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◆マンガ『なぞの岩戸』

◆マンガ『かえってきた小鳥』 ◆『かえってきた小鳥 第2章』(連載中)

2009-07-30

[]夏だ!プルーストマラソンだ!(1合目 ・スワン家の方へ) 夏だ!プルーストマラソンだ!(1合目 ・スワン家の方へ)を含むブックマーク


 「プルーストの『失われた時を求めて』にチャレンジ1年生! 集英社の文庫版は全13巻だから、毎月1冊読めば1年ちょっとで全部読めるぞ…」と皮算用して、挫折の予感におののきつつ、勇気を振り絞って読み始めました。そうしたら、意外と読めるし、ものすごく面白くて、びっくりしました。


 紅茶に浸したマドレーヌの味から、幼少時代の記憶がよみがえるという有名なシーンからはじまる1巻は、壮大な物語の長い長いプロローグという感じ。子ども時代特有の多感で観念的なイメージが、舞台のコンブレーの情景や家族の記憶とからみ合います。美しい場面が多いんだけど、晦渋な表現が多かったり、情景描写をうまく頭でイメージできなかったりで、そういうところは読むのになかなか苦労しました。


 ところが、2巻・第2部の「スワンの恋」、ここから物語が一気に動き始め、俄然、読みやすくなってきます!


 「スワンの恋」は、ご近所さんで社交界の人気者、洒脱なブルジョア紳士のスワン氏が、主人公が生まれる前に経験した恋愛物語。全然好みじゃないと思っていた女性・オデットと、ふとした瞬間から激しい恋に落ち、やがて徐々に立場が逆転。スワンははげしい嫉妬と猜疑心のかたまりのようになっていきます。


 このスワンの恋愛模様が、生々しくて……オデット(実は高級娼婦)が他の男に書いた手紙を、封筒を透かして一生懸命読もうとしたり、「べ、別に彼女に何日も会わなくても平気なんだからね!」って自分に言い聞かせてるうちに、本当に長い間会ってないような気持ちになってきて、いてもたってもいられなくなっちゃうとか……。一度でも恋愛をしたことのある人なら、共感したり、まずい時には自分の黒歴史に思い馳せてしまうのではないかと思いました。

 傷心で晩餐会に出席したスワンが、幸福な恋愛期に聴いたソナタが演奏されるのを耳にし、その頃の記憶がフラッシュバックする場面は本当に胸に迫ります。


  あと、スワンがオデットと出入りするサロンの人々の俗っぽさにも、すごくリアリティがありました。社交界から全然相手にされてないので、自分の仲間以外はくだらない人間だと思い込み、閉鎖的なサロンでお山の大将と化す女主人の姿が、ものすごく身につまされるよ…。

 

 2巻の終わりから、主人公の世代に物語は移ります。今後はスワンとオデットの恋をひな型として、新しい世代がこの恋をなぞったり、拡散させるような形で物語が膨らんでいくのかな、と予感。

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