チリ地震による津波の可能性

1960年にチリで起きた地震の影響で太平洋を越えてきた津波は、ハワイに達したときには高さ10mあった。そして日本に到達したときには、なお6mあった。

チリ地震(1960年) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%AA%E5%9C%B0%E9%9C%87

今回、チリで起きた地震は、気象庁・遠地地震情報を見る限り、その1960年のチリ地震とほぼ同じ場所で起きた様子。

気象庁・遠地地震に関する情報
http://www.jma.go.jp/jp/quake/00000000099.html
地震関連、遠地地震関連の続報はこのページで最新情報をリロード。

気象庁情報では、2010年2月27日15時34分*1頃、チリ沖にて地震発生、とある。
ここで起きた津波が日本に到達するのに掛かる時間は、前回の1960年のチリ地震と同じであるなら、約22時間後。


Wikipediaによるウィキメディアコモンズの画像の原図はこちら。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Tsunami_travel_time_Valdivia_1960.jpg

NOAAの計算による、予想される津波の高さ

つまり、明日、2月28日の13時半頃に日本に到達する可能性がある。

予想される太平洋側各地の津波の高さ

津波というのは、普通の波のような引き波はなく、海全体の海面が上昇し、陸に向かって海が溢れてくる、といったような減少。
先のインド洋スマトラ沖地震などの津波映像で有名になったが、海が溢れて、道路や庭先など陸地の全てが「川」になる。その川の水源は海であり、溢れた水は海に排水されていかない。海が溢れるので、川の水面も上昇する。
津波でサーフィンはできません


明日は天候に関わらず、可能な限り太平洋側沿岸部からは離れておくべきだと思う。
自宅が海沿いの場合、もし可能であれば戸締まりをして、大事なものを車に積んで、大切な人を乗せて、内陸または高台にドライブに行くべきだと思う。
そして、くれぐれも「本物の津波が来るかもしれないから、生で見に行こう」「ニコ生で中継しよう」なんてことを考えるべきではないと思う。
子供の頃、うちの田舎では台風が来るたびに大波見物にきて波にさらわれて死ぬ人が結構いた。*2
防波堤があっても、完全とか絶対とかはない。
ましてや、台風の大波は押し寄せた後に引いていくが、地震後の津波は引いていかない。津=港が上昇した海面に飲み込まれるのが「津波」であり、それは港の奥にも届く。
「近所に海はない」と思っても、川が危ないケースもある。
もしも都内までそれが届いたら、多摩川隅田川、荒川など、河川を塞ぐゲートがない川の水位はそのまま上がり、ポロロッカのごとく内陸深くまで津波の影響が広まる可能性だって、ないわけじゃない。


もちろん、これらは「行きすぎた心配」で終わることがほとんどだ。
が、絶対にないとは言えない。
たぶん、99.98%くらいはない。0.02%くらいはある。
0%、と言えない以上、「まさかあり得ない」と叫ばないで済むよう、念のため備えておくべきだと思う。
対処できる余地があったのに何もしないで酷い目に遭って後悔するくらいなら、無駄足になってもいいから備えておくべきだと思う。


きっと僕の心配性と安全保障趣味の出所というのは「いつか破滅的災害が起こる」と幼少時から繰り返し刷り込まれてきた結果なんだろうな、と思う。
まあ、その性質がそのまま「もし自分に起きたらどうしよう」という、実話怪談屋向けの性質を育んでしまったのかもしれないけど。




以上、年数回の避難訓練が当たり前のように行われ、毎年9月が近付くと「今年こそ富士山が噴火する」と繰り返し言われ続けてきた土地柄出身の人間からの、過ぎた心配情報でした。


気象庁発表
http://www.jma.go.jp/jp/quake/index.html

現時点では、現地で1.2〜1.8m程度の津波が観測されているらしい。
が、津波というのは移動や地形・海底地形によって威力が増大することもある(減衰することもある)ので、まだまだなんともわからない。
仮に1m程度のまま到達したとしても、同地域からの津波としては1960年以来で最も高い津波になる可能性があるらしい。
また、1960年のチリ地震はM7.5以上の地震が、前震、本震、余震と複数回起きている。一発で終わらない可能性もある、ということで、やはり警戒はしておくべきな気がする。
無駄足・取り越し苦労で済むならそれは喜ばしいこと。

続2

CNN速報
http://twitter.com/CNN
@CNN Local police says 40 meter waves hit the Juan Fernandez island. Police helicopter on the way to confirm.

チリ沿海部のJuan Fernandez諸島で地元の警官が「40mの津波に襲われた」と証言しているらしい。ヘリを派遣して現状確認中らしいが、40mはちょっと大げさすぎだろう。

*1:日本時間

*2:そして真偽は不確かなれど、いつも「また東海大生か」と言われていた