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さぼり記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

 
好評既刊

2008-02-14

[]一般人から初音ミクはどう見えているのか?

本日、かなり大手な出版社にちょろりと打ち合わせに行ってきた。

今年2件目の怪談じゃない話でw

以前、この会社から出ていた雑誌にコラムを連載してたのだが、そこが昨年末になくなっちゃって(^^;)、そこにいらした編集さんが別部署に異動になったので、久々の挨拶なども含めて。


で、そこで「初音ミクどうすか」的な話題が出た。

昨年、TBS事件と前後した頃に、一度扱ったことがあったらしい。が、それもあって、「初音ミクと言えばヲタのおもちゃ」というイメージもあって、それ以上の切り口が見いだせないまま、「一回扱ったからもういいか」ということになってるのだそう。

僕としては、「いやいや、そういうのばっかでもなくてですね、結構重層的にいろいろな要素が絡み合っているので、いろいろな切り口で分析することができるんじゃないかと思うのです」と熱弁。

熱弁しながら考えた。*1


まず、「初音ミク」というソフトウェアは、あのグラフィック&設定を尊重しようとする限り、それに関連して作られた楽曲がどんなに良かろうとも、一般受けするものとしてアプローチすることが、難しいという代物なのだ、ということ。

実際、あのグラフィック&設定がまずありき、ということによってマニア(ヲタ)受けしたことは揺るがしようのない事実だし、そのグラフィック&設定に思い入れしたキャラクターソングに秀作が実際のところ多く、それらが高く評価されている(初音ミクを理解している人間の間では)ということは、揺るがしようのない事実。

僕が今日行ったセクションが取材を申し入れた時には、クリプトンからは「楽器として扱ってほしい」とコメントされたらしい。ヲタのおもちゃと見てくれるな、と。*2

でも、結局のところ、「そうはいってもあれはヲタク向けのおもちゃだよな」という結論がセクション部内で出てしまったようで、それ以上の注目には至らなかったらしい。

今日、僕が話を切り出したときも、最初は全然食いついてこなかった。


このセクションは、40代くらい向けにエンタテインメントを分析提示するというようなことをやってるところ。ヲタではない人に向けて、新しいエンタテインメントのツールであるところの初音ミクを、どう説明し、理解させ、興味を引くかというのは、なかなか難しく、しかし意義あることのように思えたので、もうちょっと熱弁を奮ってみた。そして奮いながら考えた。


イメージ&設定を除いた、純粋にソフトウェアとしての初音ミクというのは、ボイスシンセであり、楽器であり、DTMツールである。

それらの使用者の全てがヲタというわけではない。

というより、これらのツールはそれなりに音楽知識がないと使いこなすことはできえず、音楽の経験はあるけれど時間と人が足りない……つまりは、「かつて音楽を志向していたけど、今はもう諦めた」というドロップ世代が、大きくその地位を占めているのではないかと思える。

弱音ハクの卒業

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1675946

もちろん、それが全てということはないだろうけど、30〜40代の「自称・おっさんホイホイ」な方々というのは、結構いるんではないかと思っている。

また、作られる楽曲についても、初音ミクのグラフィックイメージ&設定からイメージされるようなものとは別に、30〜40代くらい、それなりに人生生きてこないと浮かんでこないような歌詞・フレーズの曲であったり、40代の人にはちょっと懐かしいw80年代調の曲なども散見される。

サラリーマンのうた

http://www.nicovideo.jp/watch/sm2224359

雪峰〜yukimine〜

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1983502

つまり、そのあたりの人にとって懐かしいまたは同世代的共感をもたらすものを孕んでいると言える。

初音ミクを「ヲタのおもちゃ」という一面からだけ見ると、その点を結構見落としがちなのでは。

このあたりまでは、「初音ミクというツールを使っているコンポーザの実像」について。世間並みなヲタばかりじゃないんですよ、というアプローチ。


そして、CGMという「状態」を活用する事例についても熱弁した。

例えば、「作ってみた業者」或いは「また御社か」でおなじみの、痛社シリーズ。

また御社か

http://www.nicovideo.jp/tag/%E3%81%BE%E3%81%9F%E5%BE%A1%E7%A4%BE%E3%81%8B?sort=v

ニコニコ動画はあからさま宣伝行為を禁止している。けれど、この痛社シリーズは、「初音ミク」という題材をオモチャに、会社の機材を使って遊んでいるように見せかけつつ(いや、遊んでるのかもしれませんがw)、個々の企業の機材紹介、技術紹介になっている点が非常に面白い。これが、近所の商店街のチラシを作る行程だったら、こんなに注目もされずおもしろがられもしなかっただろうと思うけど、初音ミク的な何かを題材にすることで注目を集めている。これは一種の技術プロモーションと言えるし、特に規模の小さい中小企業では、その宣伝効果は決して小さくない、と言える。

「作ってみた」でおなじみの働く背中がカッコイイことで定評があるw社長などは、オリジナルマウス&ラッピングケースなどのプレゼントを活発に行っている。もちろん、権利上の許諾を得ない限り、初音ミク関連商品を売るという商売は難しいだろうけど、これは後々、オリジナル商品などを企画するような展開をする場合に、一番のキモとなる「絵の上手いイラストレーター/グラフィッカー」を確保するパイプ作りに大いに役立っているのではないか。

作ってみた その5(オリジナルマウス量産編)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1788931


