BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ6

 非番の日の錠をなぜか尾行する射士郎(と未来)。情報屋のサガか、「真面目過ぎるほど真面目な警察屋」というのが信じられず、裏の顔を暴いてみせるつもりらしい。しかしその頃、宇宙から新たな脅威が地球へとやってきていた…。

 

 以前から声だけでは登場していたサンシーターの上役であるハシリヤン斬込隊長・マッドレックスが、一向にギャーソリンが集まらないのにしびれを切らしてついに自ら地球へ乗り込んできました。それを流れ星と勘違いしたサンシーターが「ギャーソリンががっぽり手に入りますように」とお願いしたら「その願い、自分でなんとかしやがれ!」と突っ込んできたのには笑いました。そりゃそんな他力本願な姿勢じゃ上司にも怒られますって…。そのあと、地球の文化に詳しくないため女性用トイレに入ろうとするマッドレックスを慌てて止めるサンシーターにも笑いました。悪の組織なのにものすごく地球のルールわかってるじゃねえかお前ら。

 

 さて、そんなマッドレックスも変なものを怪人にしたがるセンスはサンシーターと同じなようで、トイレの便器からトイレグルマーが誕生。しかもその能力は、人に水を浴びせて建前でできた表の顔を洗い流し本音しか言えなくさせるという斜め上のもの。トイレグルマーによって本音しか言えなくなった人たちが喧嘩を始める中、大也がマッドレックスに勝負を挑まれたことで彼抜きでトイレグルマーと戦うことになったブンブンジャー。射士郎はトイレグルマーの能力を利用すれば錠の本当の顔を暴けるのでは?と不埒なことを考えましたが、果たして水を浴びてしまった錠はと言えば…何も変わりませんでした。そう、歴代スーパー戦隊の現職警官または元警官と同じく、彼もまた裏表などない正真正銘のお巡りさんだったのです。一方今度は自身も水を浴びてしまい、途端に号泣しながら錠に疑ったことを謝り始める射士郎。木乃伊取りが木乃伊になるじゃありませんが、逆に本当の顔は熱血野郎であることを暴かれてしまうとは、悪いことはできませんねえ…。この手のクール系ブルーはいずれ格好のおもちゃになるとは思ってましたが、思ってたより早かったな…。

 

 一方、マッドレックスとの一騎打ちでピンチに陥っていた大也ですが、必殺技を喰らいそうになったところで玄蕃が渡してきたマンホールを盾にそれを防ぐことに成功。東映はマンホールのことをキャプテン・アメリカの盾か何かだと思ってるんですかね。そして出てもいないのに当然のようにXのトレンドに上がってしまう釈由美子さんの名前。もうジオウからずいぶん経ってるのに、井上敏樹め、本当に罪深いことをしてくれた…。足にくっついている謎の犬の散歩の時間というトンチキな理由で勝負を水入りにして立ち去るマッドレックスでしたが、去り際に名前を尋ねたのに対してブンレッドがいつも通りの名乗りで返してしまったので、名前を「ブーンレッド」と間違えて覚えてしまった模様。公式によれば、ドクトルGの「仮面ラーイダV3」のオマージュらしいのですが。戦いが終わった後、射士郎がへこんでる一方で「俺も大変だったんだけど…」と一人苦笑いする大也が、一見完璧人間な彼にも愚痴をもらしたくなる時もあるという人間らしい一面が感じられてよかったですね。

仮面ライダーガッチャード 第30話感想

 新学期が訪れ、3年生へと進級した宝太郎達。そこへ宝太郎の幼馴染・静奈が転入生としてやってくる。予期せぬ幼馴染の登場にりんねの心がざわつく中、さらに廃部の危機に瀕した演劇部を救うためのロミオとジュリエット上演で誰がジュリエット役を演じるかまで絡んできて…。

 

