蕃茄庵日録(ばんかあん。国立駅前・ギャラリービブリオ店主のブログ)

2013-03-28 映画を見て桜見て、撤収

映画を見て桜見て、撤収


今日は久々の映画。


「映画相棒 Xday」


僕とツレが夫婦50割。


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花子が学割


そういえば前回見た映画も「相棒」だった。入院中に行った。そのときもらった小野田官房長のポストカードは今も大事にリビングに飾っている。


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(下は今日の新聞)


僕は病後、視野狭窄になったので字幕を追えない。だから邦画になる。洋画を見るには吹替えのを探すか英語を勉強するかしかない。


映画の後は食事。立川駅前、世界堂が入っているビルの最上階の「がんこ」へ。


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店の外も中も「巣鴨系」の方々で一杯。順番待ちリストで4番めだからすぐだな。と思ったら甘かった。彼女らは滞在時間が長い。40分待った。


食事を終えた後は妻子と別れて一人花見


その前に行きつけの古道具屋(骨董屋ではない)に。かっこいい草食竜の首があったけど大きくて持って帰れない。実物大。


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僕は数年前まで国立の桜は日本一、つまり世界一だと思っていたし、そう言って来た。でも数年前から考えが変わった。


立川の残堀川→根川の桜が野趣あふれていて一番好き。日本一だと思う。


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☆業務連絡☆


根川の散歩道。村上弘明が地方記者役で床嶋佳子にモテモテのサスペンスシリーズのロケ地である。

近江の博覧妃・紙魚子さん。お花見散歩の途中で池田澄子さんの歌碑を見つけました。


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立川市民だったそうです。


茜雲 あえかに残り 亡母(はは)の背の 温(ぬく)みなつかし 武蔵野暮るる




しみじみとお花見散歩を終え、甲州街道を渡り「みのわどおり」を北上。


ところでこの「みのわどおり」。立川市国立市の両方を通る。かつては名のないとおりだったが、立川市エリアの「みのわ」というところを通るので立川市が「みのわどおり」と名づけたという。


国立市でも名前をつけようという動きがあるとのうわさを聞いたが、「みのわどおり」で定着しているからいいよ。ロシア名=ダマンスキー島中国名=珍宝島、を思い出しちゃう。凍った川の上で小突きあうようなことはしたくない、なんて考えつつホームセンターのケイヨーD2へ。


ベンチで一休みしているところに杉作J太郎さんからメール。今晩撤収に行きますと。


急いで帰って受け入れ準備。6時半頃来られて解体、撤収、精算。


8時過ぎ、すべてが終わった。


とてもいいイベントになりました。杉作さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました。またやりましょう。



3週間ぶりにアイドルが消えた部屋。


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一抹の寂しさがある。




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ご意見、ご希望は下の「コメントを書く」欄へ。内密な話はメールで。

2012-10-05 俳人・土肥あき子さん来たる

俳人・土肥あき子さん来たる

国立の人気ポータルサイト国立ハッピースポット」の中の「国立ハッピーTV」(←クリック)のコーナーで、ギャラリービブリオの動画を紹介いただいた。


明らかにウチのが一番よくまとまってるし映像もきれいで構成もいい。って、東京MXさんのだから当たり前なのだけど。うれしい。



午後、前職時代のライバル社の担当者さんの消息を聞く。いつも「敵ながらアッパレ」と思っていた人。「敵には回したくない」と宿命のライバル社なんだから絶対無理なことを願っていた人。


相変わらずお元気にご活躍のご様子。慶賀。また「恩讐を越えて」お会いしたいと思って(いやいや「恩」はあるけど「讐」は無い)、久闊を叙すメールを送った。


夕刻、美貌の閨秀俳人土肥あき子さんご来店(どう「美貌」かはお名前をクリック)。


ずっと前に、義太夫三味線奏者の鶴澤寛也師匠に、近頃お気に入りの俳句として、


「水温む 鯨が海を 選んだ日」


を教えてもらって一目ぼれ。それがきっかけとなってのお付き合い。


僕の療養中には、退院直前の冬の日に


「日溜りに癒えよ癒えよと冬木の芽  あき子」


の見舞い句をいただいた。


今日、差し入れにいただいたマドレーヌ、いったん家に持ち帰ったら、「なになになに」と餓狼の群れ。



「これは高名な俳人からいただいたものである。食いたいやつは一句詠んでから食うように」



と言い渡すと一同沈黙。こういうのは日ごろの鍛錬がものを言う。



店に持ち帰り、一人で食べることにした。

2005-01-05 仕事始め

仕事始め

今日は仕事始め。

去年も書いたが女子の着物姿がますます減った。ならば、男たちよ! 三波春夫のような怒涛に富士の着物を着たまえ、と提案したのだが、どこにあんな柄の生地を売っているんだ? などと返されてしまった。漁港にでも行って使わなくなった大漁旗でもらってきたまえ。