中小企業というのとはちょっと違うんだけど、例えばhalyosy*3

インディーズレーベルで活動しているバンドというのは、規模的にはやっぱり中小企業クラスと見てよいと思う。音楽=メジャー=売れる=毎回100万枚売り上げ……というイメージが強いけど、実際のとこインディーズだと「数百枚から数千枚プレスして、ライブで地道に消化」なんてのは全然珍しくない。自分達でCD-R焼いて売ってるようなインディーズだっていっぱいいるし。

そういう段階にあるインディーズグループにとって、数十万回以上も再生され、なおかつ継続的に話題になるというのは、プレゼンテーション&コマーシャル効果としては非常に大きい。*4

halyosy名義では、「メルト」「コンビニ」をそれぞれ歌っているが、halyosyの歌唱の実力の裏付け+それへ取り付けた支持というのは、それ単体では利益を生まなくとも、そこから連鎖する「知名度」という実利を得ることには十分役立っているのではないか。

メルト♂ (男性用キー上げVer.=halyosy)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1754685

コンビニ*5 (halyosy)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm2112420

つまり、初音ミクを軸とした「音楽を消費する新しい層」に向けて、いろいろなアプローチを試みている人々がいる、ということ、CGMという「コンテンツの海」をどのように活用していこうとしているのかは、模索段階にあるのだということ。

JASRACの管理下にある既存曲ではない、権利的に白の状態の楽曲をどのように事業展開できるのか(そもそもできないのかw)というような、ビジネス的側面からも、今はまさに実に興味深い段階にあるのだ、ということ。


ヲタのオモチャばっかってわけでもないんで、キャラクター&設定から一歩離れたところ、別方向からの切り口で見ていくと、この「初音ミク」(Vocaloid全般+そうしたものを使って作られる、JASRAC管理外楽曲と、それを用いたコンテンツ群)というのは、まだまだ一般向けに語るべき事柄がいっぱいある上に、むしろいろいろな側面からのそれを積極的に提起していかないといかんのでわないか、と思った次第。


実際のとこ、僕自身ずっと引っ掛かっていたというか気に掛かっていたところではある。

デP問題のときの削除賛成派の正論的主張としては、「一般向けではない」「お茶の間にアプローチできない」が多かったように思う。

が、「CGMコンテンツへの評価償却」「収益を上げるには?」的な切り口については、「時期尚早」「金が絡むとモチベーションが下がる」という反対意見が多かった。それもなるほどと思う反面、実はニコニコ動画*6の外、「初音ミク」のキャラクターの側面に興味がない一般人へのアプローチの部分は、むしろなおざりにされてきていないか? とも思う。

一般向けにアプローチする努力は、これは楽曲作者がする努力ではないわけで、どちらかというとその周辺部やリスナーや、そうでなければ胴元wであるニコニコ動画(ニワンゴ、ドワンゴ、DMP他)か、ピアプロ(クリプトン)が考えるべき努力なのかもしれない。

自社コンテンツサーバの魅力的コンテンツ、とした扱いに留めるなら、その内容は一般向けである必要はむしろ不要であり、一般向け/一般受けを考える必要も、実はないのではないか。

そうではなくて、そこからスピンオフ商品を一般向けに展開することを考えるなら、一般向けにアピールしていくことも必要になっていくのでは。

一般向けというのは、つまりは「一般の消費者」向けということになるのだが、消費者に何を消費して貰うかということまでひっくるめて、その周辺部に介在する「ビジネス」が動くことを意味するのだと思う。そこにビジネスとして展開する要素がある、そうなる萌芽がある、そういうことを感じられるものは、一般に向けて広く紹介されていくし、そういう可能性を帯びていないものは、一般に向けて紹介する必要そのものがない、ということになる。

ここでも、「一般向け」「一般化」「普及」には、「それがビジネスになりうる要素を持ちうるかどうか」「一社のみの成功ではなく、競合他社による追随、または協業他社による拡散する展開の余地があるかどうか」というところで、その分野・ジャンルの「将来にわたる長期的展開及び命運」が試されるのではないか。

消費者、もしくはそれを「楽しむ側」としては、できるだけ長い期間、多くの人によって、コンテンツが提供されていき、できるだけ多くの選択肢があり続けることが好ましい。市場は大きく長くなるのが、結果的に楽しむ側にとっての利益になる。

つまりは、一般化*7というのは、楽しむ側の目的を達成するためには、避けられない。

一般化という正義のために、「一般向けではない」ものを容認しない判断をしたなら、逆に一般化のための努力をしていくべきではないか。


……と、熱弁を奮うと話がループするのは、たぶんうちの母親の遺伝だと思われる。





そういうわけで、もしページが貰えたらw、そのときは是非とも「ヲタではないビジネスチャンスを模索する40代の一般人に向けて、初音ミクの現在・実体・将来性諸々について語らせてください」とそりゃもう熱くるしく語ってきた。

*1:口火を切ってから、喋りながら考えるのはいつものことw

*2:時期的にはTBS事件の後くらいの頃らしい。

*3:halyosy=森晴義、笹原翔太、中村博によるヴォーカル+ギターユニット「absorb」。初音界では「メルト」でブレイクした歌い手として知られる。

*4:第二日本テレビのT部長のインタビューにあった数字として、TVの視聴率は5%で300万人くらいが見ていると推測されるらしい。みくみくにしてやんよ♪の再生数はTV視聴率で言う5%相当をすでに稼いでいることになる。halyosyの歌ったメルトなどはそれには及ばないものの、TV視聴率の1〜2%程度に匹敵する集客力があったと考えると、相当凄い話。また、CMの放送回数や視聴回数に準えると、ン十万回の再生というのは宣伝コストに置き換えたら天文学的金額になるのかも。余談。

