BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ8

 射士郎と玄蕃により明かされた、ブンブンジャー結成の目的。それは全宇宙で開催される車のレース、ビッグバングランプリ(BBG)での優勝という大也の夢のためだった。そのことを大也から聞かされていなかった未来と錠は不満を覚えるが、ハシリヤンが現れたとの報に出撃を余儀なくされることに。しかしそれは、大也との決着をつけようとするマッドレックスによって仕組まれた罠だった…。

 

 ハシリヤンがやってくる前からブンブンジャーは存在していたので、本来ブンブンジャーはヒーロー活動以外の目的で結成されたのだろうな、とは思っていましたが、意外な目的が明らかにされましたね。ゴーゴーファイブボウケンジャーのように悪の組織との戦いが主要目的ではない戦隊はこれまでにもありましたけど、レースでの優勝という個人的な夢のために結成された戦隊というのはなかなか新鮮です。まぁ、届け屋という仕事に惹かれて入った未来と、警察官としてもヒーローとしても人を守るという錠がそれに戸惑うのは当然で、なぜ大也はもっと早くそれを言わなかったのか。彼のように言葉よりも行動で引っ張るタイプのレッドは爆発的な牽引力がありますけど、言葉で言わなきゃならないところを言わないとピンチを招きかねないのもまた、こういうタイプのレッドにはありがちですね。

 

 大也を除くメンバーが檻に閉じ込められ(罠を仕掛けたデコトラーデとイターシャまで一緒に閉じ込められたのには笑いましたが)、大也とマッドレックスの一騎打ちに。激闘の末対決は大也が制したものの、マッドレックスはヤルカーが集めていたギャーソリンを吸収して巨大化し勝負は第2ラウンドへ。ブンブンカーを駆使してマッドレックスと戦うブンブンジャーロボでしたが、激闘の中で次々にメンバーが外に放り出され、ついに大也一人が操縦して戦うことに。新形態・ブンブンジャーロボパンチャーで壮絶なクロスカウンターを打ち合った結果、結局勝負は引き分けに。満身創痍で戻ってきた大也にすぐに肩を貸す射士郎と玄蕃に対して、なぜ彼がここまで無茶ができるのか理解できずにやるせない感情をぶつける未来と錠という、大也を深く知っているであろう2人とまだ彼の心の奥底にあるものを知らない2人の対比の構図がまたいいですね。まだ1クール目も終わっていないというのに、ブンブンジャーというチームが次なるステージに進めるかどうかを試されるようなピンチが訪れましたが、果たして…。

仮面ライダーガッチャード 第32話感想

 マルガムを倒して新たなケミーをガッチャした宝太郎達。そこへクロトーが単身襲撃をかけてくるが、さらにそこへカッシーンの軍団が乱入。そして何者かによって、彼らは異空間に閉じ込められてしまうことに…。

 

 少し前からおもちゃのCMも始まり、番組開始前のジャンクションにも姿を現した仮面ライダーレジェンドがいよいよ本編に登場することに。まぁ、いきなりレジェンドの世界が出てきたのにはさすがに面喰らいましたけど。あと、冒頭で宝太郎たちが戦ってたマルガム、倒されても取りつかれてた奴がそのまま起き上がって襲いかかってきたのには笑いました。普通倒されたらそのまま気絶するだろ。なんで無駄に元気なんだよこの世界の悪人たち。

 

 一方、錬金アカデミーではラケシスによって冥黒の三姉妹がグリオンに作り出されたホムンクルスであることが明らかに。まぁそうだろうなとは思ってましたけど、こともなげに「人間になっちゃえば?」と言う鏡花さん…ホムンクルスを人間に変えるって、ハガレンでもやったことのないとんでもない試みだぞ…。

 