今年は三波春夫よりマツケンサンバだな。あの生地だったら漁港まで行かなくてもユザワヤあたりでメートルで売ってそうだし。


6日間使わなかったデスクはうっすらとホコリが積もっていた。書類ラックも同様。そこで一句浮かんだ。


      書架の塵 払って仕事始めかな    蕃茄


「仕事始め」を「仕事納め」にすれば辞世の句にもなるという、なかなか応用の利く句である。

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2004-12-12 師走句会

師走句会

年賀状のデザイン(というほどのものではない)をした後、半年振りに句会に出席。

スケジュール上の都合で暫く休んでいたのだけど、一年の納会と言うことで参加。

実はそのことをほとんど忘れて昼寝をしていたんだけど、マスオさんから電話があって思い出した。

用件は、来るときにW惣菜店のポテトサラダを買ってきて、とのこと。今日は忘年句会なので終わった後に一献傾けるのだ。W惣菜店のポテトサラダはビールに合うそうだ。

何はともあれ飛び起きて、五句つくった後、西友へ。西友の前で、故・山口瞳先生夫人の治子さんに会う。「冷えますねー」とご挨拶。


会場はいつもの「キャット・フィッシュ(=エソラ)」。

マスオさんから富士見台のKFホールで頑亭先生、敏先生とグループ展をやっていると聞く。知らなかった!! となりの「ここたの」には昨日、朗読劇の帰りに寄ったのに。

ああ、そういえば昨日、「ここたの」で敏先生にお会いした。なんでこんな遠くにおられるんだろうと思ったのだが、そうか展覧会があったのか。見損なっちゃったなぁ、残念。

ああ、そうだ。敏先生に「今日は見に来たの?」と聞かれたのだった。

それに対して僕は愚かにも「ええ、朗読劇なんですけどね」など答えていたのだ。そうかー、展覧会のことだったんだなぁ。近くに行っていながら惜しかったなぁ。


閑話休題。今日の句会の季題は「白菜」「葱」「その他季節のもの」

人気を集めたのは、

  脇差のごとくに八百屋葱を切る     敬記

  葱洗ふ手を止め道を教えられ      不実男

あたりかな。

僕の「漂泊の我に何問う虎落笛(もがりぶえ)」はちょっと気障に過ぎた。


帰りの旭通りで、故・滝田ゆう夫人・朝子さんに会う。「冷えますねー」とご挨拶。

2004-12-01 俳句と既視感

俳句と既視感

今日の、僕にとっての最大のニュースはこれだな。

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歌手・安倍なつみさん、エッセー集で盗作…発売中止

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

小室哲哉やaikoの詩だったそうだ。たしかに本人の軽率さが最大の要因だけど、周りが事前に気づいて適切な処置をすることはできなかったのかなあ。すくなくとも安倍さんをあえて「商品」と呼べば、安倍さんという商品で食べてる大人が、それもその道のプロである大人が何人もいるわけだからねぇ。

紅白も辞退とのこと。うーーむ。

☆ ☆ ☆

別段ファンでもないし、擁護するわけではないが、安倍さんが言う、「『すてきだな』とノートに書き留めた詩やフレーズを参考に詩を書いた結果、他人の作品に手を加えた形で発表してしまいました。」はちょっとわかる気がする。

俳句でもよくあるのだ。頭にパッといいフレーズが浮かんで俳句に詠むんだんだけど、

「あれ? これって歳時記か朝日俳壇あたりに載っていたのが記憶に残ってて、それを自分の句のように書いちゃったんんじゃないかな」

と不安になることがあるのだ。

春にもそんなことが一度あって、句会の時マスオさんに聞いてみたことがある。

「?■☆○△○ @▽▲■◎○★ ○■△☆★(伏せ字17文字)?ってどこかで聞いたことありません? なんか自分で作ったようなつもりになっているんだけど、なんか既視感があって」

マスオ、一瞬考え、そして一言。

「大丈夫。それ蕃茄さんのオリジナルだよ。それにそんなに良くないもん」

あーーそーーですかーーーーー

2004-11-05 よりよき「上五」を求めて

よりよき「上五」を求めて

町中で七五調、五七調を見かけると、つい「上五(上の五文字)」または「下五(下の五文字)」を附けたくなってしまう。

この場合だったら、

「時雨るや」あたりかな。

いや実はこの写真を撮ったのは春だったので、



春雨や

春時雨

春雨や

菜種梅雨



あたりになるだろうか・・・・。

いやなに下の踏切の話である。

(長野県伊那市にて採集)

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2004-06-18 NHK俳壇に土肥あき子さん

NHK俳壇に土肥あき子さん

去年の暮れに、義太夫三味線の鶴澤寛也師匠に、「若手女流義太夫関係者の間で静かなブームになっている」、とその作品世界の素晴らしさを教えられ、それ以来すっかりファンになってしまった若手俳人土肥あき子さんがテレビデビューすると言う話を聞いて前から楽しみにしていた。

  今朝が放映日。「NHK俳壇」だ。朝8時から。

  岩淵喜代子さんとともに主宰される同人誌「ににん」でお写真は拝見していたが、テレビの中の土肥さんがあまりに可愛らしい人なのでびっくり。ますますファンになってしまった。

  初めて見た番組だったけど、番組内容ものんびりしていてよかったな。視聴者の投句の中から番組の宗匠である俳人・坊城俊樹さんが選句して、坊城さんとゲスト俳人土肥さんがコメントをつけるというもの。

  実は凄く偉い先生なのに、見るからに優しそうなオジサマ・坊城俊樹さんもいい味を出している。



  今日、テレビで土肥さんが披露された句



     夏服となり帆柱の心持ち



は、処女句集『鯨が海を選んだ日』収載。でも残念ながら現在は品切中。重版が待たれる。

  鯨が海を選んだ日


  再放送もある。

  NHK教育(3ch)  6/23(水)午前5:30〜午前6:00  

  早起きの価値はありますぞ。

2004-06-01 27万人が蕃茄の俳句を・・・・

27万人が蕃茄の俳句を・・・・

昨日、「普段の句会ではせいぜい10人にしか読んでもらえない駄句が、数万人の人に読んでいただけるとはありがたいことこのうえない」と書いた。

 今日、某筋で確認したら「週刊朝日」の発行部数は27万部だった。だから正しくは、

「普段の句会ではせいぜい10人にしか読んでもらえない駄句が、27万人の人に読んでいただけるとはありがたいことこのうえない」

である。

  それにしても、10人から27万人である。どう比較したらいいのかわからないのである。

  ちなみにこの日録が月間約4000アクセスである。27万といえば67.5倍。67.5ヶ月、つまり5年半ぶんである。こう考えるともの凄く多いような気がする。

 というような話をツマにした後、「週刊朝日」を該当ページを広げて渡したら、

「ふーーん」

 と言って見入っていた。

 しばらくたっても、まだ広げて読んでいるので

「?家族泣かせの俳句道楽?とか言ってケチをつけていたけど、少しは見直したかな?」

 と思ったら、開けているのは、

「スタッフが明かす、ヨン様来日秘話」

 のページだった。

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2004-05-31 数万人が蕃茄の俳句を・・・

数万人が蕃茄の俳句を・・・

さて、皆の衆。まずはお近くの書店、コンビニ、雑誌スタンド、駅売店に行き、「週刊朝日」6月11日号をお買い上げいただきたい。そして118ページ、119ページをご一読いただいた上で、以下の拙文をお読みいただきたい(エラソーですんません)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 一昨日の日記に、

  先週の「やぼてん句会」、5月23日24日の日記で紹介したあの句会のことを、嵐山先生が来週、月曜火曜発売の「週刊朝日」の連載エッセイで取り上げるそうだ。

と書いた。載りました。激しく載りました。まるまる2ページ「やぼてん句会」のレポートで、マスオさんや僕の俳句も紹介されている。普段の句会ではせいぜい10人にしか読んでもらえない駄句が、数万人の人に読んでいただけるとはありがたいことこのうえない。