 今回は本題に入る前に、各部による新入部員勧誘のシーンで唐突に出てきて漫才を披露した2人に触れないわけにはいけませんね。いやほんと、なにを何の前触れもなしにいきなり出てきやがる、雉野とソノザ。ただでさえドンブラは腹筋に悪いというのに。物語的にもいよいよ本格的に新章に入るっていうタイミングで、主役を食いかねない奴らを出すんじゃありませんて。

 

 で、物語の本題ですが…いよいよガッチャードにも来るべきものが来たか、という感じですね。本作のメインライターの長谷川圭一氏のここ最近の代表作と言えば、グリッドマンを原作としたSSSS.GRIDMANとSSSS.DYNAZENONであり、どちらも怪獣との戦いの一方で高校生の男女による見ててムズムズしてくるような甘酸っぱい恋模様が描かれていたので、同じく主人公が高校生であるガッチャードでも当然そういった展開はあるだろうと予想はしつつもなんだかんだで2クール経ってしまったわけですが、ここへきて宝太郎の幼馴染投入により彼に対するりんねの感情を自覚せざるを得なくするというこれ見よがしな手に打って出てきたということは、いよいよ本腰上げてここに取り組んできたなという感じがしましたね。実際りんねはもともとは明るい性格だったけど幼い頃の出来事のせいで曇っていた、という点ではSSSS.DYNAZENONの夢芽と似たところがあるので、宝太郎への感情を自覚してそのうえで弾けたら、夢芽みたいな恋愛怪獣浮かれポンチになりそうな気がしないでもない…。

 

 そんな恋愛模様の一方で、結局鏡花さんの助手に収まったラケシスと、彼女を連れ戻しに来たクロトーのシーンもなかなか面白かったですね。こっちはこっちで、スパナとラケシスがどんな関係になっていくかが楽しみですが。しかしクロトーよ、産みの親であり上司でもある男が、世界を金ピカに染め上げるのが夢なんていう壊滅的な美意識の持ち主だったら、ラケシスでなくとも愛想尽かして出ていきたくもなるでしょうよ。お前ももっと素直になっていいんだぞ…。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ5

 ブンブンジャーとISAの間を取り持つ連絡係としての役割を拝命した錠。しかし彼はそれにとどまらず自分もブンブンジャーに入れてくださいと言い出すが、なぜか大也はそれは無理だと一蹴する。そして落ち込んだ錠が街を歩いていると、ハシリヤンが生み出した苦魔獣ダーツグルマーが人々を襲っているところを目撃し…。

 

 前回TVカメラの前で存在をアピールしたにもかかわらず、マスコミの取材が来ないことにブー垂れるイターシャ。そりゃそうだろう、としか言えませんが、うっぷん晴らしにその場にあったダーツマシンを使って生み出したダーツグルマーにギャーソリン集めをさせることに。ダーツの怪人だから当然ダーツを投げて攻撃すると思いきや、道行く人を捕まえて無理矢理ダーツをやらせ、外した者に罰ゲームを与えてギャーソリンを発生させる、という斜め上のやり口。しかもその罰ゲームも足つぼマッサージとかバラエティ番組でよく見るレベルのもので、そんなんでギャーソリンが生み出せるんなら水曜日のダウンタウンのスタッフにでもなった方が早くないかお前ら。

 

