毎月言っていることだが、国立には「ほんやらなまず句会」という名前の俳句の会がある。
毎月1回、国立東の画廊喫茶「キャットフィッシュ=エソラ」に集まり、元・「MORE」「コスモポリタン」編集長の宗匠・安藤二庵氏を中心に運営され、僕もその末席を汚している。「ほんやら」は国分寺にある歌手の中山ラビさんの店「ほんやら洞」のほんやら、「なまず」は「キャットフィシュ」のなまず。両方の常連が基本の句会だ。
先日行われた2月例会の季題は「寒」、そして音で「カン」。
吉例により拙作よりご披露。
寒鴉子らの隊列見送れり
説教もつい長くなり燗の酒
日脚伸ぶ仁王の脛の辺りまで
重ね着の少女舞い跳び始発駅
【解釈と干渉】
第一句 餌が少ないので冬の鴉はがっついている。時には凶暴になることも。子どもなどその標的になりやすい。でも大勢だと話は別。集団下校の悪童どものことは遠巻きに見ているのが得策。
第二句 言いにくい話、しにくいお説教も飲みながらならなんとか。でも寒い日に飲む燗酒は旨すぎて、つい飲みすぎ。話がつい長くなってしまう。
第三句 「日脚伸ぶ」とは冬至が過ぎて昼間が長くなっていること。すっかり日が長くなった季節の夕日が仁王様の足元を照らす。
第三句 先日、出張で群馬県太田市に行ってきました。東京にない風俗として、女子高生がみんな制服のスカートの下にジャージのスボンをはいていました。究極の重ね着。うんうん確かに上州の冬は寒い。プラットホームの彼女らはまるで雀のように賑やかで生命力と躍動感にあふれていた。
朋輩のみなさんの作品は明日、一気にご案内。