  そのうえ、イラストは僕に関係したことが描かれている。イラストレーターは渡辺和博さん。5/16から5/18の日記でも紹介させていただいた方で、僕も親しい。エッセイの中に知った名前があったので、そこに集中してイラストを描かれたのだろう。

  「やぼてん句会」は、もちろん僕もリポートした。ここの下の5月23日24日の日録をお読みいただきたい。

  それをお読みいただければわかるが、嵐山先生のコラムと僕の日録には、書いてある事実関係に若干の相違がある。

「どっちが本当なんだ?!」

なんて野暮なことは訊かないでいただきたい。「奥の細道」と「曾良随行日記」の違いみたいなものだと思っていただければありがたい。

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2004-05-24 他流試合 in 国立の自然と文化を守る会 承前

他流試合 in 国立の自然と文化を守る会 承前

そういうわけで句会が始まった。

  句会の季題は「蛙」。作品はあらかじめ幹事のシュウさんのところにそれぞれ無記名で送ってあり、すでに集計されて印刷物になっている(もちろん無記名で)。

  はじめに嵐山先生から、

「作品を見せていただきましたが、“季重なり(ひとつの句に複数の季語)”などのルール違反も多く、皆さんが初心者であることはよくわかりました(場内笑)。これから皆さんにそれぞれ選句をしていただきますが、作品を見せていただいた感じでは選句力も多分ないと思いますから、多分大してよくない作品が選ばれると思いますが(場内爆笑)、細かいことにこだわらず楽しくやりましょう」

と挨拶があった。

  それでも、結構いい作品もあったと思う。「天」をとった

「田の面(も)減り 蛙(かわず)の声も 力なし」

なんかなかなかいい。


   選句方法は、順番にそれぞれがいいと思った作品をあげ、その点数の集計で一番多かった作品が「天」。続いて「地」「人」。作品は無記名だから誰の句かは集計するまでわからない。

   ちなみに僕が一番に推したのは、ダントツに巧いと思った、

   「雨蛙 跳ねて命の 軽さかな」

   嵐山先生も、

「巧いね。巧すぎて嫌味なくらいです」

と講評。「どなたの句でしょう」と蓋を開けたら、マスオさんの作品だった。もちろん嵐山先生もマスオさんが名乗るまで誰の作品かは知らない。でもやっぱりブラインドで見ても、やっぱり頭ひとつ飛び出してしまうんだなぁ。

そしてそのマスオさんが推したのが、

    「諍いの 風を鎮めて 遠蛙」

これもうまいなあ。嵐山先生も、

  「ああ、これは相当やっている人の句ですね。深みもありますし技巧も効いてます。どなたでしょう?」

・・・・・・実は僕の作品である。ははははは、ほんの自慢話です(笑)。

  

  まあ、そんなこんなで無事、和やかに終了した。途中、僕の集計間違いで小沢潔元国務大臣の得票を少なく計算してしまい、顰蹙を買う場面もあったが。

   

  句会終了後は懇親会。嵐山先生とセットで上座が用意されていて緊張しまくり。小沢氏と向かい合わせでお酒を飲む事態となってしまった。

   解散後は、マスオさん、頑亭先生、敏先生と谷保の「文蔵」。「居酒屋兆治」のモデルとなった“いつもの”店だ。ようやくリラックスして一杯。

「ああ、こっちのほうがいいや」

と手足を伸ばした。

   あ、そうそう、先日の「富士見湯」の烙印である。何か僕からも賞品を用意するようにとの指示があったので用意したのがこれ。

   ヒノキの手桶に「富士見湯」の焼印。それだけでは寂しいので中に入浴剤。


   ちなみに「富士見湯賞」受賞作品は、「ぎはん」さんの

   

   「かえるさんちょっと聞いてよこのはなし」

2004-05-23 他流試合 in 国立の自然と文化を守る会

昨日の続き。昨日はダブルヘッダーだった。

「学校法人・吉永学園(仮)評議会」が終わるやいなや、タクシーを飛ばして谷保天満宮に走った。

市内・ふたば幼稚園理事長・小沢孝造氏が会長を務める「国立の自然と文化を守る会」の総会が天満宮のホールであるのだ。

僕がその会の会員であるわけはない。会員は商工会や谷保の地主さんの重鎮ばかりだ。

そのようなところになぜ僕が行ったかというと、嵐山先生つながりだ。総会のゲストとして嵐山先生が講演を頼まれたのがことの発端だ。

講演を頼まれた嵐山光三郎先生はただの講演にしたくないと考えられたらしい。いろいろアイディアを練る中で思いつかれたのが「句会」だ。

そういうわけで「第一回やぼてん句会」が開かれることとなった。そして俳句の心得ない方が多いことが予想されたので、多少は齧っている者が何人かは必要だということで声がかかったのが、エソラ(=キャットフィッシュ)のマスオさんと僕というわけだ。嵐山先生からのお誘いであるし、たまには「他流試合」もよかろうと二つ返事で引き受けた。


   僕が会場に着いたのは開始5分前。この句会は事前に句を提出してあるから安心だなぁと鼻歌で会場入りしたら、嵐山先生の親友で建材店「サトウ」経営のシュウさんが、

「蕃茄クン遅かったじゃないか。今日は嵐山の隣で助手だからな」

ええっ?聞いてないっすぅ。シュウさんのうしろではマスオさんが、

「よろしくねー」

とニコニコしている。もしかして図られた、自分? 


  会場を見回すと本当に国立の重鎮ぞろいだ。

  面識ある人では、関頑亭・タミご夫妻、関敏先生、津戸宮司、前市長・佐伯有行氏、植繁の親方、「マスタッシュ」「大魚菜」「フェルミエール」オーナー・曽我氏、前教育委員・伊藤和美氏。面識のない方では元・国土庁長官の小沢潔氏、前出・小沢孝造氏。

  国立の人ならわかると思うけど、なかなかコンサバチブなオールスター・キャストだ。

  上座の講師席には二つ椅子が並んでいる。一つは嵐山先生、もう一つが僕の分だ。

  言うまでもないが僕が堂々の最年少だ。しかも赤いアロハにジーパンなんかで行ったものだから居心地の良くないこと極まりない。ちなみに僕の次に若いのが、しめし合わせたわけではないが青いアロハにジーパンのマスオさんだ。

  (この句会の顛末はまた明日に続く・・・・)

2004-03-22 ほんやらなまず句会3月例会 2

ほんやらなまず句会3月例会 2

それでは朋輩たちの秀句佳句を一気にご案内。

   

