ラストエンペラーの弟とその娘


今日は一日テンションが低かった。理由は疲労。疲れているのだ。



仕事で疲れたのではない。というか僕は仕事をしていない。


テレビである。


昨晩、見てしまったのだ、深夜12時からのNHKアーカイブスを。1時半まで。


自分の体力のなさは自覚しているのでこうなるのはわかっていたんだけど。我慢できなかった。


6年前に放送された「わが父・溥傑 ラストエンペラーの弟 波乱の生涯 」




ラストエンペラーこと愛新覚羅溥儀を知らない人はいるまい。清朝最後の皇帝にして傀儡国家「満州国」の皇帝だ。その実弟である愛新覚羅溥傑(ふけつ=プージェ)の妻が日本の侯爵家令嬢・嵯峨家の令嬢・嵯峨浩(ひろ)であったことも大抵の人が知っているだろう。


政略結婚でありながら至高の愛と日中友好を貫いたこの二人の生涯を、その娘さんの旧満州への旅の記録とともに追ったドキュメント。6年前の放送時にももちろん見ているのだけど、これは何度でも見たい。


僕はこのご家族の大ファンなのだ。書家でもあった溥傑さんが看板を揮毫したというだけの理由で北京の下町のお湯も出ないような木賃宿に8連泊したり、醤油はヒゲタしか使わなかったり(浩さんの母方の本家である)。


日中関係が微妙なときだけにこの放送は非常に意義があるだろう。僕自身、ここ数ヶ月のともすれば感情的になりがちな前のめりに自制とし自省を促された感じがする。


こういうのを見せてもらうと受信料も惜しくない。祝儀の一つもつけようかとさえ思う(逆に「クイズ ホールド・オン」なんか見せられると、「金返せ」なんてリアルでは口にしたことも無い下品の一つも言いたくなる)。


その娘さんとは、つまり愛新覚羅溥傑・嵯峨浩夫妻の次女、福永コ生(コの字が出ない。女偏に零、「女零」みたいな字。正確には下の本の表紙画像見て)さん。


5歳にして満州国を追われ父はソ連に捕らえられ、母とともに銃弾飛び交う原野を流浪した経験をもつ。


で、この本です。


以前にも紹介したけど、この方の激動の半生を描いたドキュメント。


そうだ、京都に住もう。 ←クリック!!




すごい本です。改めては詳しく申し上げないが蕃茄山人さんがすごくいい書評を書いているのでクリックしてご覧ください



幸運にして番組を見られた方も、不幸にして見逃した方も、さらに新しい情報も入ったこの本をぜひお読みいただきたいのである。「友好」と言うのは簡単(感情的に罵倒するのはもっと簡単)だけど、それを体を張って命がけでなしてきた家族の肖像にぜひ接してもらいたいのである。




そんなわけでちょっと疲れてますが最低限の業務連絡。


林静一展「子どもと本と四季」は9日(火)まで。本展は巡回しません。この週末が最後のチャンス。お急ぎください。


・・・・・ギャラリービブリオ、現在開催中の企画は・・・・



林静一現代児童画展「子どもと本と四季」




10月9日まで。水曜定休。11時〜19時(最終日は17時)


ギャラリー・ビブリオにて


・・・・・今後の予定は・・・・・・・

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