*5:2/13にFullが上がってたので急遽こちらで。

*6:ここには、広義でのピアプロもZoomieも入る

*7:その一般化された中の一部、または先端部に、コア/マニアな推進力はあり続ける

ARM@仕事中ARM@仕事中 2008/02/14 21:36 初音ミクが一般向けとして認知されるようになるには、ニコニコ以外のコンテンツでの活動が活発化するかどうかにかかってる気がします。
とりあえず今月末に、日本一ソフトウェアさんが出す「トリノホシ」のイメージソングを担当する事になってますが、例えばCMソングや、NHKのみんなのうたで歌える機会が持てたら一気に状況が変わるのではないかと。CMなんか充分話題性があってイケると思うんですがねえ。

シオミズ♂シオミズ♂ 2008/02/14 22:29 Macで使えない件に付いて・・・・w
DTM齧ってる身としては、使いたいんですが。
あっ、また新曲が。

azuki-glgazuki-glg 2008/02/15 00:09 Macで無理矢理走らせてる人もいるらしいですw

asas 2008/02/15 01:35 JPOPを一番聞きブームを創出する世代は中高生でありかつその世代はアニメを何の偏見もなく普通に見るわけで、一般化とやらのためにキャラ要素を切り捨てにかかったのならその方向転換は完全に失敗ですね

YOYO 2008/02/15 02:13 将来性の面で言うと、
創作活動のツールとして使えるキャラクターを売る、という
ビジネスモデルが出てくるかもしれないですね。
アイマスMAD制作とかはキャラクターの利用は黙認ですし、
いわゆるバーチャルアイドルはツールとしての使い勝手ないし、
ポケモンは遊び道具のキャラではあっても創作ツールではないし。
最近のKAITOブームは、単なるボーカル音源をユーザーの手で
創作用キャラクターツール化した結果と考えると個人的には
納得行くんですよね。

だから、いまのボーカロイドブームは実はDTMブームじゃなくて
キャラクターをツールとして利用した創作ブームがあって、
それがたまたま音楽というジャンルであらわれた、ということ
じゃないかと思うんですね。
ないかと

azuki-glgazuki-glg 2008/02/15 07:41 >asさん
キャラ要素を捨て去らない、しかし世間一般の認識にあるヲタではないよ、そして一過性ではない可能性があるよ、というのをどう説明できるか、という話なんです。いや、もしかしたら一過性なのかもしれませんが(^^;)

>YOさん
音楽というジャンルに現れた創作ブーム、というのは合点がいくところです。音楽の場合、これは漫画を描く、小説を書くというものよりも、技術的なハードルが高い(完成までのモチベーション維持が大変)なものであるように思います。
また、同人漫画家は青田買いによるデビュー、というルートがある意味確立されていますが、同人音楽家はどうなんだろう、とか。
そして、ここでも論点は「そういうものを継続させていくための場」「場に関わることにビジネスチャンスがあるのでは」という方向からの考察をしているわけなのです。

キャラ要素にこだわることが悪いとは思いませんが(エントリ中でも触れているように、キャラソングであるが故の秀作は数多くありますし)、それをどのように「価値があるもの」として説明できるか? という点に焦点が当たってるというお話です。この場合の価値は単に金銭的価値ということではなくて、精神的価値も含めて。

人口比的な話をすると、中高生の合計よりもその上の大きなお友達の合計のほうが人数が多い(^^;)というのはありまして、昨今のアニメ・ゲームの多くはそういった「大きなお友達」を購買力のある有望なターゲットとしています。なので、「中高生」というカテゴライズは、実はさほど意識されてないのかもしれません。その意味で、初音ミクのキャラ戦略は、そういった「大きなお友達」をターゲットにしたものであって、中高生に絞ったモノではないような。そもそも音源やらなんやらDTMは金が掛かります。フリー環境の方もいますが、それには別の能力が必要ですし、従来品より安いとはいっても初音ミクは15k円です。
そうなると、中高生のみを(初音ミク購入の)メインターゲットに、というのでは市場的に小さくなってしまいます。
ここから、初音ミクで曲を作れる人々の年齢は自然と上がっていくことになるわけで、大きなお友達或いは年齢的にはさらに上か、ジャンル的に横方向wの、バンドやってたお友達に行くか。

どこまで広がるのかは定かではないところですが、なんの偏見もなくアニメを見てたのは今の40代くらいの世代が皮切りですので、そのあたりまで市場を広げることは可能だろなと思います。おまけに、今の40代は1980〜90年代のバンドブームを経験している世代でもありますので、音楽的なものに対する親和性は高そうです。
さらにその上、50〜60代になると今度はもう一世代前のフォークやGSブームがあるわけですね。初音ミクでその時代の曲をカバーしている方が結構いますが、そういう切り口もおもしろいなと思うのです。キャラクターソングや萌えアニメ・エロゲ的な風を装ったものだけでなく。

asさん、YOさんのお考えは、キャラクター戦略の成功した部分に対する肯定としてはよく理解できますが、それだけで終わってしまうと、「継続的に話題にするネタが続かないので、扱わない」という、エントリ冒頭にある某社の結論に至ってしまうわけです。なので、いろいろな切り口で紹介していったら、そしていろいろな視点の人がいるよ、ということをアピールできたら、また扱われ方も違ってくる(変質変化するということではなくて、間口が広がる、入り口が増えるのでは、という意味で)かもしれないね、ということです。

azuki-glgazuki-glg 2008/02/15 07:50 >YOさん
「創作活動のツールとして使えるキャラクターを売る、という
ビジネスモデル」というのは、すでにJAMバンドがその路線に乗っかってますね。中身は同じでパケが違うw FL-chanとか。
このあたり、「ツールを買う層」の需要に合っていて、その創作意欲を励起するのに役立っているということで、それはそれでいいことと思います。

