イサムノグチ

aztimegoesby2005-01-09

Isamu Noguchi: Essays and Conversations

Isamu Noguchi: Essays and Conversations

BS放送イサムノグチを観る機会を得た。


今回The Noguchi Museum http://www.noguchi.org/ には行かれなかったが、ちょうどNYでグッゲンハイム美術館や、ロックフェラーセンターチェルシーで彼の名や作品に触れた直後だったから、タイミング的にも興味深く観ることができた。


番組は、イサムノグチの自分探しの旅とも言える自己のアイデンティティと、帰属場所を求めて彷徨いつづけ、否定され続けた連続の人生を、ノンフィクション作家のドウス昌代が彼の代りに追いかけた6年間の集大成スタイル。スタンフォード大学で日本学を専門にするというご主人とサンフランシスコベイエリアはパロアルトで暮らすという彼女が、イサムノグチの生まれたカリフォルニアとその後の本拠地NY、父の故郷日本各地、グッゲンハイム奨学金で20代に渡ったフランスパリ、ビエンナーレでUS代表のなったイタリアベネチア、中国などを訪ね、その土地で交友のあった人物やエピソードをトレースしていくもの。


日米が対戦国となる時代に非嫡子として日米の両親の間に生まれた出生から始まり、世界における彫刻回の巨匠と認められた以降においても、日米両社会からつまはじきにされ続け、誰にも決して心を開ききることができずにいたというイサムノグチ。その流浪の民が如き彼の個人としての人生と、芸術家として世界各地に作品を残した才能の隙間が、一番面白いテーマになっていた。


日本には何度も来ることになるが、京都竜安寺をはじめとする庭園に深く影響を受けている他、激しい差別に迫害を受けながらも少年時代を過ごした茅ヶ崎の四季ある風景、「まるでシャングリラのよう」と表現したとされる山口淑子李香蘭)との結婚生活を過ごした鎌倉の北大路魯山人の住まい、晩年のアトリエの一つがあった庵治石の産地香川県牟礼町など数々のポイントが紹介された。日本におけるミュージアムは、その香川県にもあるという。http://www.isamunoguchi.or.jp/index.htm


身近な作品に触れてみよう。