重畳と分裂

l'Ecole nationale des ponts et chaussées(土木建築技術に特化した国立高等学院)の図書館にて、ちょっと面白い図面を何枚か見つける。地図や建築図面、ボザール流のデッサン、まったく無関係なトランプのカードなどが、いわゆる「トロンプ・ルイユ」の手法で描かれている。18世紀の学生たちが、学内concours(選抜試験)のために描いたものだと言う。年代的にはフランス革命の前後。建築図面に「メタ構造」によるトロンプ・ルイユを用いるのは、ピラネージの(間接的な?)影響もあるかもしれない。版権・所蔵権の関係から、撮影した図版をここに掲載することはできないので、ほんの小さな細部だけを公開。


下は、17世紀の古遺物研究者ジョヴァンニ・バッティスタ・モンターノによる古代建築の復元図(版画師はジョヴァンニ・バッティスタ・ソリアなる人物)。彼の著した建築書計5冊は、BnF(フランス国立図書館)の貴重書室(salle Y)に収蔵されている。

建築物の半分は立面図として、残りの半分は断面図として描くという、大胆な技法が採られている。こんな建築図面、初めて見た。17世紀イタリアでは一般的な慣行だったのだろうか?