交江呂交江呂 2008/02/15 09:58  ボクは今42歳で、いわゆる『おっさんホイホイ』のストライクゾーンど真ん中でございますw そのおっさんの目から見ると初音界の魅力というのは『萌えキャラ』というところは置いておいて、音楽の生産側と消費側の距離がうんと近いということがあります。もちろん『初音ミク』というキャラがあってこそ初音界が成立したわけではありますが。

 おっさんからするとさすがに自分自身に『ミク萌え』ってな感情はほとんどないわけです。それでも初音界を眺め続けているのは、若い世代の『初音ミク』に対する関わり方を見ているのがおもしろいんです。初音ミク(他のVOCALOIDも含めて)というキャラクターにいろんな設定が追加され、否定され再編される。新しい設定が付加されるとすぐに別の作者がその設定を含んだ作品を出したり、PVが発表されたり。『仕事早えぇ』ってやつですねw そういうノリって今までの商業的音楽業界には見られないものですし。アマチュアっぽいというのか学生気分というのかはたまた同人的というのか。初音界の動画を見、曲を聴いている人は、ニコ動に米をあげることで、単なる視聴者ではなく参加者の一人だという気持ちになるんですよね。グルーブの中にいるというか、非常に現場に近いという気分。まあ 内輪受けでやっていると一般にはそっぽを向かれるわけですが(汗)

 そうやって初音ミクやその他のキャラクターが成長していくのに伴って、作り手側の成長も見ることが出来ます。DTM初心者が『萌え』に導かれて音楽作りを始める。叩かれたり褒められたりアドバイスされて曲のバージョンが上がる。(この一旦リリースされた作品がすぐにバージョンアップするというのも商業的音楽業界にはないことですね)何作品かあげる内には「ktkr」「wktk」などといわれるかもしれないw 挫折して尚『弱音ハク』というキャラクターを生み出したり。見ていてあきないです。実際去年の10月頃から比べると現在の『調教』レベルって驚くほど上がってますよね。

 ボクはVOCALOIDというのを『歌唱ソフト』ではなく『音楽プロデューサー体験ソフト』だと思ってるんです。ですから初音ミクのキャラクターそのものより、初音ミクを通した先にいる作者(プロデューサー・コンポーザー)を身近に感じられることが嬉しいし、その成長を見るのが楽しいです。こんな風に多少えらそうですがw育成ゲームのプレイヤーのように俯瞰的に眺めることもおっさん視聴者の一つの楽しみといえるのかもしれません。(逆に言うと、初音ミクのキャラクターをあまり固定化すると、作者の個性が出なくなるのではと憂慮してます。デP事件の時などその思いを強くしました)

 これが進んでいくと『初音ミク』という触媒なしで作者と視聴者が結びつくかもしれません。そのときに初めてVOCALOIDは特化されたキャラクターソフト(ヲタのオモチャ)ではなく、普遍的な楽器として認識されるのかもしれません。

 全体の技術が上がりキャラクターも成熟してきた。さてここから初音ミクは、VOCALOIDはどうなっていくのか、いろいろな思惑も渦巻いていそうですが、楽しみなことではあります。

asas 2008/02/16 04:00 >azuki-glgさん
 いや、そもそもあなたの「一般人が初音ミクの絵を見てオタク向けと考える」という推察自体が間違っていますのでこのエントリーで述べられている内容はほとんど意味がありません。アニメ絵を見てオタク向けと思うのはオタクだけです。日本人は子供から大人まで漫画を何の偏見もなく読みますし「一般人」はアニメは興味外ですからアニメ絵を見てもそれがオタク向けなんて思うはずがありません。
初音ミクの絵をオタクではない人が見た場合、かわいい、女性に受けそうだと思うはずです。

 また、テレビに露出しているミュージシャンやボカロの著名Pを見たらわかるとおり作曲活動に積極的にかかわれる、才能を発揮できる世代は20代前後に集中しています。若年層は経験が不足していますし20代後半以降は仕事に撲殺され趣味にかけられる時間が極端に減っていきますので若年層および中高年に積極的にアピールするうまみはほとんどありません。

 狭い客層を狙った場合市場が小さい、と考えているようですが、ニコニコ内では過去に功績を残した人物であっても次の世代では表舞台から追われ新しい人物がのし上がって来るという事実を見落としているとしか思えません。その証拠にかつての中心人物だったぼか主もワンカップPもotomania氏もデッドボールPも次の世代ではトップではありませんでした。

心配なのはご大層なCGMの出口が宙出版でも思いつきそうなアンソロジーだったり公式抱き枕売ったりうぇぶたまを企画している企画能力皆無のクリプトンが余計な介入を続けて客層を狭めてしまわないことですね。「一般向け」「一般化」「普及」という絵に描いた餅に向けて舵を切るなんて競合他社が聞いたら腹を抱えて笑うことでしょう。


