バグってハニー

 ふと、はてなダイアリーてフラ盤なりKifu for Flashなり使えたっけと思って調べてみたんですが、ちょっと難しいみたい。「iGoogleのガジェットを使えば可」らしいのですが、iGoogle終了してますし。あるいは今でも何か方法あるのかもしれませんが、こんな枯れたとこに無理矢理、適応しようとするより、さっさとよそに移転するなり、棋譜倉庫専用のサブページを作る(素敵三間飛車方式)なりした方が早い気がします。

木村一基-△羽生善治…△羽生勝ち

 1勝1敗1持将棋で迎えた第4局。ここまで矢倉、矢倉、角換わりと来ましたが、本局では三度、矢倉。先手の木村は第2局と同じく、4六銀3七桂戦法へ。
 先手は9筋を受けるマイナーな順をチョイス。この戦型は後手が△9五歩と突き越すか、△8五歩と飛車先を決めるかの二択で分岐していく、というのが私の大雑把な理解なんですが、そのどちらでもない形。△9五歩とちょっかい出す手を与えるので先手にあまり得はなさそうにも思えますが、受け師木村としてはむしろちょっかい出してきてもらった方が力出しやすいということでしょうか。
 実は羽生も昨季のA級順位戦深浦康市戦で先手を持ってこの形指していた(後手の深浦勝ち)んですが、先に変化したのは前例では勝っていた後手、羽生の方でした。50手目、△6四歩。

 羽生深浦戦では分かりやすく端に数足して脅かす△9二飛、それ以前では専守防衛の△4二銀が多かったようですが、それらに比べて何ともボンヤリとした一手。将棋で「ボンヤリした手」という場合、直接手ではない、含みをもたせた深い手というような肯定的な意味で用いられることもあるんですが、破壊力の高さで恐れられる4六銀3七桂型に対して、その攻めを牽制している角のラインを自ら止めてしまう、というのは本当にただボンヤリしてるだけの手にも見えなくはない。解説の阿部隆にいたってはPCのバグかと思ったとまで言ってましたし。6四、6五と歩を伸ばしていけば攻めが厚くなる、という意図は分かるんですが、相手の総攻撃が目の前に迫ってるのに2手かけて将来の「攻めの厚み」というフワッとしたものを作りに行こうとしますか普通。

 で、上の図から20手進むとこうなります。△6四歩〜△6五歩の突き捨てを入れたことで利いたこの叩きがクリーンヒット。取れば△5四桂のふんどしなので▲5六金とよろけましたが、バッサと角切って△5七銀と絡みついてこられると6六に残った歩の拠点が大き過ぎて、小駒だけの後手の攻めがほどけない格好になってるっていう。…一体どこまで読んでたんでしょう。もー、こーわーいー。
 これでついに羽生王位が2-1でリード。ここまで矢倉の3局は全て後手勝ちという二日制の対局としてはなかなか非常識な結果となってますが、第5局はどうでしょう。後手木村の2手目の選択がまず注目。矢倉と心中か、そろそろ横歩か。1週間後が早くも楽しみ。