工夫を読み解く〜パズルと怪談とパイプと本とzookと

怪談を仕事にしているわけですが。
「実話怪談とパズルには相通じるところがあって」
という話をしばしば前書き・後書きのネタにしている。

パズルを読み解く

この場合のパズルは、仕掛屋定吉ことさだきちさんのようなパズル作家が考えて考えて考え抜いた上に具現化しているようなキャストパズルの類など、「解くことを強い、戻すことを強いる」系。
なんというか、パズルの場合はそこに作者による工夫や意図があって、遊ぶ側は一生懸命「何が意図されているか」「どういう工夫がされているか」というのを手を動かしながら考える。
これが不可能物体系のパズルの場合、手で動かせるところはほとんどなく、とにかく完成品をひたすら手垢を付けながら*1、そこに至った経緯や工夫を想像して読み解く。
で、「ああ、こういう必然があったからこそ、この形になったのか!」と膝を打って喜ぶ。
パズルが解けたことそのものより、作家の意図、工夫の痕跡を読み解けることに喜びを見出す。

怪談を読み解く

怪談は工夫や意図というのとは違うんだけど、体験者自身が気付かなかったという「偶然」や、著者が意図的に伏せるなどの「工夫」によって、怪談という形に完成されたはずのものにある種の欠落がある、場合がある。
後日談がなく、怪異の原因が語られず、恐怖の体験の後始末がどう付けられたか書かれていないような類の怪談がそれで、瞬間思考停止系怪談を好む僕などは、その末席にいるのではないかと思う。
そういう怪談では、読者にいろいろ強いることが多い。
著者は正解を明示していないから、「そこに至る可能性」や「その後に起きたことについて」は、読者があれこれと想像することになる。読者の想像に委ねる部分が多すぎては作者の怠慢だしw、少なすぎては読者が自分なりの想像する楽しみを奪ってしまう。作者の意図に引き込むよう、作者の考えを強制しないようにしつつも誘導するというのは実際難しいと思うし、僕自身うまくできているかどうか自信がない。一方、作者の意図とは別の可能性、「作者も、もしくは体験者自身も気付いていないことに、読者が、自分だけが気付く」というような独自の解が導き出せたりすると、読み手に立ったときに「出し抜けた!」wという悦びを感じられたりもする。
もちろん、それが正解とは限らない。限らないからまた可能性を想像して探究したりする。
そのように、「ああかもしれない、こうかもしれない」と想像の翼を広げさせてくれるのは、恐らく僕にとっては良い怪談なのだろうと思う。個人的に「怪談は忌み物であって、怪談を評するに【良い】という形容詞はふさわしくない」とは思っているけれども、あえていうなら、「読者なりの読解が何通りにも存在しうるよう、結論がひとつだけにならないように工夫され、読み解く余地と楽しみを残した怪談」が良い怪談。
ここでも「読み解く」という楽しみをプレイヤーや読者の手に委ねているかどうかに、評価の基準や喜び、価値を求めている。

意匠性と機能性のせめぎ合いを読み解く

これはその他のあらゆる事物・事象にわたる。
家電に一工夫がされていて、その工夫にピンときたりすると、「おおー」という気持ちになる。子供向けの運動靴でも同様で瞬足の工夫*2に、「おおー」と感心したり。
工業製品、特に人間が直接手を触れて使う機械や道具の類は、意匠性と機能性*3の両立を求められるものが多く、作者の意図をあれこれ推論する楽しみがある。
しかし機能性を追求していくと、だいたい誰が作っても概ね同じ形に収束していくようで、類似形状のものが山ほど出る。
エルゴノミクス(人間工学)に即した、という触れ込みのマウスやキーボードは数知れないが、「人間の手がもっともリラックスした状態に合致したもの」というのは、それはそれでひとつの解かもしれない。
かといって意匠性を追求すると、今度は使いやすさからはどんどん逸脱していって、どこかで「これは実用的ではない」という判断が下され、本来目的からは外れた「規格外製品」になってしまう。
そこで、機能性と意匠性のどこに落としどころを見つけるのか、また既存思考、王道からどうやって逸脱して個性を主張しつつ、機能性を損なわないか、機能性を追求するためにどこまで意匠性を捨てるか、などなど、「アートデザイン」と「テクニカルデザイン」の対立というのが鎌首をもたげてくる、というか。
その中にあって、「ああ、これは意匠性の追求であって機能の追求とは無関係なんだな」とか、「ああ、これは○○○を徹底的に追求した結果この形になったんだな」といった、開発者の意図をあれこれ想像するところに、完成品を手にする消費者なりの楽しみ方というのはある。

