今ひとつ理解できない

前回の続きだが、田母神元空幕長の更迭について「言論の自由」を基に非難している人たちのことが今だよく判らない。

言論の自由」は国家が私人に対して保障すべきものであるが、私人としての田母神氏はその言論を政府からの命令で取りやめたわけでもないし、発表を差し止められたわけでもない。さらに持論を公表する機会も与えられている。その意味では彼の「言論の自由」は私などから見れば特権的に保障されているようにさえ思える。

以前にも書いたが、田母神論文のような言論でも政府が検閲し、発表を禁ずるような法律が制定されるのならば反対する。
だが、今回の件は航空自衛隊の制服組トップの人物が、その地位に相応しい能力を有していないことが如実に表れる文章を公表してしまったということだ。
言論の自由」は一切の批評から免れる権利ではないし、能力的に不適格な人物が責任ある立場に留まることを許容する権利でもない。