『2days4girls 2日間で4人の女とセックスする方法』

村上龍)集英社ISBN:408781291x

『金融マン』の主人公が『SMクラブ』や『会員制デートクラブ』の壊れた女たちを引き取って、ご飯を食べたり旅行に行ったりセックスしたりする話。
数百万円を一年で倍にするのはリスクがあるが、十億を十年で十一億にするのはほとんどリスクがない
危害を加えないこと、無視しないこと、不安感を与えないこと、それがひどいことをしないということで、それが伝わればとりあえずの信頼が生まれる
などなど、金融や心理学を良く勉強したらしい、トリビアな金言が一ページごとに書かれているので、最後まで『へぇ〜』と思いながら読めます。
ところで、この小説はなんなんでしょうね。唐突ですが、現代芸術家・松蔭浩之先生に聞いてみたいと思います。

松蔭『(酩酊して)アタシはね、学生運動やってましたからね、サカモトキョージュとか同世代ですからね・・・あいつらはセックスが大好きだ!』(※)

あーなるほど、自分のセックス好きの正当化の為に、セックス依存の女たちを保護するでなく突き放すでなくダシにしつつ、自分のトラウマを都合よく探す話なのですね。
だがさやかも麗華もSMが好きなわけではない。他にマニアックになれるものがないのでしょうがなくSMを続けているだけだ。彼女たちには趣味がない。彼女たちは趣味で救われることなどないし、だいいち救われたいなどと思っていない
おせっかいですごく女に興味があるのに、ええ格好しいで責任回避の為に距離を置くというスタンスは、なんかムカツかんでもないんですが、どうなんスかね、松蔭先生?

松蔭『アタシも今年53、もうすぐ54ですけどね、いまでもハタチくらいの女の子に恋しちゃうんですよ。30も歳がちがうんですけどね。でもこっちは恋でも向こうから見たらオジサンなんだよ!お前ら恋なんかヤメロー!!!(ホワイトボードに『愛』と大書きしながら)ジョン・レノン!!!イマジン!!!』(※)

そーだー!宮台だか大塚だかもよく聞いておけ、オメーラみんなオヤジなんだよ!モノワカリがいいお兄さん気取っても女子高生なんかにゃモテネーよ!みっともねえからやめろやめろ!

という話だったのかな?

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松蔭浩之氏発言は、11月12日(水)、ミヅマアートギャラリーで行われた
会田誠個展“MY県展”開催記念特別企画 松蔭浩之先生講演会 元祖・最期の男の酒】
より、私が記憶で採録したものです。
この講演は、酩酊した松蔭浩之氏が、53歳の『アタシ』というキャラクターになりきり(本当は昭和40年生)酒を飲み、カクテルを作りながら魂の叫びを叫ぶというものでした。(もちろん村上龍に言及していたわけではありません、念のため)
そのうち詳細がこのへんに載ると思います。
(会田誠の貴重なサイン画像がアップされています 笑)

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※更に言うとこの感想文は、吉田アミ氏の日記に激しくインスパイアされていたりします。
http://d.hatena.ne.jp/amiyoshida/20031112#1068615726

ドカプロFA通信vol.5

今日発売の『週刊少年チャンピオン』掲載『ドカベン プロ野球編』

今回、山田以外の水島キャラは全員FA宣言。しかも全員、大リーグ希望。
一方、今週も山田はFA宣言しなかったのだが、明訓高校時代からの山田の目標がヤンキースレジー・ジャクソンであることは誰も知らないという、本当に誰もが初めて聞く設定が出てきて驚かされる。
また山田のじっちゃん(まだオンボロ長屋で畳屋をやっている。ちなみに今回、岩鬼が山田家に泊まりに来ていて『やーまだの家も風呂ができたで、これでなおさら泊まりやすくなったで』などと言っているが、山田は実家の改装もせずに、巨額の年俸と契約金を一体何に使っているのだろうか)が山田に『日本のプロ野球の将来を憂うより、自分の夢を追いかけろ』などとハッパをかけるが、これだけ期待をもたせるということは却って、先日の私の予想、【山田残留⇒一転全キャラ、パ・リーグ入り】が、現実味を強めてきたような気がしてならない。

http://d.hatena.ne.jp/beach_harapeko/20031111

水島漫画には【偉い人が突然主人公のところにやって来る】というエピソードが頻出するので(例 『あぶさん』の居酒屋。『○○さんやー!』とオヤジが叫ぶ顔を何度見たことだろう)きっと来週あたり崖渕総裁(という名前でした 笑)が山田の元を訪れて、残留を直談判したりするのだろう。

さて本編後の特集記事『ドカプロFA通信vol.5』(先日書いた【号外ふうページ】の正式名称はこれ)にあった囲み記事

【崖渕総裁、球界の未来を危惧】
山田世代の選手達の大量渡米により、観客動員数の減少に加え、関連商品の売上や広告収入も、多大な影響を受けるだろうという、経済的な損失も危惧されている

今週も水島プロダクション版権営業部、抜かりなくプレッシャーをかけています!