      強情で薄情な目で春の海           健治


      幻滅を連れ春風ひざの上           健治


      野良仕事伸びする背中春の風         萌


      丸文字のピアノ教室燕の巣          敬記

     

      ひと吹きで落ち葉集める春嵐         暁美

     

      床の間の闇仄白く内裏雛           暁美


      風光り口笛高く野を渡り            章


      春の雨泣いてばかりの恋終えて        マスオ


      幇間の爪切る音や春の雨           マスオ


      春風や着メロ変えて服変えて          マスオ


      春風や音楽堂の窓に入る            マスオ


      早春やかたいバナナを二本喰う         二庵


      金策のあて外れたり春の雪           二庵


      侘助や長生きしてねと言われけり        二庵

2004-03-21 ほんやらなまず句会3月例会 1 

ほんやらなまず句会3月例会 1

 今回の季題・兼題は「音楽」(特に「ジャズ」)。春の気候(春雨、春風、春嵐、春の雪等)」。

  ではさっそく吉例により拙作からご案内。



     ゴミ出しの足元にほら春風


     春北風(はるきた)に紺のブルマも跳ねにけり


     春泥や褒められたくて積みし嘘


     春風に押されて行くやA列車


【解釈と干渉】

第一句  朝、素足にサンダルをひっかけてゴミ出し。素足だからこそ感じられる、昨日までとちょっと違う春の風。

第二句  春北風(はるきた)とは文字通り春に吹く北風のこと。寒いんだけどはつらつと動き跳ねる女学生の姿。

第三句  春泥とは春の雪解けや霜解けによるぬかるみのこと。今まで白く清浄な雪に覆われていたが、雪解けとともにその下にあるものが明らかになってしまう。それを隠すためについた嘘。そしてその嘘を隠すためについ口から出てしまう・・・。嘘の無限連鎖。

第三句  いや、なにかジャズの句を作らなきゃいかんと思って・・・・。

2004-03-03 ああ、ひなまつり

ああ、ひなまつり

 あのなんだね、ケリー候補ってのはサザエさんに出てくる外人みたいな顔してるね。


 さて、今日はひな祭り。さっき帰宅してテレビと差し向かいでハマグリのお吸い物をいただきました。

 

 ここでひとつ告白をすると、僕は「合コン」なるものに参加したことがないんだよね。まぁ、どうでもいいんだけど(「どうでもいいんだけど」を言葉の後ろにつける人って言うのは、大抵「どうでもいい」と思ってないからやっかいなのだが・・・)。

なんで合コンの事なんか言い出したかというと、ずっと遡って小学校時代ぐらいかな? 女の子のうちでひな祭りのパーティーが開かれてそれに男の子が招待される、なんて風俗がよくマンガやドラマに出てくるよね。

  

 ここでまたもうひとつ告白をすると、僕は招待されたことがない。

 また、僕のまわりにもなかったなあ。本当にそういうことってあるの?それとも僕と僕の周辺が特別にモテなかったの?(しまった! 小学校の同級生から「ホームページ見てます」って年賀状をもらっていたのだ、いかんいかん。君のことを言っているのじゃないぞ--汗--)。

 

 ここでさらにもうひとつ告白をすると、去年の三月句会に出した下記の句は想像の産物です。実体験ではありません。


    腕白も膝を揃えて雛の宴  蕃茄


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2004-02-14 俳句BOMB 2004年2月号〔2〕

俳句BOMB 2004年2月号〔2〕

それでは朋輩のみなさんの秀句佳句を一気にご案内。

   

      寒時雨幼なじみの訃報あり          萌


      寒の朝亡母の肩もむ夢で覚め         萌


      鉄棒の掌にまとひつく余寒かな        敬記

     

      観梅の話などする停留所           敬記


      空缶や渡り切ったか寒の道          敬記


      寒参り無明長夜の身を律し          俊夫


      寒紅をさして老妓の華やげり          俊夫


      雪見風呂薬缶頭の浮き沈み          俊夫


      寒風やチワワをせかす散歩道          健治


      ふるえつつ音符に並ぶ寒雀           健治


      大寒や額でわけ入る縄のれん         健治


      涙目や月に星研ぎ寒気団            章


      猫の尾の曲がりし先に寒の風          章


      大吉をひいても今日の寒さかな         マスオ


      寒月夜口笛さえて帰り道             マスオ


      火を消して寒夜(さむよ)に帰る消防車     二庵


      ホカロンを競輪場でもらいけり           二庵


      十五からピースを喫んで夜の咳          二庵

2004-02-13 俳句BOMB 2004年2月号〔1〕

俳句BOMB 2004年2月号〔1〕

毎月言っていることだが、国立には「ほんやらなまず句会」という名前の俳句の会がある。

  毎月1回、国立東の画廊喫茶「キャットフィッシュ=エソラ」に集まり、元・「MORE」「コスモポリタン」編集長の宗匠・安藤二庵氏を中心に運営され、僕もその末席を汚している。「ほんやら」は国分寺にある歌手の中山ラビさんの店「ほんやら洞」のほんやら、「なまず」は「キャットフィシュ」のなまず。両方の常連が基本の句会だ。

  先日行われた2月例会の季題は「寒」、そして音で「カン」。

  吉例により拙作よりご披露。



     寒鴉子らの隊列見送れり


     説教もつい長くなり燗の酒


     日脚伸ぶ仁王の脛の辺りまで


     重ね着の少女舞い跳び始発駅


【解釈と干渉】

第一句  餌が少ないので冬の鴉はがっついている。時には凶暴になることも。子どもなどその標的になりやすい。でも大勢だと話は別。集団下校の悪童どものことは遠巻きに見ているのが得策。

第二句  言いにくい話、しにくいお説教も飲みながらならなんとか。でも寒い日に飲む燗酒は旨すぎて、つい飲みすぎ。話がつい長くなってしまう。

第三句  「日脚伸ぶ」とは冬至が過ぎて昼間が長くなっていること。すっかり日が長くなった季節の夕日が仁王様の足元を照らす。

第三句  先日、出張で群馬県太田市に行ってきました。東京にない風俗として、女子高生がみんな制服のスカートの下にジャージのスボンをはいていました。究極の重ね着。うんうん確かに上州の冬は寒い。プラットホームの彼女らはまるで雀のように賑やかで生命力と躍動感にあふれていた。