 錠の連絡によって駆けつけたブンブンジャーも、ダーツグルマーのわかりやすい挑発に乗ってダーツをやらされ、金ダライ、パイ投げ、ビリビリ椅子(これだけバラエティと言うより本物の電気椅子でしたが)と、これまたバラエティ番組みたいな攻撃を受けて大ピンチに。こんなかたちでピンチに陥るあたり、間違いなくカーレンやゴーオンのようなクルマ戦隊のトンチキなノリを受け継いでますが、ここで錠がボロボロになりながらもダーツグルマーに立ち向かい、「警察官の使命は人々を守ること! だからブンブンジャーも俺が守る!」と宣言。それを見た大也は調達屋に届けさせた新アイテム、ブンブンチェンジアックスを彼に託し、「今の君なら使える!」と認められた錠はブンブラックに変身。宣言通りブンブンジャーを守って戦いつつ、ブンブンジャーと力を合わせダーツグルマーを撃破するのでした。「英雄はなろうと思ったらその時点でアウト」とは、かつてとある弁護士が言った有名すぎるヒーロー論ですが、「かっこよく人々を守りたい」というだけではダメで、ボロボロになりながらも「憧れだけではヒーローにはなれない」ことを悟って命がけで守ることを選んだ時に初めてヒーローになれるというのは、王道ですがいいですねえ。ブンブンジャーのメンバーでありながらも、あくまで一般人であるメンバーを守る警察官でもある、その使命感に溢れるが故の「警察屋」という呼び方もまたよし。軍平さんみたいな愉快なお巡りさんの遺伝子だけでなく、朝加圭一郎の遺伝子までばっちり受け継いでいて、戦隊のお巡りさんの鑑じゃないですか錠。

仮面ライダーガッチャード 第29話感想

 蓮華の故郷の村で起きた妖怪騒ぎ。妖怪の正体だったケミーは宝太郎たちによって回収され一件落着…かと思われたその時、村長の悲鳴が響き渡る…。

 

 いきなり犬神家状態の村長が発見されるという、前回にも増してトンチキな幕開け。加治木はいきなり名探偵みたいな振る舞いを始めて尊敬していたはずのスターシャイン星野をさしたる根拠もなく犯人と言い出すし、その加治木も星野共々村人たちによってさしたる根拠もなしに犯人扱いされ蔵に閉じ込められるしで、のっけからカオス極まれりです。まぁ加治木はおかしな奴ではあっても悪い奴ではないので、無実を信じる宝太郎たちは真犯人捜しに乗り出すことに。そうこうしてるうちに地上げ屋、そして加治木と星野も変なポーズをとらされたまま膠着状態で発見され(あんなおかしな状態で発見された加治木に対してまるで死んだみたいな本意気の反応ができる宝太郎もすごいですが)、さらにキュウビマルガムが出現。宝太郎は変身して交戦するも、のらりくらりとした反応しか返さないキュウビマルガムに違和感を覚えつつ、逃走を許してしまうことに。

 

 変なポーズをとらされて発見された被害者たちが皆ある方向を指さしており、それが村の守り神であるお狐様を祀った祠のある場所であることに気が付いた蓮華によって、祠へ向かう一行。果たして再びキュウビマルガムが出現し、さらに闇の球体を放ってりんねと蓮華とおばあちゃんを閉じ込めてしまう。しかし蓮華は星野から取り上げておいた5つのコズミックケミーの力を借りて脱出に成功。蓮華からコズミックケミーを託されたプラチナガッチャードはキュウビマルガムにライダーキックを放とうとするが、なぜかキュウビマルガムは岩の前に立ってよけようともしない。そしてガッチャードのライダーキックは背後の巨岩ごとキュウビマルガムを打ち砕いたが、なんとそこから温泉が噴出。それによって宝太郎たちは、一連の事件は廃村の危機を救うためにお狐様がケミーの力を借りて起こしたものであったことを悟るのであった…。うーん、いい話みたいにオチをつけたけど、地上げ屋はともかく特に悪いことをしてない加治木や星野や村長まであんな目にあわせてるあたり、村を守ることは考えてても人間についてはあんまり忖度しないあたり、やっぱりお狐様も人外だったというか。そして加治木におだてられスターシャイン星野改め探偵シャーロック星野として活動を宣言して去っていった星野ですけど…たぶん次の出番はないな、きっと。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ4

 「謎のタイヤ人間」として巷でもすっかり有名になったブンブンジャー。ある日未来はトラックに撥ねられそうになった子供を変身して助けるが、その直後に錠に手錠をかけられ逮捕されてしまう。連行された先のISA(国際宇宙対策機構)では調査官の調がブンブンジャーについて根掘り葉掘り尋ねようとするが…。

 

