鍵が見つかる

先日の朝です。雪かきのために物置の錠を開けてスコップを取り出しました。作業を終えてスコップを物置に返して鍵をかけたのです。いつもは鍵を台所のカギカケに掛けておしまいなのですが、無意識で繰り返している動作ですから、その時の記憶は残っていません。
夕方、物置に行く用を思い出して鍵を取りに行ったのですが、カギカケには鍵がありません。物置には錠がかかっていたので、落としたとすれば物置からカギカケまでの動線の中か、途中でジャンパーを外しているのでその周り、と、範囲は狭いのですが、全く発見できずに今日の昼になりました。
女房も探してくれるということで、まず探したところは、カギカケの真下です。


ここには消火器が2台置かれています。女房が消火器をどけました。
「そうだよな、僕もそこは探したんだよ。でも無かったんだよ」
女房が消火器を元の位置に戻しました。
「あれ!!、ちょっと待てよ!!、この丸いリングは何だ!!」

消火器の握りハンドルの付け根にさびたリング状のものが付いています。
「あれ!!、やっぱり!!、こんなところに引っかかっていたんだ」

おそらく、車の鍵を取った時に、隣の鍵(物置)を引っ掛けて落としたのでしょう。たまたま目につきにくいリングだけを手前にして、消火器に懸かってしまったのでしょう。


さてこの事件で記憶に呼び戻したことがあります。
青森県弘前にいたときです。
冬のストーブ列車に乗りたくて、弘前から五所川原までは自家用車で行きました。駐車場に車を止めて、五所川原駅までは300mぐらいの雪道を歩きました。道は圧雪なのですが、道の脇には50cmぐらい雪が積もっていました。五所川原駅の改札の前で、女房が鍵束を落としたと言うのです。雪の降りしきる中、車まで戻って探しましたが、鍵は発見できませんでした。その場では、私の鍵があるからとあきらめて、ストーブ列車の旅を楽しんできました。
帰りです。五所川原駅で列車から降りて、駐車場まで歩いている途中で
「このあたりに鍵が落ちているかもしれないね」
と女房に話しかけながら、私が雪の壁を蹴り落とすと、白い雪の塊の中に黒いものがありました。足で砕くと、なんと女房の鍵束が出てきたのです。
雪道でしたから、奇跡としか言いようのない、偶然の発見でした。
私たち夫婦の幸運は、その時にすべて使い終わったのでしょうね。


いや、今回の鍵の発見、まだほんのちょっぴり幸運が残っていたんですね。