パイプを読み解く

パイプのようにマシンメイドとハンドメイド、素材の違い、作者の違い、コンセプトの違い、製作年代の違いなどが混在しつつ、しかし「煙草葉をうまく燻す」というほぼ単一の目的を第一義として工夫が重ねられてきた半工業製品の場合、この意匠性と機能性のせめぎ合いを読み解く楽しみが非常に大きい。
吸湿性に優れたメシャム、コーン、クレイは、加工も楽だが脆い。
多少固いけど加工も楽なブライアー。
吸湿性ゼロだけど、放熱性が高く、丸洗いができ、それ以前の材料ではできなかった形状も作れるメタル。
メタルの性質を兼ね備え、加工も楽だが熱に弱い樹脂。*4
なぜその素材が選ばれたのか、どういう工夫のためにその素材が必要で、なぜそんな形をしているのか。
パイプにもそういう意匠性と機能性のせめぎ合いというのがある。


パイプは19世紀にブライヤーが登場する以前は、メシャム(石)やクレイ(粘土)が主流だったが、いずれも壊れやすかった。
それが、「そこそこ安価で彫刻も可能、機械による量産加工も可能」という素材としてブライヤー(木の根)が登場して主流になった。
それがだいたい20世紀の前半くらいの話で、20世紀の半ばくらい、工業の時代の訪れと同時にメタル(アルミニウムなど)が登場してくるのだが、メタルは一世を風靡したものの主流にはならずに、再びブライヤーが主流になっていく。
値段の問題かとも考えたのだが、調べてみるとそれほど大きな価格差があったとも思えない。どちらかというと、二次大戦を挟んだくらいの時期から、喫煙スタイルがパイプ・葉巻から、短時間喫煙が可能で安価な紙巻きタバコに移行していったことで、パイプ喫煙そのものが世界的な喫煙の主流から外れていったことが、「新たなパイプの需要」が求められなかったことの原因らしい。
結果、「昔ながらのよいもの」に価値が求められ、新興のメタルパイプの時代は来なかったというか、来たけどすぐに廃れたというか、ブライヤーには取って代われなかったというかw


ブライヤーのパイプというのは、パイプの量産の黎明期に発達したものなのだそうで、「機械で彫り出す」ことが念頭に置かれているため、それ向きの定番のデザインというのがいろいろある。
できるだけ軽く、しかし手で持ったときに熱くなく*5、それでいて各社ともに個性を発揮しなければならない。
第一目的は「おいしく煙草を吸える」で、
第二目的は「使いやすい(機能性)」、
第三目的は「見た目が個性的(意匠性)」。
場合によっては、第二と第三目的は入れ替わることもあるが、第一目的を目指して機能を追求した結果、見た目が個性的になる、というケースもある。
「機能性と意匠性の両立」を目指した結果、細部の違いは別にすればブライヤーパイプというのはある意味「目指すところを目指し、極めるところを極めると、だいたい同じような形になる」というところに落ち着いた。
タバコを詰めて燃やすボウルがあって、ボウルと一体化したシャンク(ボウルの底から側面に張りだした出っ張り)があって、口にくわえるマウスピース(シャンクに差し込んである吸い口)がある、といった具合。
後は目に煙が染みない形であったり、タバコを燃やしたときの副産物であるジュース*6の対応方法であったり、長く吸えるようにボウルを大きくするであったり、煙がよく冷えるようにシャンクを長くしたり*7
そういう工夫と意匠性の両立を目指してブライヤーパイプはいろいろ工夫が凝らされた。
そこに20世紀中盤の「大量生産の時代」「機械の時代*8」というのが訪れた。
アルミ鋳造や旋盤、板金技術の登場と普及、そうした金属加工の応用によって、ある種行き詰まっていた「工夫」に新たな風が吹き込まれた……というのが、1940〜60年代くらいの話らしい。
先だってこっそりeBayで買ったパイプというのは、まさにその機械の時代のど真ん中に一世を風靡したもので、いろいろと工夫が凝らされている。
僕にしてみれば、喫煙用の道具というだけでなく、「なぜその形にしたか」「どういう工夫を凝らそうとしたか」という部分を読み解くことのほうにおもしろさを感じる。つまりはパズルや怪談とそのへんが相通じるわけでw
たかが、火を付けてタバコ燃やすだけの道具なのに、なんでこうもいろいろな工夫が重ねられてきたのかな、ということを想像するのが、こうした半端にw古いパイプを眺める上での楽しみではないかと思う。