朋輩のみなさんの作品は明日、一気にご案内。

2004-01-27 ほんやらなまず句会1月例会 2

ほんやらなまず句会1月例会 2

  それでは、朋輩の皆さんの秀句佳句を一気にご紹介。

   

     ふる里や心は近く足遠く            萌


     思い出をたぐりつつつく手まりかな     萌


     正月や夢二の絵があり旅の宿       萌

         

     凧あがる空と心にひとつずつ        章


     風止みて凧のつかまるものもなく      敬記


     掌にたより少し届きて凧あがる       敬記


     小さくとも両手を添えて鏡餅         暁美


     里山の訛に似合う雑煮かな         暁美


     縫い初めはお手玉となり母の春      暁美


     尾根道の里近き径や初霞み        俊夫

 

     転(まろ)びても馳せ廻る子や凧のぼり   俊夫


     投扇興裾の乱れも松の内          俊夫


     冬星座谷間にぽつんと小さき里      マスオ


     ヒヤシンス二センチほどの春をよぶ    マスオ


     冬眠をさます珈琲二三杯          二庵


     好きなこと増えてさびしき小雪かな    二庵

2004-01-26 ほんやらなまず句会1月例会 1

ほんやらなまず句会1月例会 1 

毎月言っていることだが、国立には「ほんやらなまず句会」という名前の俳句の会がある。

  毎月1回、国立東の画廊喫茶「キャットフィッシュ=エソラ」に集まり、元・「MORE」「コスモポリタン」編集長の宗匠・安藤二庵氏を中心に運営され、僕もその末席を汚している。「ほんやら」は国分寺にある歌手の中山ラビさんの店「ほんやら洞」のほんやら、「なまず」は「キャットフィシュ」のなまず。両方の常連が基本の句会だ。

  1月11日に行われた1月例会の季題は「正月の遊び」、その他、正月らしいもの。


  吉例により拙作よりご披露。



       子に訊かれ答えに窮す歌がるた


       知らぬ字を飛ばして笑う歌留多読み


       立て膝の出世小唄や絵双六


       杵柄(きねづか)も朽ちて羽子板空を切り


       待ちきれず独楽を抱きて子の眠る



【介錯と干渉】

第一句  「小倉百人一首」とかって子供に説明しにくい文句ってありますよね。特に恋歌なんか。

第二句  子供同士でカルタ取りをしているのを聞いてると面白い。交替で読み手をするんだけど、年下の子が読み手で読めない字があったりすると飛ばして読んじゃう。「意味わかんねー」とかのクレームには笑ってごまかすわけですな。

第三句  絵双六と言いつつ僕の頭にあるのは「人生ゲーム」とか「モノポリー」。「よっしゃー鉄道会社買収!!」「とほほ、ホテルと銀行ダブル倒産だぁ」とか、やたら話が大きい。まさに大江戸出世小唄状態。みんな立て膝でどんどん白熱していくんだね。

第四句  昔取った杵柄で羽根つきなんかお茶の子サイサイ、と思っていたらさにあらず。体がいうこと聞かないのだねぇ。杵柄なんかとうに腐っていたのだな。

第五句  日暮れまで庭のすみのコンクリのところで独楽回しをしていたが飽き足らず、フローリングで独楽を回して「明日、外でやりなさい」と怒られて・・・・・。明日が待ちきれず枕元に独楽を並べて寝るそんなお正月休みのひとコマ。

  

  朋輩たちの佳句・秀句は明日に・・・。

2003-12-27 ほんやらなまず句会12月例会

ほんやらなまず句会12月例会

 「数え日」である。

  わずかに残った今年の日々のことを俳句の方では「数え日」というそうだ。今日の東京新聞の夕刊の俳句欄に載っていた、俳人土肥あき子さんのコラムで知った。

  毎月言っていることだが、国立には「ほんやらなまず句会」という名前の俳句の会がある。

  毎月1回、国立東の画廊喫茶「キャットフィッシュ=エソラ」に集まり、元・「MORE」「コスモポリタン」編集長の宗匠・二庵氏を中心に運営され、僕もその末席を汚している。「ほんやら」は国分寺にある歌手の中山ラビさんの店「ほんやら洞」のほんやら、「なまず」は「キャットフィシュ」のなまず。両方の常連が基本の句会だ。

  先日行われた12月例会の兼題は、「風邪」「色(どんなものでも)」。

  では吉例により拙作からご披露。



    冬ざれの野に青雲を語りをり


    時計見つ未だ帰らぬ風邪の客


    寒月に橇曳く人の赤き服

   

    廃園を照らす冷たき曙光かな


【介錯と感傷】

  第一句    別に円楽師匠への挨拶句ではありません。景色は寒い荒れ野だけど、心の中に大志を抱く若者の姿を詠んだつもりです。

  

  第二句    時間が気になるなら、風邪をひいているのなら早く帰ってくれればいいのだけど、そういう人に限って尻が重い。どうか伝染さないでね。

  第三句    つまりはサンタ・クロースのことです。でもよく考えてみればサンタさんはソリに乗っているだけで、曳いているのはトナカイでしたね。

  第四句    時々明け方に目が覚めてしまいます。寒い。我が家の荒れ果てた庭に射し込む朝日の光もどこか冷たそうです。


 

 それでは続いて朋輩の秀句佳句を一気にご紹介。


     風邪癒えて掛けし布団の軽さかな      敬記

     

     ていねいに髪洗ふ昼風邪の後        敬記


     頬赤き風邪の子大事添い寝する        章

  

     青白く斜め刃の時雨かな            けんじ


     この年は単色となりカレンダー         けんじ


     木枯らしや色即是空の声ばかり        俊夫


     艶ばなし終えてマスクをとりにけり        国東


     柿のれんかやぶき屋根の白い倉        萌


     アトリエのコーヒーの黒壁の白          なほこ

 

     折り紙の残った色の落葉かな          ゆきえ


     つり革にあずけた腕も風邪の熱         暁美


     行けぬとも行くとも言えぬ風邪の朝       暁美

 

     包丁を研ぐ音ありし師走かな          マスオ


     風邪っ引きグスリとやつて飛車をとり       マスオ  

 

     マスクして少し悪知恵まわりすぎ         二庵


     若女将風邪引かぬ気の襟白く           二庵

2003-12-02 ほんやらなまず句会11月例会 2

ほんやらなまず句会11月例会 2

昨日に引き続きまして、朋輩たちの佳句・秀句を一気にご紹介。


   便り来て心に影ひく灯し時       萌


   さようなら五文字の手紙残り柿    萌

 

