わが祖国の新世界 〜くにたち市民オーケストラ ファミリーコンサート


午後からツレとともに一橋大学へ。ランドマーク「兼松講堂」で開催の「くにたち市民オーケストラ 第33回ファミリーコンサート」に行ったのだ。


兼松講堂は一橋大学の施設であるが、実は国立市最大の音楽ホールである。フル・オーケストラが演奏できるのはここだけ。多分。キャパは1200人ぐらいなのかな(未確認)。数年前にフル・リニューアルしたので音響も悪くない。



くにたち市民オーケストラ、通称「くにオケ」はもちろん国立市民により構成されるアマチュアのオーケストラだが、たしかな演奏には定評がある。本場・ザルツブルクでの公演も行っている。



それに若干の賛助出演と一流の指揮者を招聘して定期的にコンサートを開催している。今回の指揮は神宮章氏。


早めに行ってよかった。結果的に満員札止め。無料とは言え大変な人気。



一曲目はスメタナの『我が祖国』より「モルダウ」。


かつて大学生の頃、友達の安下宿に行きそこがボロだとこのメロディーを大声のハミングで歌ったものだ。そしてそれに続いて「きたねえ家だなあ、よくまあこんなとこに・・・・・」と。


つまり「住めたな(スメタナ)」と・・・・・。すみません。



ともかく『我が祖国』より「モルダウ」だ。とにかく壮大。一曲目から痺れてしまった。まるで創造神のように大きなアクションの神宮氏の指揮には神々しさすら漂う。



二曲目はチャイコフスキー『バレエ組曲 くるみ割り人形』。これこそバレエ音楽と言う感じ。ときに妖しくときにかわいらしく軽快に。神宮氏の指揮もさきほどの『我が祖国』の重厚さとは打って変わって軽やかでまるで踊るよう。最終章の「花のワルツ」が特に良かった。ああ、やっと拍手させてもらえる。組曲はどんなに良くても途中で拍手できないからね。



三曲目はドボルザーク交響曲第9番『新世界より』。これもお馴染みの曲。特に「遠き山に日は落ちて」の「家路」が有名。放課後の校庭を染める夕日を思い出すね。


何度とも無く聞いたこの曲。今日初めて気がついたんだけど、第三楽章の後半に日本の股旅演歌を思わせるモチーフと言うかフレーズというかメロディラインがあった。また聞きなおしてみよう。


アンコール代わりに「ふるさと」の1000人合掌、じゃなくて1000人合唱。フル・オーケストラをバックに。なんて贅沢。


エンディング曲は「ラデッキー行進曲」。「パパシュト」ことヨハン・シュトラウス1世の作品。それに僕たち観客は手拍子で参加。そうか、手拍子って言うのも立派な楽器なんだな。 これもなんと神宮氏の指揮で。強弱やタイミングもそのタクトで指示してくれる。 これまたなんて贅沢な時間。





入場料は無料なんだけど出口に募金箱。こんな贅沢な時間を無料では申し訳ないと心苦しく思っていたので助かった。


外に出たら強い風。たくさんの自転車がなぎ倒されていた。季語で言うところの「春疾風(はるはやて)」かな。



その後は統一地方選挙後半戦の投票へ。「わが祖国(「国」は「国立」の「国」)」の「新世界」を決める大事な選択ですからね。もちろんちゃんと行きましたよ。<今日の二句>


 春疾風 開くか祖国の 新世界  


 手拍子も 目出度き春の マーチかな  



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