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関西ジョシ抜き日記

2010-12-07

もう勝ってる

| 05:24

「本当はゴパンが欲しかったんだけど」と前置きしつつ、パン焼き機を買ったと母が言う。父母が田舎の一軒家から街中のマンションへ引っ越して約2ヶ月(そのうちまる2週間は、オトノ様出張中の応援で我が家へ来てもらっているのだけれど)。いろいろ落ち着いてきたようだ。

今回の転居にあたって、「記念に」とずっと残していた私たち姉妹の教科書類や幼いころの洋服はもちろんのこと、母の趣味である手芸用品、父の蔵書(通読ではなく積読したもの)、カセットテープレコード類をばっさり捨てた。捨てられなくて置いていたアップライトピアノも、美しい木製の食器棚も。こだわって買い集めた食器だって2人分を残してすべて捨てられた。私が「引越しを機会に読んでみたら」と差し出した「断捨離」本に触発されたとはいえ、実に思い切って処分したものだ。

母は続ける。「なんか時間ができて」。一軒家ではなくなった。庭がなくなった。2階がなくなった。掃除する場所が減った。掃除機を抱えて階段を上りくたくた・・・ということもない。今まではゴミ回収日の朝に、回収箱を出して網をかぶせて周囲を掃除するゴミ当番が月単位で回ってきたけれど、今は当番もなく、ドアのついたゴミ捨て場があるので、前日の夜から出しておける。ずっと二層式洗濯機にこだわって使ってきたけれど、マンションにはスペースがないので仕方なく全自動に。水張りやら脱水層への入れ替えやらで洗濯場とリビングを行ったりきたりしなくてよくなった。思い切ってモノを減らしたので、「アレはどこだっけ?」とあちこち探し回ることがなくなった。眼鏡もはさみも財布も鍵も、決まった場所にすぐ見つかる。どこにしまったか思い出せなくて、年をとった、ボケたと落ち込むこともない。

「ほんま引っ越してよかった」と、満足げに母は報告する。これこそ「断捨離」の説く「ご機嫌!」状態なんだろうか。(一読したときは、本文のあまりのスピリチュアルな書き方に猜疑心を強く抱いたわけなんだけれども)

引越しを嘆く母に、それは敗北ではなくむしろ勝利で、できるだけ早くそのことに気づいて欲しいと願ったけれど、2ヶ月経たないうちに母はもう勝っていた。先を越されてしまったな、と棚をひとつ整理してみる。「ゆだん大敵」生活、絶対私も手に入れる。