100年越しの古いパイプは「渡り歩いてきた歴代の使用者の歴史」を楽しむものらしい。
50年くらい前のダンヒルを漁る人達は「古き良き時代」の職人技を希求しているらしい。*9
200年越しともなると実用にはほとんど耐えないが、アンティークとしての価値が見出されるらしい。*10
40〜20年ほど前から現代に至るパイプの場合、伝説の作家の作品とか、そういう意匠性に重点が置かれたものが尊ばれる傾向が強いらしい。
メタルパイプは「半端に昔」「あくまで工業製品」「言われているほど量産されてない」「名だたる職人の作ではない*11」「工夫が過ぎてスモーカーの技術を問わない姿勢が気に入らないw」などなどもあって、あまり高く評価はされない鬼子であるらしい。
のだが、活発な工夫や、新奇性、機能性が意匠性を振り回したり、意匠性が時に空回りしたりなどなど、一番元気だった頃のアメリカのエッセンスと、そして何より「開発者の工夫の意図を読み解く余地」があることに楽しさが見いだせる。
あれこれ悩んでこの形になった、という苦悩の痕跡が結晶化したものを、これまた手で触れて咥えて火を付けて感心してみる、という感じ。

まだ続いてるパイプの進化

ちなみに「パイプ」の進化は1960年代くらいで途絶えてしまったのかというと案外そうでもないらしい。
従来型のパイプと異なり、可搬性に重点を置いてみたり*12、とかく長くなりがちなパイプの喫煙時間を紙巻き煙草なみに短縮するために*13ボウルを小さくしてみたり、冷却性とメンテナンスをさらに容易にしてみたり。
通常のパイプはメンテナンスにモールが欠かせないが、分解可能な最近のメタルパイプの中には、ティッシュでメンテできるもの、それどころか水に漬けて丸洗いができるものすらある。ブライヤーパイプにはできない選択肢で、これはこれで進化だと思う。


世界的には喫煙人口は減っている*14。だから、どちらかと言えば、喫煙、ましてや紙巻きに取って代わられた後のパイプ喫煙というのは、もはやダメ押しをしなくても消え去るくらいの斜陽の趣味なのだろうと思う。
が、それでも「工夫をやめない開発者」がいるあたりにおもしろみを感じる。

需要が完全になくならない限り工夫は続く

いつだったか、ものすごくマニアックな端末を取材したことがあった。
パソコンに繋いで使う、いわゆるフライトシミュレーションゲームの専用コンソールの類なのだが、とにかくでかい。その上、高い。
設置するのに頑丈な鉄筋の部屋が必要なのだとかで、購入者にはまず「鉄筋コンクリート製のマンションの一室を用意できるかどうか」を訊ね、その上で一台で100万近い値段の製品を納入しているのだそう。
あくまで、「パソコン用フライトシミュレーターの端末コンソール」に過ぎないのにこの値段。
スゲー、と驚いて、次に「これで商売になるんですか?」と思わずそこの社長に訊いてみたところ、こんな返答を貰った。
「3人ほしがる人がいれば、ペイできる価格設定にするんですよ。そしてそれがどんなものでも、欲しがる人は3人はいます。そうすると4人目からは収益が上がります」
これは目から鱗が落ちた。

