日本で生まれ育ち、その後30年にわたってドイツに住む
著者が書いたドイツと日本についての本です。
- 作者: 川口マーン惠美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/08/21
- メディア: 新書
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宅配便や電車の正確さは世界一とかホームレスが新書を読む日本。
識字率が高く 経済格差の少なさも誇れると日本についてまずは褒めています。
脱原発が進んでいるように見えるドイツ。
しかし日本と同じような悩みを抱えているようです。
再生可能エネルギーだけでは一国を賄うほどのエネルギーを
作れないし、原発を含む既存の業界との利害が絡んでいて
ドイツにおいても脱原発は簡単ではありません。
その上脱原発を唱えてもヨーロッパ周辺の国々は原発建設ブームに
湧いて、何だか悲しい構図になりつつあるという。
尖閣諸島から領土問題についても語る著者は その領有権が
日本語版のウィキペディアとドイツ語版のウィキペディアでは
真逆になっていることに気づいた。
これは世界どこでも起こりそうなことで、ウィキペディアだけでなく
本でもネットでも各国(書き手)に都合のいいように書かれることが
あるのだと思う。おおらかすぎる日本です。
他に両国の教育の利点、欠点について。
それからEUとTPPを絡めて今置かれているドイツの厳しい状況を見て
将来日本も同じような問題を抱えるかもしれないと警鐘を鳴らしています。
著者である川口マーン恵美氏は 現代ビジネス「シュトゥットガルト通信」という
サイトからも独自の日本観、世界観を発信しています。