>昨今のアニメ・ゲームの多くはそういった「大きなお友達」を購買力のある有望なターゲットとしています
 ここも大きく勘違いしています。「大きなお友達」向けにターゲットを絞ったタイトルはほとんど売れておらず、ヒットしたタイトルの殆どは「中高生層及び腐女子」を有望なターゲットに絞っています。
例を挙げるなら葉鍵、型月といったエロゲ、ガンダム、ハルヒといったアニメ、テイルズ、FFのようなゲーム。この辺は中高生層を最も重視しており、「大きなお友達」は寧ろ積極的に切る方向に進んでいます。
この例としてあげたタイトルはどれもアニメ絵であり萌え要素がふんだんに使われていますが中高生から積極的に支持されておりかつ「大きなお友達」からは好まれにくいタイトルとなっています。そしてとても沢山売れています。エロ同人も沢山あります。萌え要素を切ること、エロスに対するイメージを規制することで「大きなお友達を切れて一般向けになれる」と考えているならクリプトンはホームラン級の馬鹿ではないでしょうか。

>「継続的に話題にするネタが続かないので、扱わない」という、エントリ冒頭にある某社の結論に至ってしまうわけです
正直夏の終わりから今まで継続して起きているムーブメントを見てネタが続かないで終わってるような企画屋なら何をやっても無駄だと思います。

YOYO 2008/02/16 06:24 azuki-glgさんに。
創作ツールとしてのキャラクターの可能性、というのは、
例えば、もし、アイドルマスターが単なるゲームではなくて
・キャラクターに老若男女のバリエーションがある
・スピーチシンセ内蔵でかつしゃべりに抑揚がつけられる
・キャラクターの動きを自由度高く設計できる
・背景(舞台)も自由に設計できる(それなりのテンプレあり)
・ナムコが、このソフトををつかって作った映像作品の著作権は
 ユーザーにある、と公式に位置づける
だったら・・・「アイドルマスターで創作落語」「アイドル
マスターで演劇」「アイドルマスターで歌舞伎」「アイドル
マスターで狂言、能」「アイドルマスターでフィギュア
スケート」・・という風な一大創作ブームを引き起こした
のかもしれない。
この手の考察は多分もう誰かがやっているんでしょうけど。
私は初音ミクが売れたのはキャラクターがかわいいから、とは
思っていません。キャラクター性とツールとしての普遍性を
両立したところにブームの要因があると見ています。
次はどのジャンルに初音ミクのようなものが現れるのか、
と予測していくのも楽しいかなと思います。
ちなみに、JAMバンドは当初「かわいいキャラクターを
パッケージにつければそれに釣られて買ってくれる」と
メーカーが意図していた節がありますが、最近公式ページの
おまけとしてイメージキャラクターの音声素材が付きました。
初音ミクの成功の本質をAHSという会社はかぎつけたのかもと
思いました(遊び心7割以上のような雰囲気もある会社なので
真面目に考察したんじゃないような気もしますけど。)
FL-Chanは既存のキャラクタービジネスの範疇内と認識しています。

azuki-glgazuki-glg 2008/02/16 10:04 >asさん
「でもヲタのおもちゃでしょ?」
という、ヲタク産業の外にいる人への無関心に、どのように説明するかというのがこのエントリの主題なんですが、それに対するリアクションは、
1)興味のない人にアピールする必要はない
2)現在ブレイクした内容について正当性をアピール
3)興味のない人が興味を持つような糸口を探してアピール
となるのではないか、という話なんです。
「ヲタ、ヲタというな。我々の市場は十分成熟しており、それ以外に対して頭を下げる必要などないわ!」というご意見もお持ちなのかもしれませんし、90年代中後半のあのエヴァ狂乱の時代wには版元出版社の中の人だった経験も持っております(当時の同僚だった人々はハルヒやガンダムを仕掛ける側になっちゃいました(^^;))ので、言わんとするところは痛いほどにわかります。

「初音ミク」に関しては、キャラクタービジネスとして展開するのか、ツールとして展開するのかというのだけでなく、産物である楽曲をどう扱うのかなど様々な視点もあるわけで、そうしたところから切り口を考えていけないかな? とも思うところです。
キャラクタービジネスとしての「初音ミク」はすでに動き出しているところもあるでしょうし、今夏くらいに向けて二次利用した公式商品なども増えていくだろうと思われます。
で、ここで言われているのは、キャラクタービジネス以外の可能性について、そうしたヲタのオモチャ的判断をしてしまっている人達は、どのくらい考えているのか、という話なんですね。

あ、ちなみにエロス云々については以前にも書いていますので、そちらへお願いします。論点が拡散しすぎるのも何かと思いますので。

僕としては現状での僕の結論を押し付けるつもりはありませんし、いろいろな切り口や考え方を比較参照して、個々で自分にとって心地よい結論を見つけていけばよいのではと思っています。

ところで、「大きなお友達」をターゲットにというのは、この20年くらいの間ずっと意識されていることでもあります。所謂ヲタ市場がこれだけの規模拡大を続けているのは、「積極的な購買意志と購買力を持った消費者」がいるからこそであるわけですが、中高校生と大きなお友達だと、どちらのほうが金持ってるか(^^;)ということを考えると、自然と導きだされる解は見えてくるようにも思います。
「初音ミク」に昔DTMをやっていた層が回帰してきた理由としては、15kもするソフトを即断して気軽に買える人=購買力(自由にできるお金)がある大人というのも無視できない要素かも。