僕は本を作る商売をしているから、どうしても万単位以上の市場が必要、という認識を捨てられない。特に文庫本、さらにコミックや雑誌などになれば、もっと大人数の市場を想定するし、あまりにキャパが小さいと商売が立ちゆかないので撤退する。
もちろん、4桁程度の市場規模しかなくても、リピーターが確実に買ってくれるという手堅い市場はある。新刊文芸書がハードカバーで数千円もする、数カ月か半年待てば文庫に落ちるとしても、それでもハードカバーで買う、という人が数千人確保できていれば、あの値段、あの部数でもハードカバーの文芸書はペイできる。*15

が、その社長が言うような高額製品の場合はというか、「値段に糸目は付けない。そういうのがあるなら是非欲しい!」という人が3人いれば、最初の3人で開発費がペイできる、という考え方というのはあるらしい。
もちろん、開発費を回収するための人数が多ければ多いほど、安い値段で提供できるようになるのは確かだが、「競合する相手はほとんどいないが、それをほしがっている人の渇望が強いもの」であれば、それなりの値段でもなんとかなる、そしてその最少人数は3人なのだ、というのは、いろいろ感心した。


恐らくMachine Ageの時代に濫造されたwバカっぽい*16パイプの多くは、そういう最少人数3人という訴求に応じて作られたものでもあるのだろうなあ、とか。*17
そして、需要が激減している今でも「こういうのがあったら是非欲しい」という人がいれば、工夫はなくならないんだろうなー、とか。

クラスタ化する可処分資産

この「最小催行人数3人」みたいなのってのはヒントになる。
需要の激減というのは、今多くの娯楽産業、それ以外の産業全般に言えることではあるんだけど、景気が悪いから需要が減少というだけでなく、嗜好の細分化によってひとつの単一市場が大きくなるということが減り、特定の分野に不特定多数の人が集中し、集中し続ける、ということが減った。
つまり、最少催行人数は常に少ないのが当たり前、という状態がこれから常態化してくる。同じ物を10万人が買ってくれるのが当たり前だった時代というのはもう終わっていて、1000人が買ってくれるものを100通り、100人がほしがるものを1000通り用意できなければ立ちゆかない、という。
書籍や音楽など、「同一のものを複製量産して配布する」ということで利益を上げる商売なんかは、今まで通りのつもりでいたら、結構手痛いことになる。クラスタ化した可処分資産*18を取り合う競争にあって、遅れを取っているのではないかとも思う。


工夫を読み解く話からは大きく逸脱したが、そういう「工夫」を売りにしたときに、ペイできる最小人数を如何に小さく見積もるか、というのが今後の産業全般に求められることなのかもしれんなー、とかガジェット全般を見渡して思うのだった。





SMOKING METAL TOBACCO PIPE COLLECTORS & FANATICS(英文)
http://www.smokingmetal.co.uk/

メタルパイプと言われる喫煙具が、いったいどんな物なのかについて興味を持たれた方は、こちらのサイトなどをどうぞ。*19

このサイトで紹介されているメタルパイプ、或いはシステムパイプと言われるもののうち、特に気に入っている*20のは次のもの。

IRVING WIZARD
http://www.smokingmetal.co.uk/pipe.php?page=278

BEACHTEL
http://www.smokingmetal.co.uk/pipe.php?page=281

ZZ
http://www.smokingmetal.co.uk/pipe.php?page=298



ところで、ホンダの絶版スクーター「zook」は、タイヤの溝が足跡*21の形になっている。はっきり言って、この形である機能的必然はまったくなくw、意匠性が機能性を兼ねた希有な例であると思う。
タイヤが小さくて直線安定性が不安定だとか、シートが小さくて尻が痛いとか、タンクが小さく*22て頻繁な給油が必要だとか*23、どちらかというとデメリットばかりのzookだが、あの「足跡タイヤ」だけで存在価値があると思う。絶版して久しくもう手に入らない部品もあったりする。あのタイヤはいつまで生産しているのか、在庫が残っているのか。
ジャイロUPと合わせて50ccを2台ってのは無駄な気もするけど、zookはこの先も手放す気がない僕の宝物です。