 異空間ではなりゆきから宝太郎とクロトーが共闘することに。こういう展開は何度見てもいいですね。あと宝太郎、人をほめるのがナチュラルに上手いですね。しばらく出番のなかったゴルドメカニッカーやクロスユーフォーエックスを見られたのもよかったです。出口がないなら作ればいい、という宝太郎らしい掟破りの発想で敵諸共迷宮の壁を破壊して脱出した宝太郎とクロトーでしたが、その前にアトロポスが冥黒の王と呼ぶギギストが出現。邪悪な力でクロトーをとんでもない姿に変貌させ去っていきましたが、その一方で別の並行世界からは新たな敵の襲来が…。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ7

 ブンブンが恋をした!?と思いきや、どうやら独特なデザインのゆるキャラに心惹かれたらしく、そのイベントにブンブンを連れていく未来と錠。一方、玄蕃のもとを訪れてブンブンチェンジアックスを渡し、ブンブンジャーへ勧誘する大也と射士郎。その場はそれを断った玄蕃だったが…。

 

 ついに玄蕃がブンオレンジとなり、ブンブンジャーが5人揃うことに。こういう大事なイベントを惜しむことなくさっさと供給してくれるこの作品のスピード感、さすがはクルマ戦隊といったところでしょうか。何度も「お困りのようだねぇ」のタイミングを見失ってたのには笑いましたが、これまでの届け物の時も我々の見てないところであんな風に登場のタイミングを見計らってたんでしょうかね。三度目の正直でようやくかっこいい登場と相成りましたが、他の4人にとっては知らぬが仏というべきか。

仮面ライダーガッチャード 第31話感想

 ロミジュリ編、続き。前から思ってましたけど、アトロポスが関わると精神の浮き沈みが激しくなってマジェードに変身した時の強さまで変動しますね、りんねは。今回もアトロポスのしかけてきた精神的なゆさぶりを克服してまた強くなった感じですが、自らを仮死状態にしてガッチャードの必殺技を受けて死んだふりをしたって、初見ではなにをやったのかよくわからなかったというか、なんでもありというか…時々バトルの理屈がキン肉マンレベルになるときがありますね、この作品。

 

 学生たちが甘酸っぱい青春を演じている一方、見てて面白かったのがスパナとラケシスですね。先行してクラーケンマルガムと戦ったスパナが闇の中に沈められて、そのあとなんやかんやで八方丸く収まり舞台が成功したあとも宝太郎たちには完全に忘れられてたっぽいのが既に面白いのですが、どうやら無事だったらしく錬金アカデミーに戻ってたら、なんと量産型ヴァルバラッシャーを手にしたラケシスが。なんらかの脅威の到来が近いことを察したミナト先生と鏡花さんが彼女を戦力にするという思惑で渡したのですが…別に改心したとかそういうのでここにいるわけじゃないですよね、ラケシス。単に金ぴか野郎についていけなくなったのと、鏡花さんがよくしてくれるおかげでスパナを煽りやすいという美味しいポジションが手に入ったからこっち側にいるだけみたいに見えるんですが、だいぶ面白いですね、今のラケシスの立ち位置。スパナもまた昔みたいな噛ませ犬ポジションがぶり返してきてるので、うかうかしてるとほんとにラケシスにお株を奪われてしまうぞ。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ6

 非番の日の錠をなぜか尾行する射士郎(と未来)。情報屋のサガか、「真面目過ぎるほど真面目な警察屋」というのが信じられず、裏の顔を暴いてみせるつもりらしい。しかしその頃、宇宙から新たな脅威が地球へとやってきていた…。

 

 以前から声だけでは登場していたサンシーターの上役であるハシリヤン斬込隊長・マッドレックスが、一向にギャーソリンが集まらないのにしびれを切らしてついに自ら地球へ乗り込んできました。それを流れ星と勘違いしたサンシーターが「ギャーソリンががっぽり手に入りますように」とお願いしたら「その願い、自分でなんとかしやがれ!」と突っ込んできたのには笑いました。そりゃそんな他力本願な姿勢じゃ上司にも怒られますって…。そのあと、地球の文化に詳しくないため女性用トイレに入ろうとするマッドレックスを慌てて止めるサンシーターにも笑いました。悪の組織なのにものすごく地球のルールわかってるじゃねえかお前ら。