これは余談ですが、仮面ライダーがある時期wから「お母さんを取り込め戦略」に舵を切ったり、魔女っ子ものの企画書の段階で「大きなお友達」が関連商品の主消費者層として定義されているというのは、ちょっと今更な話だったらすみません。
今ふと、銀英伝アニメ版の企画書を初めて読んだときのショックをちょっと思い出しちゃいました。「宇宙戦艦ヤマトのファンをアニメに引き戻す」ってはっきり書いてありましたw
ニュータイプ創刊以降のアニメ産業の進んできた方向はまさに大きなお友達という購買推進力を無視しては成り立ちませんし、ゲームで言えばPSが「大人」を取り込み、DSやWiiが「これまでの非ゲームユーザー」を取り込んで拡大したように、既存市場の外にいる層を如何に開拓するか(=ブルーオーシャン戦略として)というのは、重要な考え方なのかもしれませぬ。

azuki-glgazuki-glg 2008/02/16 10:21 初音ミクの絵を見せた後、「誰にどういう感じで受けているのか?」という説明をするとき、「なんだ、やっぱりヲタのおもちゃじゃん」と第一印象で受け取られてしまうと、そこで終わってしまいます。では、どう説明する? という話が主題です。
asさんは恐らく「そんな風に考えるのはヲタ自身だけであって、一般人は萌え絵を見てもヲタとか考えない」とお考えなのだろうなと思いますし、そのお考えは了解しました。

azuki-glgazuki-glg 2008/02/16 10:39 >交江呂さん
>『歌唱ソフト』ではなく『音楽プロデューサー体験ソフト』
この考え方は非常に面白い視点と思います。ちなみに僕は「歌唱させるために、プロデューサー(コンポーザ・ユーザー)の演奏技術(ソフト操作)、楽曲作成技術を育成してしまうソフト」と受け止めていましたw そういう視点から言うなら、くまうたはその系列ソフトと言える様な気がします(^^;)
「能力の上がったプロではない楽曲作者が次々に作る(かもしれない)楽曲」というのを、どのように扱っていくかというのが、僕が興味を持っているところでもあります。

初音ミクを巡る視点論点というのは実に多くて、「ツールの使い手、使い手の拡大」、「ツールのキャラクターとしての側面(asさんがこだわっておられる点)」、「ツールによって作られた楽曲、楽曲を試聴する消費者の拡大(JASRACと衝突してる点)」というのは、それぞれ別物として考えたほうがいいのかもー、かもー、と。

ツールの使い手(楽曲作者)と視聴者(消費者)の距離が近いという面白さの部分って、それこそキャラクタービジネスをしているのではないところに、もっと認知されていったらいいのにと思ったりするんですよねー。初音ミク以外についても応用が利く概念なので。
といったわけで、いろいろと興味深い視点の提供をありがとうございました。またご教示下さい。

azuki-glgazuki-glg 2008/02/16 10:48 >YOさん
>次はどのジャンルに初音ミクのようなものが現れるのか
これについては、それは僕も興味津々なところです。

任天堂がWii/DSで成功を収めたのは、SONY(PS3)とMicrosoft(XBOX360)がレッドオーシャンにからめ取られている間に、ブルーオーシャン戦略を採ったから、という説明をされることがあります。ライバルがいないやり方、新しいことをやればそれが全て新市場の拡大に繋がるという寡占性みたいな感じ。
初音ミクも現状はそれに近いのかなとも思います。もちろん、ぼちぼち追従してきている類似ソフトはあるわけで、それらに対して同じ土俵(=キャラクタービジネス)で対抗してしまうよりは、別のビジネスモデルを展開したほうがいいんじゃないかなーとか。

頭のいい人はもう解決策も含めて考えついて、実行に移しているのでしょうけれども、初音ミクというのは人のクリエイティヴィティを刺激するソフトであるわけで、刺激されて作り出された「生産物」はツールの普及と並行して増えていくだろうな、と。ではその生産物をどのように扱っていくかという部分はまだ未発達で(カラオケ配信か着うたくらいしか)。そしてここは、個人がボランティアでどうにかできる点でもないわけで、そこを事業として「継続して収益を上げられる方法」を見つけ出すところが出てくるんじゃないかなあ、と思ったり。

そのへん、「新体制案に賛同する」のエントリで触れましたのでここではここまでで。

abcabc 2008/02/16 14:08 初音ミクを音楽的な魅力から捉えた場合、既に「歌手」、「声」としての普遍性は飽和状態になっています。
これだけ短期間で爆発的なブームになり、あらゆる作風の音楽が多数の人間によって生み出された結果
これまた短期間の内にミクの表現性の限界が見えてしまいました。
後は歌唱部分ではなく楽曲そのものでオリジナリティを出すしかなく
これにしても殆どがポップミュージックの方向にばかり高まっていくならば
早い段階で他のポップミュージックとの差異が薄れ
独自性は失われてしまうでしょうね
現在ならばまだ「人間以外が歌う」事の目新しい魅力があるから飽きられませんが
ここに馴れてしまったら後は…という事が予見できてしまいます。

azuki-glgazuki-glg 2008/02/16 15:19 >abcさん
僕などはかなり早い段階で、楽曲そのものを楽しむ方向にシフトしておりました。面白いのは曲作ってる人達の才能かなー、と。ソフトは手段のひとつに過ぎませんが、その手段が才能を世に出す後押しになってきたんだな、と。

楽曲を作る側というのも、言いたいことがあれば作る、特に何もない(そして言いたいことがないのに、作ることが義務化する)と、作れなくなるということになっていくでしょう。
クリスマス、正月、バレンタイン、卒業、春・花見、と四季や年中行事wに準えたネタ、個人的に吐露したいことがある限り、曲が作られなくなるということはないだろなと思いますし。

