峰もある。
次回登るなら、南側の尾根から登り、さらに雲門山へ縦走してみたいと思う。
山頂から南西へ延びる尾根を下り、西向きの谷まで下ると、紅葉の森に入る。
残念なことに、もう夕刻で、薄暗い谷では、いまひとつ紅葉の美しさも映えない。
加智山は道立公園なのだが、韓国の山にしては、道標が不整備である。
脇道も多く、迷いやすい所もある。今日歩いた石南寺からの尾根まで、
尾根からバス停への下りとも、十分な道標がなかったことを付記しておこう。
さあ、蔚山市内バスに乗り彦陽で下車して、名物「彦陽プルコギ」を食べに行くぞ!