2009-01-29
■[book]『殴り合う貴族たち 平安朝裏源氏物語』

- 作者: 繁田信一
- 出版社/メーカー: 柏書房
- 発売日: 2005/09
- メディア: 単行本
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雅やかなイメージの平安貴族。その実態がいかに暴力にまみれていたかを、賢人右府と呼ばれた藤原実資さんという人の日記に基づいて検証しています。
テーマがテーマだけに、目次には「従者を殴り殺す」「強姦に手を貸す」「天皇、宮中にて女房に殴られる」、「法皇の皇女、路上に死骸を晒す」等々、暴力的で陰惨すぎる見出しが…。
凶悪度で目立っているのが、権勢を誇った藤原道長の一門の人々。
気に入らない役人を拉致ってよってたかってボコボコにしたりとか、牛車に雨あられのように投石したりとか、そんなのばっかり。苦労知らずのおぼっちゃんの代になると、わがままが抑えられなくて子どもっぽいから凶悪度は二割増し!
宮中生まれ宮中育ち、悪そうなヤツはだいたい友達…(だから強姦にも手を貸す!)。
貴族だけでなくて、それに仕える従者の暴れん坊ぶりというのもひどくて、これを読むと、『源氏物語』の葵上と六条御息所の車争いの場面がどれだけ暴力に満ち満ちた劇的なシーンだったのか、なんとなくイメージすることができます。シティ・オブ・ゴッドみたいな感じだったのかな…。
ちなみに、拉致監禁を当時の言葉で言うと「召し篭める」だそうです。雅やか…。優雅な世界と陰惨な暴力が混然としているのが、平安貴族も生々しい身体と感情を持った人間だったのだと感じさせて興味深かったです。
巻末の「王朝暴力事件年表」(すごい年表名)も充実。
*1:私が読んだのは単行本ですが、文庫も出てます。http://www.amazon.co.jp/%E6%AE%B4%E3%82%8A%E5%90%88%E3%81%86%E8%B2%B4%E6%97%8F%E3%81%9F%E3%81%A1-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E3%82%BD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A2%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%B9%81%E7%94%B0-%E4%BF%A1%E4%B8%80/dp/404409201X


