あるじの小言

「あるじの店」(BAR Virgo)や洋酒(特にウイスキー)、スコットランド、まれに赤坂について書いています。

 エジンバラ〜キャンベルタウン〜アイラ  −36−

barvirgo2016-07-27

5月6日(金)午後1時、ブナハーブン蒸溜所に到着、駐車場が前回停めさせて頂いたところと違ったので少しアタフタしていたら、そこに大きな荷台を引いたトラクターがやって来ました。


そのトラクターというかドライバーの方の動きがとても素晴らしく、動画で紹介出来ないのが残念なぐらい流れるような動きで車をバックさせ、ドラフ(麦芽カス)を貯めておくであろうサイロの下に荷台を合わせて停め、おもむろに運転席から出てくるとサイロの下部にあるハンドルをひねりドラフを荷台に落とし込む様子を見せてもらうことが出来ました。
まあ右の写真だけでは分からないと思いますが、こうしたドラフを運び出すシーンを見られることはそう多くはないので、ちょっとラッキーだなと思いました。
しかしこの日はメンテナンスの日で蒸溜は行なわれておらず、そこはちょっと残念でした。
但しブナハーブン蒸溜所は写真を撮るのはOKなので、直前に訪れたカリラ蒸溜所が撮れなかった事を思うと、それはすごくありがたいなと思いました。
そして見学スタート、先ずはミルハウス(麦芽粉砕室)です。

モルトミル(麦芽粉砕機)はポーティアス製、そして今回は初めてモルトミルの上部に上げさせてもらいフィルターの部分を見せてもらいました。
写真右がそうなんですが、このボックスの下部の方にモルトに紛れた小石などの異物が除去出来るようになっていて、見せてもらいましたが本当に結構な異物が混じっていて、納入されるモルトには異物が混じっていると蒸溜所の皆さんが言うのをリアルに感じることが出来ました。

そしてモルト粉砕作業の記録紙、日付にモルトサプライヤーモルトの種類、グリスト(粉砕)比率やミルのローラーセッティングの数字、異物の量などが記されており、こうしたものを見せてもらえるのもなかなか無いなと思いました。
またモルトサプライヤーがポートエレンではなくシンプソン社というのも、こうして実際に行って見せてもらわないと分からなかったりするので、こうした点も訪れて良かったと思うところです。

それからマッシュハウス(糖化室)、今回御一緒してくれたお客様達も写りこんじゃっていますが、アイラ一大きなマッシュタン(糖化槽)です。
スコットランドでも確か3番目の大きさを誇っているそうです。
やはりこれだけ大きなマッシュタンを見る事はそうそう無いので、これもブナハーブンならではだと思います。
それから写真を撮るのを忘れてしまいましたが、この後ウォーツクーラー(麦汁冷却装置)の説明を受けます。
ここのウォーツクーラーは他の蒸溜所に比べても大きく、冷却水やお湯を無駄なく利用する為の工夫などとても丁寧に説明してくれます。

そしてタンルーム(醗酵室)、こちらのウォッシュバック(醗酵槽)も木製で、木材の種類としてはオレゴンパイン(米松)で6槽あります。

でスティルハウス(蒸溜室)へ、写真にはポットスティル(単式蒸溜器)2基ですが、実際には初溜・再溜2基ずつの4基、スティルハウスの広さを考えるとかなり大きなポットスティルなので、4基を全て写真に収めようとすると難しいので、2基だけ撮ってみました。
前回訪れた時もそうでしたが、磨かないのか?かなり年季の入った感じのスティルなのです。
それから見学用のウェアハウス(貯蔵庫)を見せて頂き、そしてテイスティングルームに移り今回は3種類のブナハーブンテイスティングをさせて頂き、ブナハーブン蒸留所の見学を終えました。
こうしてこのゴールデンウィークスコットランド蒸溜所巡りの旅行の最終目的も果たし、気がつけばあっという間の8泊10日の旅を終えたのでした。
という訳で今回の「スコットランド記」は以上となります。
まだまだ書ききれないこと、伝えたい事は山ほどあるのですが、まあ下手な文章、皆さんも読んでいて疲れると思いますので何か他に聞きたい事があれば、是非あるじの店(BAR Virgo)にお見え頂ければ幸いです。
〜終わり〜

にほんブログ村