 日夜ヒーローと怪人が街中で戦いを繰り広げるどころか、巨大ロボと巨大化した怪人の戦いまで行われる。数あるヒーローの中でもそんな秘密もへったくれもない派手な活動を行っているのがスーパー戦隊というヒーローなのですが、彼らに対する一般市民や公的機関の反応や対応についてはぼんやりとしか描かれないのが普通。しかしなんとブンブンジャーでは4話にして戦隊の存在が一般社会に知れ渡っているし、公的機関もその正体についてつかもうと動いているという、この作品のノリとは正反対にちゃんとした描写がされることに。しかもブンブンジャーだけでなくハシリヤンまでTVカメラの前で思いっきり存在をアピールするし、敵も味方も秘密に活動する気ゼロですね…。まぁおかげで、怪人に苦しめられる市民の助けを求める声に応えて颯爽と現れるヒーローという、王道すぎてかえって今では見られなくなった熱いシーンを見ることができましたが。ブンブンジャーが苦魔獣と戦い、そのあいだに錠が市民を避難させるという連携で事なきを得、錠を連絡役とすることでブンブンジャーとISAは協力関係を結ぶことになりましたが…。

仮面ライダーガッチャード 第28話感想

 グリオンを倒し、錬金アカデミーを取り戻した宝太郎たち。一方蓮華は休日を利用して幼い頃に育った祖母の住む村へと帰省するが、そこで「妖怪」に遭遇。蓮華からの連絡を受けて宝太郎とりんねも村へとやってくるが、そこに怪しい退魔師(と加治木)まで現れ…。

 

 壮絶を極めたグリオンとの戦いも終わり、ちょっと息抜き…というわけではないですが、いい意味で気の抜けた話ですね。というか、田舎の村に胡散臭い退魔師が現れるとくればもう完全にTRICKのド定番のパターン。そしてその胡散臭い退魔師ことスターシャイン星野を演じるのは、ウルトラシリーズファンにはもはやおなじみどころではない青柳尊哉氏。しかも監督がおそらくこの国の監督で最も彼の演技を引き出せるであろう田口監督とくれば、これはもう鉄板ですね。その期待通りに、ジャグジャグさんで培った胡散臭い男役としてのポテンシャルを遺憾なく発揮してくれました。あんなに胡散臭いのに、ケミーが近づいてもマルガムにならないということは悪意がないというのがまた笑えるんですが。

 

 村に現れた妖怪の正体は案の定ケミー。グリオンがいなくなった途端にまたわかりやすい悪人(地上げ屋)が現れてマルガムにされる流れに戻りましたね。村を廃村にして産業廃棄物の最終処理場にしようという計画が判明したものの、とりあえずケミー騒ぎは片付いた…と思った矢先に、また悲鳴が…。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ3

 バイト先の男の子のおばあちゃんへのプレゼントを届ける、という仕事を引き受けてきた未来。自分で請けた仕事だから自分の力で届けろ、と大也に車を借りることを断らわれた未来は、仕方なく自転車でおばあちゃんの家に向かうことになるが、その途中で苦魔獣が現れ…。

 

 今回は未来が主役の回。大也と射士郎が苦魔獣と戦ってるところに出くわしても「頑張る!」とにこやかにサムズアップして行ってしまうのには笑いました。前回射士郎に置いてかれた件の仕返しとしか。未来を追って苦魔獣も追いかけて行ってしまったので、彼女が囮役を引き受けたと考えた大也。射士郎と同じく絶対そこまで考えてないぞ…と思っていたら、案の定なんも考えてませんでした。彼氏を捨ててその場のノリでブンブンジャーになった女だぞ、何をいまさら。まぁそういう予測不可能なところこそ大也が彼女を仲間に入れた理由だったわけで、結果オーライでしたが。

 

 さて、ここまでブンブンジャーとハシリヤンの戦いに巻き込まれ毎回ひどい目にあってきたお巡りさん、錠ですが、交番に戻ると国際宇宙対策機構の調査官を名乗る女性・細部調が彼を待っていた。果たして彼女の目的とは…。