   便りなき頼りなき身に夜は長く     萌

   

   十五夜に虹の輪かかり雨便り    章

   

   訃報打つ指先重く夜の長き     章


   置き手紙もみじ一葉風に舞い    章


   時雨るやそれぞれ電話街の椅子   敬記


   絵手紙の描きそこねし秋刀魚かな  敬記


   亡き人の手紙取り出す夜寒かな   俊夫


   胸中の秘め事重く初時雨        俊夫


   うす紅葉添えて安否の便りあり     俊夫


   黒きものに回帰して止む冬の入り   好壷


   細き腕おぶういかがと燗の酒      好壷


   絵手紙に「秋」という字のでかさかな  マスオ

 

   落日や呑んで呑まれて薄情け     マスオ

 

   ああ無情秋が嫌いになりました     マスオ


   女郎花抱かれてじっとしてゐます   二庵

 

   行く秋のモノレールの音見上げけり  二庵

  

  それではまた来月。

2003-12-01 ほんやらなまず句会11月例会 1

ほんやらなまず句会11月例会 1

ああ、12月にはいってしまった、いかんいかん。

... ... ... ... ... ...

国立には「ほんやらなまず句会」という名前の俳句の会がある。

 毎月1回、国立東の画廊喫茶「キャットフィッシュ=エソラ」に集まり、元・「MORE」「コスモポリタン」編集長の宗匠・二庵氏を中心に運営され、僕もその末席を汚している。「ほんやら」は国分寺にある歌手の中山ラビさんの店「ほんやら洞」のほんやら、「なまず」は「キャットフィシュ」のなまず。両方の常連が基本の句会だ。

 先日行われた11月例会の兼題は、「便り」「秘密」。

 そこで出句した自作をご披露。


    百年の無心の便り秋時雨

    

    明かしたき秘密や今朝の温め酒


    大賢は大愚に似たり秋の空


【介錯と干渉】

第一句  先日、岩波書店から『岩波茂雄への手紙』という本が出た。岩波書店の創業者・岩波茂雄に読者、著者から送られた手紙を集めたものだ。その中には著名な文学者からの金の無心もある。古い手紙が出てきた感傷を秋時雨に重ね合わせた。本当は岩波書店は創業90年。100年にはチト足りない。

第二句  朝っぱらから温め酒とは尋常ではない、穏やかではない。何か艶っぽい秘密がありそうだ。そういう秘密って、本当は本人もしゃべりたいもの。ちょっと水をむければ、「いや実はさぁ、参っちゃってさぁ。でへっ」となるものである。

第三句  「大賢は大愚に似たり」という言葉がある。広辞苑によると「非常に賢い人は、知識をひけらかさないから、ちょっとみたところ愚かな人のように見える」という意味だ。僕の友達にもいる。いつも秋の空のように大らかでニコニコと機嫌よく過ごし偉ぶったところはひとつもない。でも話してみると、その言葉には千金の重みがある。そんな人のことを想いながら詠んだ。


  明日は引き続いて、朋輩たちの佳句・秀句を一気にご紹介

2003-10-27 ほんやらなまず句会10月例会 2

ほんやらなまず句会10月例会 2

引き続きまして、朋輩たちの佳句・秀句を一気にご紹介。


      栗載せしケーキに定年祝いけり     敬記


      書き留めて置きし日の過ぎ秋彼岸   敬記


      どんぐりや小さき靴と干されけり      敬記


      一房のぶどうの重く一途なり        章


      世の深さ探りて歩く月明り         章


      秋灯や長そでシャツのしわ照らし      なほ子  


      クロールの水の中の時外の時        なほ子


      筋雲や何万年の鳥の道           ユキエ


      考える猫は動じず時の鐘          ユキエ


      直立の菊も昭和という時代         ユキエ


      法事終え子はばらばらに赤蜻蛉      ユキエ


      侘び住居秋の祭りの笛遠く         トシオ


      時雨来て木の實降る降る夕かな      トシオ


      妻そっと唇あてる温め酒           トシオ 


      落日や秘密基地までのぼり坂        マスオ


      月曜日冷たく重い梨を向く          マスオ


      団栗やポトンと落ちてトタン屋根       マスオ


      木の葉散り初めてより往時ふり返る      二庵


      肌に紅葉燃えし日のあり時の時        二庵

2003-10-26 ほんやらなまず句会10月例会 1

ほんやらなまず句会10月例会 1

国立には「ほんやらなまず句会」という名前の俳句の会がある。

 毎月1回、国立東の画廊喫茶「キャット・フィッシュ」に集まり、元・「MORE」「コスモポリタン」編集長の宗匠・二庵氏を中心に運営され、僕もその末席を汚している。「ほんやら」は歌手の中山ラビさんの店「ほんやら洞」のほんやら、「なまず」は「キャットフィシュ」のなまず。両方の常連が基本の句会だ。

 先日行われた10月例会の季題・兼題は、「時」 「日時年月日」「秋の木の実」

 そこで出句した自作をご披露。


      

     朝顔の種はりはりと爆ぜにけり

   

     無花果も結ばぬままの月日かな

   

     手を離し数珠玉摘んだ帰り道


     秋風や上には上また上がいて


【介錯と干渉】

第一句 子どもが学校で育てた朝顔。夏休みからは我が家に帰ってきている。夏の間楽しませてくれた花はとうに散り、乾ききっている。ちょっと触るとたやすく、はかなく爆ぜて黒い種がこぼれるその風景。秋の深まりを感じ、遠い夏を偲んだ。

第二句  先日、職場で「勤続ウン周年」ということでお祝いの会を開いていただいた。そのとき同僚が、

「金木犀二十年前の花の数」という句を献じてくれた。句意は、僕が就職してからの日々を金木犀の木の成長に喩えてくれたのだと思う。ありがとう。僕の「無花果も結ばぬままの月日かな」は、実はそれへの返歌。花は咲かず実だけなるイチジク。馬齢を重ねつつ実さえ成さないわが身・・・。でもいつか実る時もあるでしょうという句意。ちなみに本当はイチジクは花が咲かないのではなくて、イチジクの花というのは実の中に咲くのである。

