2011-01-31
ゴールの先に
お仕事 |
「33歳にして、面接であのザマではおぼこ過ぎる。職人やっといたほうがいい」。面接後の部長は容赦ない。ワラビさんの後任を採用する面接に呼んだのは5人。採用するならどっちかだよね、とリジー氏を絞った2人のうちの一人をバッサリ斬った。
33歳元パティシエ。学校を卒業したあと、普通の会社で数年事務職をしていたが、パティシエへの夢を諦められず退職、パティシエになったあとはいろいろなホテル等で働いてきたという。ピークになれば朝から夜中まで立ちっぱなしでケーキを作るのが体力的につらく、転職を考えたという。本人は確かに33にしてはかわいらしいくらいに素直で真面目な感じ。部長は口が悪いと思いつつ「おぼこい」という表現も納得できる。待合室で話していると好印象ではあるけれど、面接でのアガリ具合は尋常ではなかったらしい。「人と接する仕事してないもんなぁ」とリジー氏がやんわりカバー。
しかし。これはいったいなんなんだ。ジョシなら一度は憧れる「パティシエ」。彼女はその夢に向かって邁進し、見事に実現させた。そのときの充実感、達成感はどれほどだったろう。彼女は果敢にチャレンジし、ゴールに至った勝利者ではないか。それが、わずか数年で限界を感じ、再スタートを目指せば「33にしてこれじゃつぶしが利かん」と切り捨てられる。どうしてこんなことになるのか、私にはわからない。
結局採用が決まったもう一人は、元保育士。その後雑貨屋の店員に転じて今回応募してきた。店の夜間シフトに入るのが辛くなってきたという31歳。保育士も雑貨屋店員もやはりジョシの憧れ職業ではないか。職業にはキレイごとではないものもあるだろう。でも、なりたいものもなく、超氷河期時代に手当たり次第会社を回り、漫然と流されるままに仕事に就いた私に比べると、自分の将来について真剣に考え、チャレンジし、実現させてきた人たちなのに、なぜそれでハッピーエンディングではないのか。ゴールの先に、何があるというんだろう。
面接と同じ日、取引のある某銀行の営業担当が、上司と後輩を連れて挨拶に来た。今後はこの後輩と2人で担当しますという。どこか頼りないうらなり君で、人事部内では「うらちゃん」と呼んでいる担当君は、その上司が言うところによると「京大法学部卒」。一緒に連れてきた後輩ちゃんは「東大法学部卒」らしい。2人とも入社1年目は窓口で個人客相手に投信を売っていたという。札束ファンを作りながらお年寄りと世間話をしている2人の姿を想像する。東大と京大の学士様がねぇ・・・と思うとますますわからない。
何を学び、何を望み、どう進むのか。何が違ってそれぞれの今があるのか。知りたい、わかりたい。そしてオシメ様に伝えたい。
