剛泉山郡立公園は、全羅北道・淳昌から10kmしか離れていない。
ところが、淳昌バスターミナルの剛泉寺行きの始発は、9時50分だ。
剛泉寺行きは、光州始発で、潭陽(タミャン)経由で淳昌にやって来る。
こんなことなら、寂しい淳昌(スンチャン)に泊まらなくても良かったな。
剛泉山は山よりも、渓谷沿いに美しく整備された公園が有名なところ。
その周囲の低山を結ぶ山道を歩き、公園と併せて楽しむ行楽地だな。
公園の入場料2000Wを払って、まず現れるのが渓谷の側壁の滝。
ただ、本物の滝かどうか疑問だ。韓国ではよく配水管をめぐらした、
人口の滝を、よく見かけるからだ。まあこれも入場料の内と眺める。
とりあえず登山地図に剛泉山(カンチョンサン)と記されたピークに、
向かって登って行く。足元には、対岸の散策路へ続く観光用の橋が。
散策路は公園周囲の低い岩稜を歩くものだが、紅葉の季節に来れば、
素晴らしくキレイなんだろうが、驚くほどの人混みになるに違いない。
登山道は、爽やかな新緑の急斜面を、ひたすら登って行く。
ようやく、剛泉山の山頂の一角にたどり着いた。足元には吊り橋が
小さく見える。周囲は、黄砂に霞む、平凡で穏やかな山容の山々。
この後は、緩やかな上り下りを繰り返す、落葉樹林の中の道を、
公園奥の山城跡のあるピークに向かって、歩いていく。
観光バスでやってきた案内登山会の人達が、我々を追い越していく。
珍しく自由行動を許されているようで、バラバラに歩いておられる。
右手に、潭陽湖が見えてきた。その向こうの山は、昨日行き方が分からず、
断念した秋月山(チュウォルサン)に違いない。調べなおして、また行くよ。
山城の一角に着いた、北門である。桜の木がキレイに咲いている。
日陰では、先の案内登山会の人たちが、昼食の真っ最中であった。
私達も、コンビニで買ったパンとジュースで、昼食とする。
ここから東門までは、城壁の上を歩いていく。
城壁はさらに南門・西門と山稜を一周しているが、
我々は、東門から、公園奥の滝を目指して下る。
公園最奥部にある滝。この滝は本物だろう、流れに沿って岩がえぐれ、
滝壺もある。名前はハングルだけだったので分からなかった。周囲は、
とてもキレイな公園として整備されている。遊歩道には小石一つなくて、
公園入口からここまで、健康のために裸足で、歩くことを推奨している。
実際に裸足で歩いている人達も多かった。もちろん足洗い場等もある。
そんな遊歩道を、公園入口へむかって、歩いていく。
今日、登山を始めた、観光用の橋のところまで戻ってきた。
公園入口から、光州(クァンジュ)行きのバスに乗ろう。