第三句  中学校の時の帰り道、数珠玉の木が道沿いにある家があって、フェンス越しに手が届くので、勝手に採っている悪ガキがたくさんいた。 ところで、学園祭のシーズンにはにわかカップルが量産される。 大人の目で見ると可愛いやら気恥ずかしいやらなんだけど、学校帰りも制服姿で手をつないで帰ったりしてね。それまでずつと手をつないできたけど、件の数珠玉の木のまえでパッと手を離して数珠玉を採って彼女の掌に乗せて、微笑みあう・・・・。クゥーー!!青春ですなぁ、秋だけど。それを後ろからうらめしそう、いやうらやましそうに見ている少年の姿・・・・もちろん僕なのだが・・・。

第四句   スポーツの秋。自分の贔屓チームや贔屓選手を負かした仇が、次の試合ではコロリとやられて・・・。上には上がいるもんだなあ、この高い秋の空みたいに。


明日は引き続いて、朋輩たちの佳句・秀句を一気にご紹介。

2003-10-03 ほんやらなまず句会9月例会 2

ほんやらなまず句会9月例会 2

さて、お待たせしました。続いて朋輩たちの秀句・佳句を一気にご紹介。

  

    虫の音やはるか遠くに列車見ゆ     なほ子

    

    般若湯汲まれるを待つ蓮葉かな     なほ子

 

    もどかしく外灯のもと封を切る       萌


    記念日や土産のランプに灯ともす     萌


    草取りの耳に隣家のラジオ聴き       萌


    遅れ来てこれが最後と蝉しぐれ       章


    帰り道秋に踏み入る虫しぐれ         章


    山小屋の裸電球秋ひとつ           章


    カーミラー指にて拭けり露の朝        敬喜


    カーラジオ窓開け混じる秋まつり       敬喜


    胡弓鳴く灯火涼し風の盆           健治


    草臥忌や浦賀の寺の虫時雨         俊夫


    秋灯やなじみの客の声低し          俊夫


    病む妻の閨より洩れるラジオかな       俊夫


    秋草の露蹴散らして犬走る            マスオ


    秋の灯やライスカレーのにほい立ち      マスオ


    秋の蝶舞えばおもかげうかびけり        二庵


    鳴き止みしいのち思ふや蝉時雨       二庵


          以上です。


次回のテーマは「(秋の)実」、「日時・年月日」。

2003-10-02 ほんやらなまず句会9月例会 1

ほんやらなまず句会9月例会 1

国立には「ほんやらなまず句会」という名前の俳句の会がある。

 毎月1回、国立東の画廊喫茶「キャット・フィッシュ」に集まり、元・「MORE」「コスモポリタン」編集長の宗匠・二庵氏を中心に運営され、僕もその末席を汚している。「ほんやら」は中山ラビさんのほんやら洞のほんやら、「なまず」は「キャットフィシュ」のなまず。両方の常連が基本の句会だ。

 先日行われた9月例会の季題・兼題は「露」「秋の虫」「秋の燈」「ラジオ」 そこで出句した自作をご披露。

では、恒例によりまして拙作よりご案内。


     初秋や小さい私見ぃつけた

     

     初秋の旅や腕(かいな)に犬張子

     

     邯鄲の声を枕の帰郷かな

     

     空念仏唱えつ秋の蠅ながむ

     

     言い訳を拒む小径に秋蛍


【介錯と干渉】

第一句  サトーハチローの「小さい秋」からの発想。ふとした時、自分と言う存在の小ささを感じる時がある。 そんな気持ちを句に込めた。本屋さんのPOPに「小さい私フェア」っていうのがあって、近づいてよく見たら「小さい秋フェア」だったというきっかけもある。老眼の始まりか。

第二句  これは日記にも書いたが、先日、同僚が出産のため休職に入った。郷里の津軽で出産するそうだ。故郷に帰る彼女の腕には、目には見えなくても安産と子育ての守り神「犬張子」が抱かれているのだなあ。

第三句  これも帰郷の歌。邯鄲(カンタン)は秋に切ない声で鳴く虫。その邯鄲の声を聞きながら帰郷するという風景だが、もう一つの意味も込めた。

 僕は故郷がない人間なのだが、友人から「帰郷はタイムスリップだ」と聞いたことがある。能に『邯鄲』と言う演目がある。貧乏で立身出世を望んでいた盧生という青年が、趙の都・邯鄲で仙人から、栄華が意のままになるという枕を借り、うたたねをしたところ、富貴をきわめた50余年の夢を見たが、覚めてみると炊き掛けていた粟がまだ煮えきらないほどの短い間であったという内容だ。元は中国の「枕中記」という小説。東京では色々あって時間も経ったけどそれも「邯鄲の夢」。故郷というものはいつも変わらぬ姿で迎えてくれるものなのだろうと。長いね、解説が。

第四句  「やれうつな 蠅が手をすり足をする」。一茶の名句の翻案かと思われそうだけど、僕の中での原点は、先代・三遊亭金馬の「小言念仏」だ。小言好きなご隠居が家族に小言を言いながら仏壇に向かって念仏を唱えて、そのうちに泥鰌鍋をつくりだす。熱湯に最初暴れていた泥鰌もやがて腹を出して浮いてくる。「ほぉら煮えやがった、ざまぁみろ。なんまいだーなんまいだー」というサゲ。「やれうつな 」は優しいまなざしで蠅をみているが、「空念仏唱えつ」の作者は、これからこの蠅を「打つ」タイプの人間なのだな。

第五句  なんとも救われない絶望的な気持ちに、いのちはかない秋の蛍が重なった。

朋輩たちの秀句・佳句は明日、一気にご紹介。

2003-09-11 仲秋の名月

仲秋の名月

仲秋の名月である。ビルの谷間から顔を覗かせたときは同僚たちから嘆声が上がるほど明るく大きく美しかった。

 仕事なんかしている場合じゃないよね、なんていいながら今日も残業。

 国立に着いたときにはほぼ真上に来ていた。真上に来つつも駅前はビルの谷間。しかも今夜は厚い雲がところどころにある。見え隠れする月を探しながらの帰途だった。

 

 ちょうど家に着いたとき、また隠れてしまった。坪庭に立ち、しばし月を待つ。

 ほどなくその姿を見せてくれた。母が丹精した畠の前に立つと、土が月の光をほの青く反射しているのが見られた。あのまっ黒い土が青く光るのがなんとも不思議だ。


     

       名月に光る畠の土の色


 

