スクリャービン

最近スクリャービンエチュードに取り組んでいます。
スケールが大きく、情熱に溢れる曲(ちょっとくさいけど)。


で、最近この曲には「異稿」がある事を知って、聞き比べてみました。
これが異稿


初稿(?)と異稿を比べてみると
初稿の方が旋律の繰り返しや和声が単純明快で、
異稿の方はひとひねり加えられていて複雑になっています。


作曲家の目線に立ってこの異版を見ると、
スクリャービンが初稿に手を加えた理由や感覚を追体験できて面白い。
初稿の「くさい」部分や単調な部分、例えば最初のテーマの3回目の繰り返しや、
中間部のやや機械的な転調や和声の進行を異稿では変化させて避けている。
「やっぱりここのくささや単調さはスクリャービンも避けたいと思ったんだな」と
勝手に同調しています。


でも初稿の単純な進行や構成のほうが、
この音楽が伝えんとしているものにはマッチしている気もするから不思議。


こうして作曲家の試行錯誤の過程を追う事は
翻って自分が作曲するときに、作曲の過程を客観的に認識する訓練になったり
優れた作曲家の構成力や軌道修正の感覚を追体験する事ができたりして
良い勉強になりますね。