2008-12-01
■[日本映画]木下恵介監督『日本の悲劇』(1953年)
戦争未亡人の春子(望月優子)は、女手ひとつ、戦後のあらゆる苦労を重ねながら、二人の子供のために働いてきた。いかに身を落としても、それは生活のためであり、子供のためであった。
しかし、成長するにつれて、貧しさの辛酸を舐めた子供たちは、母を軽蔑していく。母の貧しさを、その性癖を、恥ずかしいとおもうようになる。
いつまでも子供を生きがいとする母と、その貧しい母から逃げようとする子供たちの、永遠のすれ違いの<悲劇>が描かれている。
★
自分ごとですが、母が亡くなるまで、価値観や考えを一度も共有できなかったわたしには、痛切なテーマです。
部分的には、「涙・涙・涙」のシーンもあって、もう少し乾いた表現のほうがいいな、とおもったりしましたが、作品全体を貫くテーマは、非常に厳しく、痛切な映画でした。
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今村昌平もあまりみたくない映像の作品が多いのですが、なんだか観ていると生きることへのエネルギーを貰えるので、何度でも観れるのですが、『日本の悲劇』は川村三郎が評した「見たくない傑作というのもまたある筈である」という言葉のとおりだと思ってしまいます。
また若い世代も、かえって自分の親でないと、距離感もあるせいか、親の世代に優しくなれるようなところがあります。佐田啓二の流しや板前の方が、かえってこの母の子を想う優しさ、人情味を理解してあげられる、というのもぼくにはなっとくがいきました。
おっしゃるように、何度も見たい映画ではありませんけど、ぼくは傑作の1本だとおもいました。
beatleさんが仰るように、若い世代が自分の親でない方が優しく出来ることはありますね。佐藤忠男はこの母の望月優子の顔を「うらめしそうな顔」と評したそうで、それを川本三郎は絶妙の表現としていますが、当っている感じです。私はやっぱり現実には難しいですが、小津安二郎の『一人息子』の飯田蝶子の母のように、裏切られても「うらめしい顔」をせずに、ひとり故郷へ戻って黙々と自分の生計をたる為に働く母に憧れます。
落語もよかったですよね。
今夜は、「ビートルズ大学」を初めて受講して先ほど(12時前)帰宅しました。ブログへのコメントありがとうございました。お返事は、明日させていただきます。
おっしゃるように、憧れる母なら、『一人息子』の飯田蝶子の演じた母ですね。でも、ぼくはどうも望月優子の<母親像>にリアリティを感じてしまいます。さらに、『一人息子』の母には、古い映画や芝居で見たような既視感を覚えなくもないのですが、木下恵介が描いた<母と子>は新鮮でした。この監督の作風はけっして好きではないのですが。
『銀座カンカン娘』を貸してくださり、ありがとうございます。楽しく拝見しました。真面目なミュージカルはダメですが、こういう映画は大丈夫なんだと、最近、自分でも発見しました。前にお借りした「狸御殿」もOKでしたし(笑)。
でも、「ウエストサイド」も「サウンド・ミュージック」も、「チップス先生」も、ダメなんですね。
「ビートルズ大学」を受講しましたか。熱心な生徒さんですね(笑)。