ちなみに、ここまでのところではポップミュージック系よりもユーロビート的なアレンジが施されているものが、より大きくブレイクする傾向があるような気がしました。バラード的なものは、注目は集めるけど6桁まではなかなか行かず、ランキングの上位にブワッと駆け上がる曲にはユーロビート系が多いような……気のせいかもしれませんが。

音楽はパクリとパロディとオマージュによって立ち、本当の意味でのオリジナリティなんか実は何処にもないのかもしれず、しかし億千万のコードと歌詞の組み合わせのどこかに、ティンとくる何かが出てきて、それがヒットになり……。

その組み合わせに飽きてしまったら、音楽そのものに飽きるかというと、だったら早い段階で音楽産業は成立しなくなってただろなとも思うのです。
そんなわけで、楽曲の独自性や平板さとかそういうのは、まああんまり心配しなくてもいいんじゃないかな、というようなことを日本酒とわPのエントリに書きました。

abcabc 2008/02/16 16:22 私が危惧しているのは楽曲ではなく、ミクの飽和の方なのです
先に書いた通りミクは限界が見えたまま作品が飽和しています。これを一人の歌手的に置き換えるなら
一人の歌手に対して短期間に何百何千の楽曲が作られ歌われている状態なのですから、必然的にその歌手に飽きてしまいます
更に楽器として限界も見えてしまっているのですから尚更これを加速させるでしょう
100人1000人の歌手がそれぞれ楽曲を作り歌唱することによりバリエーションを保つ一般の音楽界隈
一人の歌手に楽曲のみで100曲1000曲バリエーションを作るミク界隈
これを考えればやはり音楽的(歌唱的)な魅力で引っ張っていくのは難しいでしょうね
という意見なのでありました。
もちろん他の部分、歌詞やキャラ性で引っ張るという別の魅力があるのは否定しません
飽く迄私は音楽として見た場合の意見ですので。

azuki-glgazuki-glg 2008/02/16 23:01 >abcさん
なるほど。そうすると、KAITO、MEIKO、初音ミク、鏡音リン・レンときて、Vocaloid2-CV03と続くように、ボイスデータ=歌手のバリエーションを増やしていくことで、「ミクの飽和」はある程度軽減できるかもしれませんし、そうなっていくでしょうね。

もっとも、別エントリの話題ではありますが「ミクには○○○以外はさせてはいけない」的な拘束をかけると、より一層、キャラソングの飽和は早まってしまう気もします。
キャラのイメージから外れる曲は歌わせてはいけないという縛りが入ることで、イメージの飽和はさらに早まるような。
楽器であることに徹し、イメージ保護のための拘束をかけないほうが飽和は遅くなるような気もしますが、どうなんでしょう。

短期間に何千何百の件ですが、音楽の傾向に流行り廃りがあるように、ユーロビート系を歌う初音ミクに飽きが来たら演歌のリンにシフトしたり、そこからまた童謡系ミクに戻ってきたりというかたちで、「流行の核」を移動させながらも、楽曲コンテンツの提供が廃れない限りは、壊滅的飽和は来ないのでは、という気がしなくもないです。

もしそうだとするなら、鏡音リン・レンが出た時点で初音ミクは廃れているはずですし、KAITO・MEIKOという「旧作」はとうに飽和していたはずなのではないかな、と。
流行り廃りがあることは否めませんし、「どこか似た曲」が出てくることも避けられないのでしょうが、よほどの廃人wでもない限り、一朝一夕にコンプリートできるものでもないので、そのへんは心配しなくてもいいような気もします。ミクについても。

個人的には、鏡音リン・レン、KAITO、MEIKOに比べると、初音ミクは調整のしやすさの点で初心者向きであるように思えます。(実際、無調整ベタ歌唱でも、ミクならなんとかカッコが付きますが、MEIKO、KAITO、鏡音リン・レンはそうはいきませんよね)
曲を作る側にとっては、常に「初めてのミク、自分だけのミク」でしょうから、歌詞を書くモチベーションが尽きない限り、「他の数千のミクの飽和攻撃w」は考慮外でもいいような。一人で100曲1000曲作ってるコンポーザはまだ出ていませんし。

聞く側はどうかと言われたら、よほど奇特な例を覗けば数千(おそらく現在は2500〜3000以上はあるかも?)の曲を網羅している人はごく稀少な存在であって、大多数のリスナーは飽きるほど全てを網羅できてないと思いますよ(^^;)
みくみくプレイヤーに収録された164曲+最近のヒット曲を合わせて、よく知られた曲は200曲そこそこ(それでも多めに見積もってますが)ではないでしょうか。

野尻抱介野尻抱介 2008/02/16 23:54  初代VOCALOIDに較べてぐんとリアルになったVOCALOID2での最初の日本語製品がキャラつきだった――これがヒットの要因でもあり、同時に問題をややこしくしてるんでしょうね。
 新しいテクノロジーはたいていオタクの玩具で始まる。それが洗練されて一般に広まり、黎明期のオタクたちの奮戦など忘れられてしまうw。

 私がこのブームで何より驚いたのは、「素人の作った歌ってこんなに面白いのか」「歌を作りたかった人がこんなにもいたのか」「機械の声でも泣けるもんは泣ける」「歌ってコミュニケーションになるのか」ということです。
 私自身は二次元オタク属性なので、キャラクターにも愛があるんですが、改めて思えばキャラ抜きでもVOCALOIDは充分面白い。この部分は一般にも受け入れられそうな気がします。
 クリプトンもCVシリーズは3で終わりだと言ってますから、以後はキャラなし、もしくはキャラ性の弱いものになるんじゃないでしょうか。ミクリンレンの三匹を飼い慣らすだけでも充分大変なので、CV03で終わってもオタク層はそんなに反発しないと思いますし。