 

 さて、そんなマッドレックスも変なものを怪人にしたがるセンスはサンシーターと同じなようで、トイレの便器からトイレグルマーが誕生。しかもその能力は、人に水を浴びせて建前でできた表の顔を洗い流し本音しか言えなくさせるという斜め上のもの。トイレグルマーによって本音しか言えなくなった人たちが喧嘩を始める中、大也がマッドレックスに勝負を挑まれたことで彼抜きでトイレグルマーと戦うことになったブンブンジャー。射士郎はトイレグルマーの能力を利用すれば錠の本当の顔を暴けるのでは?と不埒なことを考えましたが、果たして水を浴びてしまった錠はと言えば…何も変わりませんでした。そう、歴代スーパー戦隊の現職警官または元警官と同じく、彼もまた裏表などない正真正銘のお巡りさんだったのです。一方今度は自身も水を浴びてしまい、途端に号泣しながら錠に疑ったことを謝り始める射士郎。木乃伊取りが木乃伊になるじゃありませんが、逆に本当の顔は熱血野郎であることを暴かれてしまうとは、悪いことはできませんねえ…。この手のクール系ブルーはいずれ格好のおもちゃになるとは思ってましたが、思ってたより早かったな…。

 

 一方、マッドレックスとの一騎打ちでピンチに陥っていた大也ですが、必殺技を喰らいそうになったところで玄蕃が渡してきたマンホールを盾にそれを防ぐことに成功。東映はマンホールのことをキャプテン・アメリカの盾か何かだと思ってるんですかね。そして出てもいないのに当然のようにXのトレンドに上がってしまう釈由美子さんの名前。もうジオウからずいぶん経ってるのに、井上敏樹め、本当に罪深いことをしてくれた…。足にくっついている謎の犬の散歩の時間というトンチキな理由で勝負を水入りにして立ち去るマッドレックスでしたが、去り際に名前を尋ねたのに対してブンレッドがいつも通りの名乗りで返してしまったので、名前を「ブーンレッド」と間違えて覚えてしまった模様。公式によれば、ドクトルGの「仮面ラーイダV3」のオマージュらしいのですが。戦いが終わった後、射士郎がへこんでる一方で「俺も大変だったんだけど…」と一人苦笑いする大也が、一見完璧人間な彼にも愚痴をもらしたくなる時もあるという人間らしい一面が感じられてよかったですね。

仮面ライダーガッチャード 第30話感想

 新学期が訪れ、3年生へと進級した宝太郎達。そこへ宝太郎の幼馴染・静奈が転入生としてやってくる。予期せぬ幼馴染の登場にりんねの心がざわつく中、さらに廃部の危機に瀕した演劇部を救うためのロミオとジュリエット上演で誰がジュリエット役を演じるかまで絡んできて…。

 

 今回は本題に入る前に、各部による新入部員勧誘のシーンで唐突に出てきて漫才を披露した2人に触れないわけにはいけませんね。いやほんと、なにを何の前触れもなしにいきなり出てきやがる、雉野とソノザ。ただでさえドンブラは腹筋に悪いというのに。物語的にもいよいよ本格的に新章に入るっていうタイミングで、主役を食いかねない奴らを出すんじゃありませんて。

 

 で、物語の本題ですが…いよいよガッチャードにも来るべきものが来たか、という感じですね。本作のメインライターの長谷川圭一氏のここ最近の代表作と言えば、グリッドマンを原作としたSSSS.GRIDMANとSSSS.DYNAZENONであり、どちらも怪獣との戦いの一方で高校生の男女による見ててムズムズしてくるような甘酸っぱい恋模様が描かれていたので、同じく主人公が高校生であるガッチャードでも当然そういった展開はあるだろうと予想はしつつもなんだかんだで2クール経ってしまったわけですが、ここへきて宝太郎の幼馴染投入により彼に対するりんねの感情を自覚せざるを得なくするというこれ見よがしな手に打って出てきたということは、いよいよ本腰上げてここに取り組んできたなという感じがしましたね。実際りんねはもともとは明るい性格だったけど幼い頃の出来事のせいで曇っていた、という点ではSSSS.DYNAZENONの夢芽と似たところがあるので、宝太郎への感情を自覚してそのうえで弾けたら、夢芽みたいな恋愛怪獣浮かれポンチになりそうな気がしないでもない…。

