摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

霊鷲山(1081m)・・・・・・慶尚南道・梁山市・・・2015年12月22日

仏山(シンプルサン)の山頂からは、南にある霊鷲山(ヨンチュクサン)を

経由して、通度寺(トンドサ)へ下る予定だ。だが、神仏山の登山口で迷い

1時間もロスし、岩稜の登りでは体力不足で、ずいぶん時間が掛っている。

午後1時半過ぎに、神仏平原を通過。このススキの原は霊鷲山の肩にある。

本来なら霊鷲平原と呼ばれる方が、適当かと思うが、此処はまだ蔚山市域。

神仏平原にある蔚山市の道標。霊鷲山わずか700mに過ぎないのだが・・。

広いススキの原も冬枯れで美しくない。やはりススキの穂の輝く秋に来ねば。

霜柱が作った泥濘の道を、霊鷲山頂上に向かう。ぬかるみを避けて登る。

霊鷲山頂上の山名碑や、頂上に立つ人達の影が見える。火曜日だが、

釜山に近いだけあって、そこそこの平日でも人出がある。もう後一登り。

振返り神仏山を望む。西側は緩やかだが、東側は岩が露出し険しい。

コンデジの撮影モードが、勝手に変わっていたのに、気づいていない。

ほどなく霊鷲山頂上に到着。此処に立つのは実は2度目。四年前の

2月に登っている。ただその時は、雪の降る日で視界は全く無かった。

西側に戴薬山が見えている。この付近は、標高1000m以上の山が

7つも連なり、嶺南アルプスと呼ばれている。山容は総じて穏やかだ。

頂上ではコーヒー一杯だけの休憩を取り、さらに南の岩稜を辿る。

出発したのは午後2時15分。岩間からしみ出た水が凍っている。

此の先は激しいアップダウンが待っているようだ。これは予想外。

南アルプスについては、全般に穏やかな山と思っていたからだ。

登山道は、概ね西側斜面を巻いたり、岩稜を登ったりを繰り返す。

正直なところ、この山を舐めていた。こんなに岩場が多いとは・・。

振返ると霊鷲山の頂上が見えた。前回は雪が舞う中、林道をショート

カットしながら登った。もっと北側の道で、今回は別の道を下っている。

通度寺へ下る峠まで、あと何回岩峰を越えねばならぬのかとガックリ。

本当に1度登った位で、霊鷲山を甘く見てたと、反省することしきり。

山頂から1時間かかっって、通度寺への下り道がある峠に到着した。

峠には先ほど、我々を追い越して行ったアジョシが休憩されていた。

「コーヒー飲みませんか?」と言って頂くが、それほどの余裕はない。

ありがたく辞退する。通度寺への道を確認させてもらって先に進む。

良い道が急な尾根を下って行く。北側を見上げると、歩いて来た岩稜

が樹幹越しに見える。冬枯れならではの展望で、夏は見えないだろう。

木製階段道が現れる。整備された道にしか無い物なので、ホッとする。

峠から700mの下りで、白雲庵に到着。庵というより寺といった感じ。

白雲庵から800m下ると舗装路に変わった。通度寺山門まで5.5km。

すでに午後4時を過ぎている。バスターミナルまでは、6kmも歩かねば。

しばらく下ると立派なお寺が現れた。最初は通度寺の伽藍かと思ったが、

これも庵だそう。つまり通度寺の支寺だけど、こんな大きな庵は初めてだ。

広い梅林の中の舗装路を進む。この辺りは全て通度寺の寺域なんだろう。

霊鷲山の案内図があった。前回登った北側のコースは、通度寺の寺域を

外れていたが、その他のコースは入山料3000Wを通度寺に払わうことに。

振返ると霊鷲山の頂上に雲が掛っていた。予報では今夜は雨だという。

この後、小さな峠を越えて通度寺に向う。幾つも大きな庵を通り過ぎる。

韓国では沢山の寺を訪れたが、これほど強勢な仏教寺院は初めて見た。

料金所を兼ねた通度寺山門を通過する頃には、既に真っ暗になっていた。

宿や食堂の並ぶ門前町を抜けると、新坪(通度寺)バスターミナルがある。