*1:或いは写真で見ながら

*2:これはガイアの夜明けだったかルビコンの決断だったかで見たw

*3:操作性・運用性

*4:ブライロンとか。耐熱性は高いけど熱くなりすぎて持てないとか。

*5:タバコの火種の温度は800度くらい

*6:ものが燃えるとH2Oが出る&パイプタバコは湿度があるので、そこから燻された水分がボウルの底に溜まるが、これをジュースと言います

*7:チャーチワーデンなどがその代表格。煙は高温の水蒸気(ジュースの元)を含んでいて口の中を火傷したりする原因になるので、いかに水蒸気を取り除いて煙の温度を下げるか、という工夫がいろいろ求められた

*8:Machine Age

*9:ダンヒルなどの高級品は、エステートでなくても数万とか数十万もするらしい。

*10:この時代のクレイパイプは足が付いているものが多いのだが、パイプレスト(パイプを置く台)が未発達だったかららしい。また、クレイパイプは吸い口がチャーチワーデン(スナフキンのパイプw)よりさらに長いものが多かったそうで、来客のたびに客に奨め、その都度吸い口を折った(マナーとして)らしいのだが、本当かどうかはわからない。折れやすかったことは間違いないようで、現存している古いクレイパイプはとにかく短い。

*11:意匠性について希少的価値が低く、ワンオフでもないのでますます価値が低い

*12:折りたたみ式とか、小型化とか。小型はともかく、折りたたみ式パイプというのは、まっとうなパイプでは一種類くらいしか思いつかない。普通のパイプはだいたい12〜17cmくらいの、持ち歩くにはかさばる大きさが主流だが、10cm以下にしにくいのは、ひとつには「煙い」から。もうひとつには、ボウルとマウスピースの距離が短すぎると、煙が冷えないから。これは素材の問題もあって、メタルパイプは距離が短くても煙が冷えるという利点があり、加工の余地もあるのだが、材質加工に技術が必要になるのと、定番を外れすぎる意匠になると市場が確保できないなどなど、いろいろあるらしい。

*13:標準的なパイプ喫煙は一度に3gの煙草を60〜120分掛けて吸う。紙巻き煙草は1本1gで3〜5分、長くても10分

*14:主に先進国の話で、中国・インド・アフリカ・南米などでは減っていない。むしろ中国などでは生産量も増えている。喫煙年齢が下がるなどの問題も横行しているが、それはまた別の機会に譲る

*15:案外利益率がいいものらしいが、実際あまり発行されない。売れそうにない分野の本がソフトカバー×1000円だったりするのもそういう理由で、逆にその価格設定なのにブレイクしちゃったりすると重版分からは全部儲けになる。が、そうなるのは極稀

*16:機能性と意匠性が衝突

*17:アメリカにおけるMachine Ageというのは同時に大量生産の時代でもあってw、恐らく「これは売れるに違いない!」と鼻息荒く大量生産された、そして大量生産するためにメタルパイプは開発されたのではないかと思う。だが、パイプ喫煙の需要はそれほど広がらず、またメタルパイプの多くは袋小路的な進化に向かったこともあってか、生産期間はたった数年間しかないようなものも少なくない。というかほとんどがそう。このためメタルパイプは残存しているものも多くなく、稀少な価値がある……はずなのだが、オークションでも大した値段が付かないので僕などでも手に入りやすかったりはする。好事家にしか価値が見出されないものは、市場価格も高くならない(^^;)

*18:これは可処分時間についても同様

*19:僕が最近手に入れた2本のメタルパイプのうちの1本は、このサイトのトップページの一番下に載っているものと同じもの

*20:でも絶版なので手に入りません

*21:靴の裏

*22:1.8Lくらいだったかな

*23:だいたい70kmくらいで力尽きる