 

 そんな恋愛模様の一方で、結局鏡花さんの助手に収まったラケシスと、彼女を連れ戻しに来たクロトーのシーンもなかなか面白かったですね。こっちはこっちで、スパナとラケシスがどんな関係になっていくかが楽しみですが。しかしクロトーよ、産みの親であり上司でもある男が、世界を金ピカに染め上げるのが夢なんていう壊滅的な美意識の持ち主だったら、ラケシスでなくとも愛想尽かして出ていきたくもなるでしょうよ。お前ももっと素直になっていいんだぞ…。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ5

 ブンブンジャーとISAの間を取り持つ連絡係としての役割を拝命した錠。しかし彼はそれにとどまらず自分もブンブンジャーに入れてくださいと言い出すが、なぜか大也はそれは無理だと一蹴する。そして落ち込んだ錠が街を歩いていると、ハシリヤンが生み出した苦魔獣ダーツグルマーが人々を襲っているところを目撃し…。

 

 前回TVカメラの前で存在をアピールしたにもかかわらず、マスコミの取材が来ないことにブー垂れるイターシャ。そりゃそうだろう、としか言えませんが、うっぷん晴らしにその場にあったダーツマシンを使って生み出したダーツグルマーにギャーソリン集めをさせることに。ダーツの怪人だから当然ダーツを投げて攻撃すると思いきや、道行く人を捕まえて無理矢理ダーツをやらせ、外した者に罰ゲームを与えてギャーソリンを発生させる、という斜め上のやり口。しかもその罰ゲームも足つぼマッサージとかバラエティ番組でよく見るレベルのもので、そんなんでギャーソリンが生み出せるんなら水曜日のダウンタウンのスタッフにでもなった方が早くないかお前ら。

 

 錠の連絡によって駆けつけたブンブンジャーも、ダーツグルマーのわかりやすい挑発に乗ってダーツをやらされ、金ダライ、パイ投げ、ビリビリ椅子(これだけバラエティと言うより本物の電気椅子でしたが)と、これまたバラエティ番組みたいな攻撃を受けて大ピンチに。こんなかたちでピンチに陥るあたり、間違いなくカーレンやゴーオンのようなクルマ戦隊のトンチキなノリを受け継いでますが、ここで錠がボロボロになりながらもダーツグルマーに立ち向かい、「警察官の使命は人々を守ること! だからブンブンジャーも俺が守る!」と宣言。それを見た大也は調達屋に届けさせた新アイテム、ブンブンチェンジアックスを彼に託し、「今の君なら使える!」と認められた錠はブンブラックに変身。宣言通りブンブンジャーを守って戦いつつ、ブンブンジャーと力を合わせダーツグルマーを撃破するのでした。「英雄はなろうと思ったらその時点でアウト」とは、かつてとある弁護士が言った有名すぎるヒーロー論ですが、「かっこよく人々を守りたい」というだけではダメで、ボロボロになりながらも「憧れだけではヒーローにはなれない」ことを悟って命がけで守ることを選んだ時に初めてヒーローになれるというのは、王道ですがいいですねえ。ブンブンジャーのメンバーでありながらも、あくまで一般人であるメンバーを守る警察官でもある、その使命感に溢れるが故の「警察屋」という呼び方もまたよし。軍平さんみたいな愉快なお巡りさんの遺伝子だけでなく、朝加圭一郎の遺伝子までばっちり受け継いでいて、戦隊のお巡りさんの鑑じゃないですか錠。