2010-12-04
図書館と『泣いた赤鬼』
課題解決支援 |
少し前に、上司に言われた言葉がずっと胸に残っているので、勝手にご紹介(関係者の方々ごめんなさい)。いわく、「図書館って、『泣いた赤鬼』の赤鬼だよね」。
赤鬼こと某図書館は、たくさんの人に利用してほしいと思った。例えば、ビジネスパーソンや起業家、中小企業経営者、自営業の方々などと仲良くなりたいと考えた。そこで、関係資料を集めてコーナーを作り、外部データベースを入れ、広報活動も行なった。「図書館はビジネスのお役に立つところです。どなたでもおいでください。無料で便利な情報源がございます。レファレンスもございます」。
でも、思ったように利用には結びつかない。某図書館は悲しみ、悔しがり、腹を立てて、せっかく立ち上げたサービスの看板を下ろしてしまった……。
赤鬼は、仲良くなりたいと思った村人たちに自分がどう見えているか、全く考えていなかった。準備を整え、看板で(消極的な)呼びかけをし、ただ待っていただけ。なぜだれも来てくれないのか、村人の立場になってその理由を考えることをしなかったし、自分から村人たちの中に飛び込むこともしなかった。赤鬼が村人と仲良くなれたのは、青鬼の、どこまでも冷静な判断と自己犠牲の結果に過ぎない。
図書館には、青鬼はいない。いたとしても、そのような犠牲を強いることなどできない。赤鬼自ら、変わるしかないのだ。

N○Tだったか電○公社だったか忘れたけど、
社内的には、
「加入者」という用語あっても、
「お客様」という用語はなかったそうな。
外から見てると、図書館もそんな感じ。
図書館って、
「たくさんの人」が利用してもしなくても、
そこに勤務する人たちの報酬って変わらないんでしょ?
そういうところで仕事をしていたら、
「お客様」は少ないにこしたことは無いよね。
仕事は暇な方が良いよね。
図書館も、一般的には「お客様」でなく「利用者」という用語(呼称)を使うことが多いようです。「お客様」呼称の使用には、いろいろ異論もあると思いますが、顧客志向のサービスを考える上では必要なことと思います。
また、財政難をはじめとして、「仕事は暇なほうがよい」といって済ませられない状況に公立図書館も陥っています。それに、ほとんどの図書館員は、報酬はともかく、まず「たくさんの人」に利用してもらいたい、と思っているはずです。でも、一方で、(当方のように)茹でガエル的状況からなかなか抜け出せない体質があるのも確かです。
『泣いた赤鬼』にはそんな読み方もあるのですね。我田引水な読みで恐縮です。ただ、この種の童話は、読み手の心情や状況によって、いろいろな解釈を許してくれるものだと思います。少なくとも当方には、あまりにも素朴で短絡的な赤鬼の行動が、(一部の)図書館の姿と重なって見えたのです。