2011-03-19
線量限度について。
武田邦彦教授のブログ(http://takedanet.com/)に記載されている3月18日の記事が気になったので、批判を行いたいと思いましたが… 資料を読み解くことすら出来なくて断念しました\(^o^)/
そこで、とりあえず「線量限度」について、理解できた範囲をまとめようと思います。どなたかの助けになれば幸いです。
「線量限度について」
上記の武田教授のブログでは、「一般人が被曝しても大丈夫と考えられる放射線量(=1ミリシーベルト)」という概念が紹介されています。テレビなどでもご覧になった方も多いのではないでしょうか。これは、International Commission on Radiological Protection:ICRP(国際放射線防護委員会)という機関による「線量限度」という概念に基づいて、法令で指定されたものです。ただ、正確には、「この程度ならば被曝しても健康的に大丈夫」という量ではなく、「政府のような主体が、放射線を出す行為をする上で、許される人々の被曝量」のことです。
言い替えると、「原子力利用するにしても、この値以上国民が被曝しちゃ駄目よ」という量です。
このような概念が生まれたのは、そもそも「被曝しても大丈夫」という量は存在しないからです。つまり、ごくごく微量被曝しただけでも、ガンや白血病の発症確率は上昇します。しかし一方で、原子力利用によるメリットも大きなものです。そこで、原子力利用のメリットが何とかデメリットを上回る「許容可能」な人々の被曝量を、ICRPが「線量限度」として提示しました。(注1)
では、具体的にはICRPは、どの程度のリスクを「許容可能」としているのでしょうか。確認してみると、「継続的に被曝し続けた場合に死亡率が生涯を通して0.01%を越えないレベル」となっています。(ソース)(注2)
つまり、1ミリシーベルト以上の放射線を生涯を通して浴びると、放射線による死亡のリスクが0.001%を超過する、ということになります。具体的な推移については、こちらの表(リンク)を見て頂ければと思います。
この確率を高いと見るか、低いと見るかは、人それぞれでしょう。ですが、少なくとも年間1ミリシーベルト以上を被曝しても、すぐに障害がでる、ということではないということはお分かり頂けると思います。
この他にも、ICRPは「死亡による時間損失」「平均余命の損失」「死亡確率の発現年齢分布」などのデメリットを、原子力利用の弊害と認識しています。その上で、そうしたデメリットを原子力利用のメリットが上回るといえるのは、一般人の年間放射線被曝量が、1ミリシーベルトに収まる範囲でだと結論しています。言い替えると、「一般人が1ミリシーベルト以上継続して被曝するようじゃ、デメリットの方が大き過ぎるだろjk」ということになります。
まぁ、だから、その、あれです。
1ミリシーベルト以上の被曝は確かにリスクを増しますが、すぐに影響がでるレベルじゃないですよ!大丈夫ですよ!
以下、参照した資料について列挙します。
各年齢、年線量毎の年齢別死亡率(100万人あたり)に関する1977年勧告と1990年勧告の比較
(注1)正確に言うと、被曝による被害は「確率的影響」と「非確率的影響」の二つがあります。前者は極微量の被曝でもリスクがあるのに対して、後者は一定の値を越えないと全く被害がありません。wikiや以下の図(http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09040105/01.gif)をご参照下さい。尚、ICRPの基準(1ミリシーベルト)では、非確率的影響はもちろん発生しません。問題とされているのは「確率的影響」の方です。
(注2)最も大事なところなのに恐縮ですが、これに関しては正直自信がないです。表からはそう見えたのですが… 以下にそう考えた根拠があるので、お分かりになる方がいらっしゃったら教えて頂ければ幸いです。http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-04-01-08 http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09040108/03.gif http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09040108/05.gif 尚、原発作業者の場合は明確に0.001(=10^-3)と定められているようです。