横浜美術館特別展より

 横浜美術館で観たのはこれである。
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 非常にポップであるというのが全体を通しての印象である。展示の前半は彫刻、後半は絵画やスケッチといった類であるが、中盤には作者のアトリエを再現した空間もしつらえてあって、そこにかかっていた一枚の大きな絵にはとても惹かれた。タイトルは忘れた。
 作者の描く少女たちは、その透明感とうらはらに常に何かをかかえている。かかえたままで、われわれをまっすぐに見つめてくる。彼女たちはわれわれ自身なのかもしれない。


 作者のアトリエを再現した展示室2には、とても背の低い入口が特別に設置してあって、それはおおよそ150cmくらいなのだけれど、大人は当然に身をかがめなければ入れない。ところが、こどもは、そのままで入ってゆける。
 こどもになるということ、こどもであるということ、自由であるということ。
 大人はなにかしら不自由をしなければ閉ざされたままだ。