 月見といえば団子というイメージがあるが、お芋を供える習慣もある(おもにサトイモかな)。

 夕食の味噌汁の具はさつまいもだった。ツマがその習慣を知っていたかどうかはわからない。聞けば「知っていた」と答えるにきまっているから聞かない。

 それにしても真夏のように暑い一日だった。台風が近づいているらしい。きっと突然、秋になるのだろうな。


  中国で、中秋の名月に供える「月餅」。僕は子どものころテレビの「水戸黄門」のタイトルバックの映像を(CM入りやCM明けの映像も)、ずっと「月餅」だと思っていた。

2003-09-07 Porte de Paris パリの門

Porte de Paris パリの門

ようやく、今日あたりは涼しくなってきた。「新涼」(しんりょう)というやつかな。

今日は句会。会場の画廊喫茶「キャットフィッシュ」に行く前に、いつものように旭通中央のフレンチ・カフェ「Porte de Paris」で句作した。

 いつもここで俳句を練ってから句会に臨むことにしている。

 間口が狭く、どうかすると見逃してしまいそうな店だが、本当にパリの下町にあるような雰囲気の店と評判だ。僕はパリに行ったことが無いからその辺はよくわからないが、妙に落ち着く店なので愛用している。個性派揃いの国立(くにたち)の喫茶店の中でも異彩を放っている。夜遅くまで営業しているのもありがたい。

 ちなみに「Porte de Paris」とは「パリの門」という意味だそうだ。

 日替わりのレギュラーワインが立ち飲みで500円、テーブルで600円。知らないで入ってきた人は、立っている人が何人もいるからギョッとする。もちろんワインだけでなく、ソフトドリンクやケーキの種類も多い。

 ウンナンのウッチャンに少し似ているパリ帰りのご主人は大のサッカー好きで、店内のTVモニターではいつもフランスのチームのサッカーの映像が流れている。

 お客もフランス贔屓のサッカー好きが多いようで、サッカー談義に花が咲くこともしばしば。サッカー音痴の僕などは、最初は交通事故の処理の相談をしているのかと思ったぐらいだ(!?)。

 そういうわけで、ぼくは今日もいつものテーブルで歳時記と句帖を広げ、ワインを飲みフレンチ・ロックを聴きながら、俳句をつくった。一見そぐわないようだが、これがもうすっかり習慣になってしまっている。



     新涼や国立にあるパリの門



の挨拶句を得たが句会にはだせそうもないな。

 句会の報告のほうは、またいずれ近いうちに。

2003-08-27 犬張子

banka-an2003-08-27

犬張子

同僚の津軽美人・A子さんが今日から産休に入った。色白、長身でスポーツ万能、斗酒なおも辞せずのカッコイイ彼女が、日に日にお母さんの顔に変わっていく様は、驚きつつも微笑ましかった。

 故郷の津軽での里帰り出産で、数日中に帰郷するとのこと。職場復帰は3月の予定。



     初秋の旅や腕に犬張子       蕃茄


     ハツアキノ タビヤカイナニ イヌハリコ

 

 初秋のみちのくの故郷に向かう旅。たとえ他人の目には見えなくとも、安産と子育てのお守り「犬張子」がその胸に抱かれていることでしょう。

 ご安産をお祈りします。そして職場への復帰をお待ちしてます。雪が融けるころまた会いましょう。

2003-08-20 ほんやらなまず句会 8月例会 2

ほんやらなまず句会 8月例会 2

昨日に続いて今日は、朋輩たちの佳句秀句を一気にご紹介。

(ここに発表して差障りのあったり、ネット上の俳号を使いたい人は連絡してね、って誰も読んでないかな)

 今回の季題は「海」「夜店」「花火」「その他、夏らしいもの」。


     花火から現(うつつ)に戻る交差点   敬記

     空低く花火の音や基地の町      敬記

     いさかいは線香花火の煙の中     暁美

     梅雨明けや歓喜一斉蝉時雨      章

     夜店の灯音軽やかに桐の下駄     章

     夏の海酒まずくなる馬鹿相手     章

     人はみな夜のかげろう盆踊り     朋子

     公園の夜のひまわり散りにけり    朋子

     旅と恋終る車窓の遠花火       朋子

     海の子や影絵のように日に焼けり   なほ子

     駆け足やゆかたの帯に結ぶ恋     健治

     半日の閑(かん)を江の島海開き    俊夫

     絵日記の赤青黄色大花火       マスオ

     残業のビルのガラスに大花火     マスオ

     梅雨明けて競輪へゆく無料バス    二庵

     満ちてくる海の深さや遠花火     二庵


 

 次回の季題、兼題は「露」「秋の虫」「秋の燈」「ラジオ」。

2003-08-19 ほんやらなまず句会 8月例会 1

ほんやらなまず句会 8月例会 1

国立には「ほんやらなまず句会」という名前の俳句の会がある。

 毎月1回、国立東の画廊喫茶「キャット・フィッシュ」に集まり、元・「MORE」「コスモポリタン」編集長の宗匠・二庵氏を中心に運営され、僕もその末席を汚している。

 先日行われた8月例会の季題は「海」「夜店」「花火」「その他、夏らしいもの」。

 そこで出句した自作をご披露。


   

       とりどりにデパ地下の宴大花火

    

       なに思ふ夜店のひよこ籠の中

 

       羽織無き二人羽織の金魚釣り

    

       空にらみパナマの人の急ぎ足



【介錯と感傷】

第一句   うちの職場では毎年大きな花火大会の時には、若手を中心としたメンバーで「花火鑑賞会」が行なわれる。めいめいにお酒やおつまみを持ち寄って、レジャーシートの上で繰り広げられる納涼宴会での人気はやっぱりデバ地下グルメ。名店の味を楽しみながらの花火鑑賞はまた格別のようだ。

第二句   夜店のひよこ、せつなくも愛らしい。旬日でその愛らしい姿のまま命を終えるものもあれば、逞しく成長して近隣一帯に早起きを強いるものもある。同胞と過ごす場所から、ひとり籠に入れられたひよこの先にはどんな運命が待っているのだろうか。そのビーズのような真っ黒な瞳はなにか言いたげに見える。

第三句   そうじゃないよ、もっと手首を使うんだよ。ああ、また逃げられた!もぅ! 下手糞!!!。ええぃ、ちょっと貸してみろ・・・・。と、子を連れての金魚すくいは、すぐ二人羽織になってしまうのだ。

第四句   「パナマの人」と言っても、ロナルド・レーガンの罠にはまった綿引勝彦似の人のことではない。パナマ帽(紳士用の夏帽子)をかぶった人のこと。雲行きが怪しくなった空をにらみ、「雨が降りそうだな」と足を早める人の様子。高級な帽子、濡らしたくないもんね。


朋輩たちの佳句秀句は明日、一気にご紹介。