 一般向けのイメージとしては、親でも子でも楽しめる、ピアノ教室みたいなもの。誰かに教えてもらえて、同じ趣味の人と交流できて、ときどき発表会がセッティングされる。
 ソフトはオールインワン化すること。DAWをどうするかで悩む人が実に多いです。
 少し前にあった、主婦が台所でワープロを使っているようなイメージで、歌が作れたらいいのかもしれません。
 専用ハードでもいいかな? あるいはゲーム機に移植するとか。「歌わせてみた」と「歌ってみた」も統合して、カラオケ機能もつける。できれば歌詞つき動画も作ってくれる。
 こういう“明るい一般性”の一方で、影の部分として、作詞作曲や歌う事への羞恥心を回避するツールとしてのVOCALOIDもあると思います。おっさん世代のボカロ熱にはこれが結構あるんじゃないでしょうか。ニコ動の匿名性もこれにフィットしている。
 これは20年くらい前、ワープロを初めて手にして、自分の文章が活字になることに感動したり、大嫌いだった自分の筆跡と決別して文章を客観視できたことに通じるものがあります。
 こういう影の部分もさりげなくカバーしつつ、一般化を進めていけばいいんじゃないでしょうか。

abcabc 2008/02/17 13:59 私はエントリーに則して一般人に対してのミクのアピールの仕方という論旨から
先の内容を考えてみたつもりでして、その際に音楽的(ミクの歌唱)の面からの魅力で
訴えるのはやや難しいだろうなと至り、コメントを書いた次第です
私はどちらかと言ったらミク界隈のリスナーとしては一般人寄りだと自負しますが、ミクから受ける音楽的な魅力は徐々に薄れて来ておりまして
その理由を考えた場合、先に書いたコメントの内容によるものがあるのではないかと推察したのですね
他の方はどう思ってるのかは気になる所でした。
ミクを取り巻くコミュニティーその他によってミク界隈が同人音楽的な魅力が生まれているのは理解できるのですが
一般人にそのノリは理解しずらいところがあるのです
更にアマチュアが作っているものがほとんどですから同じポップミュージックだと(ポップミュージックとは大衆受けするメジャー路線のキャッチーな音楽の事で、ユーロビート風の歌唱曲も含まれます)
どうしても他の一般のプロの曲との落差が目立ってしまうので、
ミク曲よりも一般の曲の方に魅力を感じてしまうわけです。
ですからミク曲がポップミュージックに近づけば近づくほど、ならプロの曲を始めから聞きたい、となってしまうのです、少なくとも私がそうなのです。
インディーズや同人音楽にはメジャー路線(ポップミュージック)に無い魅力がありそこが評価されますが、やはり一般人には入りにくい領域でもあるのです。
それ故のインディーズであり同人でもあり、これらは万人を対象にはしていないからこその魅力があるわけです。

azuki-glgazuki-glg 2008/02/17 17:04 僕は、初音ミクというツールによって商業音楽ではない音楽作者が多く発掘され、その発表の機会(というより、まとまった数の定着した視聴者ですね。ここ重要)が爆発的に拡大したという点から、「初音ミクの功績」はそこにあるなと思っています。
その意味で、いずれ初音ミクである必然はなくなってかまわないとさえ思っています。と言ったらまた叱られそうですが(^^;)
初音ミクというキャラクター設定は、楽曲作者と視聴者の間を接近させる接着剤として大いに役立ちました。ボーカルという担い手を持てなかった楽曲作者にとって、「初音ミク」はその不足分を埋めるツールとして役立ったと思いますし。
が、(これはよそ様のblogのコメントでも書いたのですが)歌ってみたのボーカルさんたちと楽曲作者との距離もこれだけ接近し、コラボという形で「ミク系楽曲作者からミクを介さずに直に歌ってみた系ボーカルさんへ」という形も、僅かずつですが生まれ始めていますよね。(このあたり、タドスケP/みなみさんのマイリス参照)
全面的にそうなるということはないと思いますけど、これは「初音ミクによって醸成された、楽曲作者と視聴者の間が緊密な場」を次のフェーズが活用し始めた、と見ることも出来るかもしれません。
昨日、メルトのバンドセッション版二種が公開されましたよね。全部別々に収録されたものを混ぜた奴。そういう展開が、たった数カ月で出てくるあたりに、僕は面白さを感じていますが、これはまあ少数派でしょうね(^^;)

ところで、本日も50曲くらい美味しくいただきました。
マイリス4〜5桁の曲は安定して本当によい曲が多いなあと思う反面、マイリスは3桁もいってるのに再生は2000程度という不思議な埋没曲が定期的に出てくるところにも興味を惹かれています。ソフトウェアの一般化・メジャー化と、産物として出力される楽曲の一般化・メジャー化は、別に足並みが揃ってなくてもいいんだよね、と思いますです。
2/16公開曲で「パパパ☆パパ」など非常に気に入ってますが、きっとブレイクしないでしょうね(^^;) でも、メジャー路線には滅多にない、そういうものをついつい求めてしまいます。

ともあれ、「ツールと、それを取り巻く現象の面白さの一般化」と「ツールによって作られた産物としての楽曲のジャンルの一般化」は別々に考えてもよいように思います。

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