シダレザクラの透かしの障子

今年は、師走の感じがしないまま年末だ。でも、女房は大掃除を始めたようだ。後ろから冷たい視線を感じながら机で数独を解いているのは気が引けるものだ。

「おーい、お母さん、どうする、障子を張り替えた方がいいかなー」
「2階の和室は治虫(孫)が来て破いたところがあったから、張り替えたらどう」
「じゃあ、そうするか」
「そうね、今度は、模様が入った障子はどうかしら」
「う!、うん」
夏休みしか使わない部屋なのでどうでもいいのだが、女房に逆らうほどのリスクは見当たらないので、透かし入りの障子紙をホームセンターに買いに行く。

昔は、障子戸一枚をカバーするほど大きな障子紙が無かったので、あらかじめ、さんの大きさに合わせて障子紙を切っておき、重なり部分がさんからはみ出さないように、2人がかりで注意して張ったものだった。
でも今は簡単で、ロール状の障子紙を糊を付けた障子戸の上で転がして貼り付け、はみ出た部分はカッターナイフで切断すれば出来てしまう。一人でできる作業だ。

「終わったぞ!、簡単なもんだ!」

       仕上げは御覧じろ

のはずだったのだが、私の仕事には、いつものことながらパーフェクトはありえない。
     透かしの桜の枝が下を向いているのだ
「ありゃー・・・、まあいいか、シダレザクラの障子絵にしておこう」
女房には黙っておこう、気が付かないと思うよ、それほど神経は細やかじゃあないからな。

写真に、透かし模様が写っているかどうか?、一応載せておきましょう。
ロール紙を障子戸の上の枠に置いて、下の枠の方向へ転がせばよかったのです。私は、上の枠より下の枠の方が幅が広くて、そこにロール紙を置いた方が作業しやすかった、その考えしか頭になかったのです。