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◆マンガ『なぞの岩戸』

◆マンガ『かえってきた小鳥』 ◆『かえってきた小鳥 第2章』(連載中)

2009-07-02

[]ダーク児童文学へのいざない ダーク児童文学へのいざないを含むブックマーク

クラバート

クラバート


 児童書の世界では名作として有名なプロイスラーの『クラバート』を、ふと思い立って手に取ったんですが、大人が読んでもかなり読みごたえがあって楽しかったです。


  浮浪生活をしていたヴェンド人の少年クラバート。11羽のカラスが現れる奇妙な夢に誘われるようにして、シュヴァルツコルムの水車場に訪れる。水車小屋の見習い職人となったクラバートは、夜になると仲間と共に12羽のカラスに変身し、親方から魔法を習うことに。修行を重ねるクラバートは、やがて水車小屋の恐ろしい秘密を知るようになるが……というお話。

 

 これは、ドイツに伝わる<クラバート伝説>を元にした物語だそう。

 児童文学の名作ということで語り口は独特の味わいがあって上品なんだけど、ストーリーと雰囲気がダークすぎるのがまた…たまりません。死の匂いはいたるところでプンプンしてるし、巨大な石臼による人体破壊がほのめかされてるしさぁ…。とぼけた面白話の『大どろぼうホッツェンプロッツ』と同じ作者とは思えません。


 人里はなれた水車小屋という舞台が、悪魔のいけにえフォークナーの『サンクチュアリ』のようです。

 毎年、職人仲間が一人ずつ死んでいき、1年目、2年目、3年目……と年を重ねるごとに、徐々に秘密が明らかになり、クラバートが追い詰められていくという構成もスリリングでした。ラストのあっけなさも、逆に余韻を残すような感じで良かった。


 ドイツで実写映画化してるらしいけど(主演は『愛を読む人』の男の子みたい)、予告編を見たらハリーポッターのようだったので、ここはハリウッド版としてギレルモ・デル・トロ監督にも映画化してほしい…。